合格合格合格合格合格

 

・ボクはさだまさしサンの作品は読んだことがなくて、この題名も何かの冗談かと思ってたんですが、ブロガーさんが高評価でオススメしているので手に取ってみました。・・読ませる。読ませますね~。こんなにイイ話だとは思わなかった。ボクも迷いなく高評価です。

 

 

 

・心の闇を抱える青年が自立へと向かう物語ですが、人と人との関わりを丁寧に描いていて好感が持てます。「命」の意味を問う作品とか帯に書かれてましたが、それ以上に人の優しさが心に奥深く響いてくる後味の良い作品です。題名(笑)も立派な主題でした。

 

 

 

 

・さだまさしさんが多芸な人とは知っていましたが、これほど見事な物語を書く人なんですね。彼は被災地に慰問にもいらしていました。来るなり「あー遠かった」とコメントし、会場を笑いの渦に巻き込んでいました。綱渡りの一言にもかかわらず皆をゲラゲラ笑わせているあたりも人柄を感じさせましたよ。

 

 

 

 
 
アントキノイノチ (幻冬舎文庫)/さだ まさし
¥630
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クローバークローバークローバー

・浅田氏の圧倒的な筆致に驚かされつつも、遅々として進まぬ読書。敗戦の群像劇はさらに拡散し、何かおバカなボクは途中から人物の位置関係を見失ってしまいました。見えない糸のように紡ぎ合わされる群像の中で、回収されずに終わったエピソードもあったのが残念なトコロでしょうか。



・ご存じでしょうか。小学校の社会科では日本の最北端を択捉島と教えています(稚内ではないのです)。そんでもって北方領土のissueもそれなりに教えることになっているのですが、本当のissueは「60年以上経っても何も進展がないのはどうしたワケだ」という点ではないでしょうか。



・根室や稚内に行くと、「そこが玄関口だったはずの名残」を垣間見ることができます。そういう意味で本作は構成がどうこうの前に「必携の書」と言える所以だと思います。しかしスターリン体制のロシアって本当にロクでもない時代だったんだな。ロマノフ王政の方がマシだったんじゃないか。


終わらざる夏 下/浅田 次郎

¥1,785
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霧霧霧霧



・難しい主題であることは承知で手に取りました。「8月15日に甲子園の選手は何で黙祷してんだろ?」と思う若者には少々敷居が高いと思いますが、敗戦の群像はTVにしろ活字にしろどういう形であれ発信していくべきでしょう。この時代の解釈・・そういう意味ではまだまだ私も青いなと思います。



・「壬生義士伝」と同様、南部盛岡へのオマージュ・・と言ったら言い過ぎかもしれませんが、主要人物の舞台として盛岡がかなりの密度で登場します。ウチの父親なんかは風景を脳裏に浮かべることができるんだろうな。「おもさげながんす」の南部弁も心地よく作中に響いています。



・こういう小説をきっかけに知られざる戦争の跡をたどることも歴史小説の醍醐味だと思います。終戦後の占守島の戦いも多くの方が発信していることが分かります。そして彼の島がとても美しい島であることもよく分かりました。

終わらざる夏 上/浅田 次郎
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足あと足あと足あと足あと

・評価の印も足跡にしてみました。映画とlinkして読んでいるという前提でも、このアズカバンの囚人は面白いですね。あの地図にそれほど深い背景があるとは知りませんでした。また映画ではルーピン先生の扱いは軽い感じでしたが、めっちゃ重要人物なんですな。



・「あの人」との対峙はないものの、主人公にまつわる過去や脇役の背景が連綿と描かれるあたりは中間地点での謎解きと新たな提起という感覚で面白く読めました。原作を読む度感じることはウィーズリー家の扱いの厚さですな。これだけでも活字を読むに値する感じがする。



・映像レビューで申し訳ないんですが、ボクはゲイリー・オールドマンが大好きなのでシリウス・ブラックに萌える(笑)。レオンやフィフス・エレメントでキレてる彼を見るだけでもお金を払う価値があるもんだと思いました。あの手配書は映画のクリエイターの慧眼と言えると思います。


ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (3)/J.K. ローリング
¥1,995
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カクテルグラスカクテルグラスカクテルグラス

 

・明後日公開の映画の原作・・と思ったら違ってた(本作は1作目、映画は2作目が原作)。紛らわしいじゃないっすか。札幌すすき野を舞台に大泉洋チャンが闊歩する姿を思い浮かべながら読みました。なかなか楽しい作品。2作目も読もうと思います。

 

 

 

・そこここに見られるwitの効いた会話はたぶんハードボイルド系の何かのオマージュだと思うんだけど、その辺の知識に乏しいボクはよく分かりませんでした。でも、十分に笑わせてもらいました。ところでボクは下戸なので想像つかないのですが、ウィスキーとホットサンドで朝食っていうライフスタイルもあるもんなんですか?

 

 

 

 

・で、この作品で一番のインパクトは表紙をめくった後の著者近影でした(笑)。通りを歩いていたらすぐ分かりそう。そうそうボクが以前札幌に行ったときはジャスマックプラザホテルに泊まり、キリンビール園で夕食をとりました。探偵も近くを歩いていたのでしょうね。

 

 

 

 
 
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)/東 直己
¥798
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馬馬馬

 

・屋島・壇ノ浦編。ここら辺の話は古典としてもTV的にも盛り上がりが頂点に達する所ですが、その戦端の味わい方もちょっと一工夫が。「正々堂々」の中に闖入した「虚々実々」の義経という描かれ方がされています。確かに時代の考証としてそれはあるでしょう。何でも500年後の戦国下克上と一緒にしちゃいけませんね。

 

 

 

・この辺の話でやるせないのは、おそらく日本歴史上忌々しい武将ベスト5には入るであろう梶原景時の暗躍が描かれるせいですね。また奴の悪行が意外に微に入り細に入り描かれとる・・。ちょっぴりゲンナリして星を落としました。

 

 

 

 

・驚嘆の極みといえば静御前です!TVならば当代の清純派女優が配役される重要人物ですが、ここにも新機軸が。そしていよいよ義経の逃避行。安宅の関で勧進帳を開くかと思ったら、何と端折って平泉に着きました!これでまだ文庫は中間地点ですっ!

 

 

 

 
義経になった男(二)壇ノ浦 (ハルキ文庫 ひ 7-4 時代小説文庫)/平谷美樹
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メラメラメラメラメラメラ

・東野圭吾氏の本は「深く考えずに読める」あたりが魅力なんでしょうか。登場人物を整理することも無く、プロットやトリックを反芻することも無く、気楽に読めるのが良いのかもしれないと思い始めました。今までけっこう否定的だったんですけど。東京行ってはとバスに乗ってる感じ。富士山の頂上にエスカレーターで登る感じ。



・と、総括できるぐらいにこのお話はちっとも被害者や加害者の心情を斟酌してなくて、斟酌は大げさかな、「スルー」しちゃって、ここまで来ると後味の悪さも愛嬌なんかい!って思うぐらいです。まあボクとしては・・というか結構な読者が中村主水的に幕を引いて欲しいと思ったトコロだったでしょうが。



・そんでまあホイホイと映画化して懊悩して逡巡する主人公が寺尾聰すか。そこまで予定調和だと芸術的ですな。そうそう何気に読者を驚かせる仕掛けもありましたが、それはうどんに胡椒を入れるような余計な味付けだったような気がします。

さまよう刃 (角川文庫)/東野 圭吾
¥740
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走る人走る人走る人走る人走る人

 

・これはいい。本当にいい話です。ある下宿屋の同居人10名が力を合わせて箱根駅伝に挑戦するというウソみたいな話ですが、ウソみたいな話を丁寧に描いていて飽きさせることがありませんでした。三浦しをん氏の心情風景の描写は簡潔にして絶妙の域です。素晴らしい。

 

 

 

・そんでまあ簡単に影響されるボクは以来毎日走ってるんですけど、「走りたくて走る」モチベーションというのはこうまで走りに違いをもたらすのかと、走ってる自分が驚いています。たったの1kmなんですけど。長距離は子どもの頃から大嫌いでしたが、今となってやっと愁眉を開かせてくれた作品。

 

 

 

 

・来年の正月が待ち遠しくなりました。2日3日はTVにかじりついて「権太坂」とか「平塚中継所」とか「小涌園」とかの単語を聞いて萌えることにしよう(笑)。妻は箱根駅伝のファンで「見に行きたい」と言うはずですが、それはサッカーくじが当たったら考えよう。

 

 

 

 

 
 
風が強く吹いている (新潮文庫)/三浦 しをん
¥860
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ラーメンラーメンラーメン

 

・初朱川サンです。このノスタルジーは分かる。所々で出てくる挿入歌は3割ぐらいしか分かりませんでしたが、色んなジェネレーションが「昭和って良かった」と言う中の、お手本の一つだと思います。ボクの主戦場は80'sなのでもちっとトゲトゲしい感じがする。

 

 

 

・ボクも古書店の引力を感じる人間なので、あの饐えた匂いは嫌いじゃありません。店主がおっかなそうなのも法則みたいなものですが、逆に明るい店主だったら逆に気持ち悪いかもしれません。この作中の店主さんもなかなかなドラマを抱えた方でしたね。

 

 

 

 

・「栞の恋」ってイイですね。岩井俊二の「Love letter」みたいに切ないイイ話。この本読んで図書館で仕掛ける人いそう(いないか)。栞の恋は知りませんが、「机上の落書き喧嘩」ってのは大学で見た。「あんた達いい加減にしなさいよ」と仲裁する落書きもあって笑った。

 

 

 
かたみ歌 (新潮文庫)/朱川 湊人
¥460
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馬馬馬馬

 

・この源平という時代の話は、牛若から壇ノ浦を経て平泉までずっと、読んでいて心情曲線がマイナスのまま終始してしまうという悲しさがあるので正直食指が動かないのですが、それでもなお義経の描き方に新機軸があるのではないかと期待して手に取りました。

 

 

 

・「新機軸」であるということは題名からして明白ですね。司馬遼太郎がクソミソにした判官義経がどう描かれるか、これは第一巻からなかなかに積極的な試みが交えられています。奥州平泉の描き方も丁寧で好感が持てますね。さすがに地元出身の作家サンです。

 

 

 

 

・この本を手にするもう一つの積極的な理由は、取りも直さずボクも「蝦夷の民」だということからです。古くからの誅虐に生きた彼の時代に光陰が見出せるなら、全4巻であろうとボクは粛々と読みますよ。

 

 

 

 

 

 
義経になった男(一)三人の義経 (ハルキ文庫 ひ 7-3 時代小説文庫)/平谷美樹
¥720
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