クラブクラブクラブクラブクラブ

 

・大作です。読むのに1週間もかかってしまった。science fictionにボクは造詣が薄いせいか、読んでいて「意味が分からん」と困惑してしまうコトが多いのですが、本作は丁寧で分かりやすい筆致。想像力のベースは「スター・ウォーズ」と「バックトゥザフューチャー」で何とかなりました。

 

 

 

・作家サンの名前でピンときた方は「天地明察」を読んでらっしゃいますね。時代小説とSF、明らかなジャンルの相違と思ったら意外にも骨太な共通点が。・・これは数学の小説です。確率論(というか分析的ギャンブル)で中間200ページあまりの長さを連綿と読ませます。心地よく。コレがボクの5つ星の理由です。キャラも魅力的でした。

 

 

 

 

・「天地明察」よりこちらの作品の方が早いんですね。ん、これでこの作家サンは「読むに足る」作家というハンコを押しました。分かりにくい題名であれ、真っ黒な装丁であれ、分厚い作品であれ、次の作品もきっと手に取りますよ。

 

 

 
 
マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉/冲方 丁
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合格合格合格

 

・ボクは基本ハウツー本は読まない人なので、こういう本は100%スルーなのですが、妻(ハウツー本大好き)と一緒に読むために買いました。いやあ素敵にムーブメントになってますが、内容は特に目新しいモノではないと思いました。ま、きっかけにはなる。ウチの家もスッキリしましたよ。

 

 

 

・というかボクは片付けの鬼。会社のボクの机上は何も置いていないので、空き机と間違えて来客が座ってしまうのが悩み。「無機質」がボクのルームプランニングの主眼なので、我が家も教室もさっぱりと無印良品で整理整頓したい質なのです。

 

 

 

 

・著者の近藤真理恵さん→こんまりさんは可愛い人ですね。金スマも思わず見てしまいました。こういう系のコンサルタントって妖怪っぽい人が多い中(失礼)、このルックスもムーブメントの一要素なんでしょうね。しかし誰かに似てると思ったらそうなんだ小沢健二に似てるんだ。

 

 

 

 

 

 
 
人生がときめく片づけの魔法/近藤 麻理恵
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クマクマクマ

 

・仙台在住の直木賞作家・熊谷達也氏のエッセイ・対談集です。ボクは「この10年で5本の指に入る作品」と聞かれれば氏の「邂逅の森」を迷わず挙げると思います。その執筆の背景が分かるとなれば読まないわけにはいきませんね。けっこうアクティブな人なんだなこの方。

 

 

 

・もう一つの興味は同じく仙台在住の伊坂幸太郎氏との対談です。伊坂サンなんて超然としてて他の作家さんとの交流なんて無いんじゃないかと思ってましたが、意外に仲良しさんなので微笑ましくなりました。露出の少ない作家サンの一面が覗けるよい企画でした。

 

 

 

 

・知ってる人は知ってるでしょうが、熊谷達也氏のひとり言は大抵ベクトルが怒り方向に向かっています。ボクはけっこうこれが心地よいと思う人間なので、どんどん放言して欲しい。そこら辺は元教師さんですから、イデオロギーも旺盛なことでしょう。

 

 

 
 
山背の里から―杜の都でひとり言/熊谷 達也
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合格合格合格合格

 

・ラストでぶったまげた「さよならドビュッシー」に続く第2作。ラフマニノフ。「のだめカンタービレ」に一時ハマった人間としては、彼のピアノコンチェルトの2番は耳に新しいところでしょう。というかメジャーなのかなこの曲は。さてその曲を背景にミステリーは展開されていきますが、ミステリーの味付けを取り除けば「まじめなのだめ」と言った趣の話でやんすよ。

 

 

 

・「ストラディバリウスが盗まれちゃう」という、これ以上音楽ネタとしてはない題材で物語はスタートします。少々ネタバレで申し訳ないんですが、結末は茶番の部類に入ります(それはそれで別にいいんだけど)。その茶番にストラドを付き合わせていいのかという総括になってしまうな。悪いけどそう思う。

 

 

 

 

・それでなお4つ星である理由は、若き音楽家の覚醒がミステリーを差し置いて瑞々しく描かれていることと(台風のシーンが良い)、「ドビュッシー」に比べて奏でる音楽の情景描写が洗練されているなあと感じたからです。読んで聴く・聴いて読む・・一粒で二度美味しい小説ですよこれは。

 

 

 
 
おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)/中山 七里
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ナイフとフォークナイフとフォークナイフとフォークナイフとフォーク

 

・本選びに困った時の最大公約数が高い荻原浩氏の作品。どの作品を手に取っても水準以上の出来であることが確実なので安心できます。そういう作家さんがいるのって幸せなことです。本作は題名から内容がちっとも想像できなかったのですが、中身も確かめずに借りました。

 

 

 

・短編集・・であることにも気付かず手に取りましたが、なかなかの佳作です。特に料理とともに付き合った男を思い出す「レシピ」は面白かった。誰にでもそういう回想ってあるもんね~。うん、ボクはだし巻き卵だな。それと・・太巻きだ。巻いてばっかりだ(笑)。

 

 

 

 

・先日ブログネタで「国語の教科書に出てた好きな話」というのがありましたが、小学6年の教科書で「花と手品師」という話があったのを覚えている方はいらっしゃるでしょうか。ボクはあの話が本当に本当に好きだった。コレと似た話が本作にも入っています。よい話だった。

 

 

 
 
月の上の観覧車/荻原 浩
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カゼカゼカゼ

 

・読んだ。というか見た。こういう話も映画になるあたり出版の業界もコラボが凄まじいと思いましたが、その一方で別に悪いことでもないと思っている。しかし宮﨑あおいをヨメにしても、ウツになったり病院で奇跡を起こしたり韓流批判をしたり色々あるもんなんですな(笑)。

 

 

 

・「休むべきときは休みましょう」というのがボクの基本姿勢なので、「啓発」という意味でこういう本が売れるのはよいことだと思います。「ウツは心のカゼです」というキャッチは「誰でも罹る」という意味ではウマいけど、「簡単に治る」という誤解を生んじゃうんじゃないかな。

 

 

 

 

・社会人になってずいぶん経ちますが、仕事にだけidentityを求めることは本当に危険なことだと思います。ボクはさっさと退勤し、家族と過ごし読書を楽しみブログを展開し競馬に勤しみ一攫千金の夢を見ながら寝る。それでボクはかりそめの心の平安を得ているかな・・と思う。

 

 

 
 
ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)/細川 貂々
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・池井戸潤氏は予想以上に面白いなあ。ホームランはないけど三振もない、平均点の高い作家サンなんだと思う。これは前から気になっていた作品。何が気になるかってそれは題名です。バブル入行組ってどんなカテゴライズで語られるか興味があったもので。



・採用の話は今の不況下では考えられないでしょうな。「だから奴等は仕事へのモチベーションが低いんだ」と言われるのかと思ったら話は真逆でした。主人公を中心とした人物達はバブル崩壊の後の呻吟を糧に頑張っちゃっているんですね。ヒエラルキーを越えて悪を駆逐する。気持ちのいい話ですよこれは。



・このように銀行を舞台にした作品群は水戸黄門的に素敵な予定調和で楽しめそうな気がしますね。銀行に内定が取れたとmailしてきた教え子には読ませたくない話ですが、ボクは気楽に楽しもう。本屋の平積みにはたくさんの池井戸作品。ちょこちょこ読んでいきたいと思います。


オレたちバブル入行組/池井戸 潤
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手紙手紙手紙

 

書簡体という技巧はこの作家さんの十八番だと思うんですが(多分)、更にまた往復書簡となるとこれは切り札に近い。「あ、エース切りましたね」と言いたくなります。ボクもこの形式は好きなので興味深く読ましてもらいました。いきなりズドーンな感想で申し訳ないですが、意外に陳腐でした。

 

 

 

・往復書簡の形式としては宮本輝の「錦繍」という金字塔(大好きな作品です)がありますが、彼の作も本作もそうであるように「『書簡』であることが唯一にして最良の手段」であるかどうかが評価規準となるわけです。意見は分かれるとは思いますが、ボクはこちらの方です。手紙はそうは書かない。

 

 

 

 

・ま、何となく同じ業界であるからかどうか「二十年後の宿題」は面白かったです。何年経っても手紙や年賀状を送ってくる教え子っているものですね~。意外に嬉しいことではあります。そういうボクも自慢できることは、今でも幼稚園の先生と年賀状のやりとりをしていることです。ハハハ。

 

 

 

 
往復書簡/湊 かなえ
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飛行機飛行機飛行機

 

・金城一紀氏の「GO」は直木賞における奇跡と言ってもいいぐらいの傑作だったと思います(蛇足ですが映画もよい出来)。ボクも5本の指には入れないけど10本の指には入れる。デビュー作からあの出来で、そして「あれはマグレだった」という評価を払拭するための金城氏のその後の作家活動。・・大変ですな。

 

 

 

・そんでまあボクもその後何冊か拝読しましたが、僭越ながら「やはりマグレだったんだろう」という評価にブレはありません(というかアレは神がかり的ですもの)。本作もかなり古いですが、その後連作となっているようなので手に取ってみました。

 

 

 

 

・ものすごく俗っぽい例えですが、石田衣良氏のIWGPの新宿・高校生版といったトコロの作品。なすこと全てが青臭くて読んでいても恥ずかしくなりますが、この子たちもその後成長がありますかね。徒党を組んだ武勇伝は派手な割に大して面白くはないぜ。

 

 

 
 
レヴォリューション No.3/金城 一紀
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カクテルグラスカクテルグラスカクテルグラス

 

・これが映画「探偵はBARにいる」の原作っつうワケですね。映画は見ていませんが大泉洋チャンをイメージして楽しく読めます。主人公の造形がそのまま彼を意識している感じすらします。ま、結論から言って第1作の方が面白かった。映画向きなのは確かに本作だとは思うんですけど。

 

 

 

・ススキノを舞台にしているのは作家さんの経験値がそこで醸成されたからなのでしょうが、けっこうアンダーグラウンドな話題が多すぎて、直線的には札幌の魅力を伝えていないってのがこのご当地小説の苦しいところなのかもしれません。観光協会もジレンマを感じてるのかと思ったら、意外にタイアップは賑やかだ。

 

 

 

 

・主人公「俺」は相変わらず大酒を喰らい、ススキノ界隈で大騒ぎをし、時々喧嘩して、女性に振り回され、トラッシュトークで方々を困惑させています。この主人公の言動だけで十分面白いので、話の筋は正直どうだっていいぐらいです(笑)。ただ・・もう少し良心の呵責を覚えて欲しいトコロもあるが。

 

 

 
 
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