side O







寒くて眼が覚めた。

隣にいるだろうカズに手を伸ばす。

その場所は少し暖かいが

カズはいない。



慌てた。



でもすぐにその姿を見つけ安堵した。

華奢で女性より色気のある姿。

俺のだろうシャツを着て

気だるそうな後ろ姿に

俺がそうさせているとしたら

たまらない気持ちになった。




カズの腰に手を回す。

いきなりで驚いたのがすぐ分かる。

でもそれを口にせず平常心を装ってるのも。


そんなカズが愛おしくて堪らない。

首に鼻を埋めると甘い匂いがする。



カズの匂い。



他の奴らは皆同じ俺の嫌いな匂いか、

何も感じないか、しかないのに


カズだけは違う。



初めてだった。


手に入れたくなったのも、

離したくないと思ったのも



「・・・食っちまいてぇ」



シャツの中のその 肌 に触れ

思わず言ってしまった。



「・・・え、ちょっ待って」



何を考えたのか頬を赤らめるカズ。


(ほんと一瞬で良く回る思考だな。

でも、そう思ったのなら遠慮なく・・・)