車内アナウンス(流布版)
本日はバトウ電鉄をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
この電車はカクラ駅まで各駅に停車してまいります。
優先席は各車両にございます。暇つぶしにご乗車の方は、寝不足の方や座らずにおれぬ我侭な方に席をお譲りくださいますようご協力お願い申し上げます。
携帯電話をお持ちのお客様はサイレントモードに切り替え、メールを打つキーの音もさせぬよう、また、通話は緊急の場合を除いてお控えいただくのみならず、時報としてのアラームに「ハレルヤコーラス」を鳴らさぬよう、ご注意ください。
車内は全車両飲酒喫煙飲食可ですが、お持込のお飲み物お煙草お食事等の空き容器は、各自お持ち帰りいただくか、駅備え付けのベンチ等に放置していただくなど、車内美化にご協力ください。
また、車内は脱靴厳禁でございます。無政府主義の靴下からの発令はご自宅でのみお受けいただきますよう、車内マナーにご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
クラクション
東京の部屋。
たまに通りから聞こえてきて鉄筋コンクリートに響くクラクションの音。
「イイ~ネっ!」の
「イイ~」
の部分に聞こえる私の耳は剣さん仕様。
ひと鳴らしの長さがまた絶妙に一息の長さで、これをして人間工学の基礎という(いわない)。
ぼんやりとした願い
57回と記して思い出す。
藤田嗣治生誕120年記念の展覧会。
堪能した。
二度も行けた。
三度も四度も行きたかった。
あと三年の後、どこかで誰かが120年記念の会を催してくれはしないだろうか。
その作品のあらゆるものを網羅して世にその価値を再度知らしめてくれないだろうか。
自分ではできないから、ぼんやりと願ってみる。
友だちだったからいいですよね、芥川さんのお言葉借りても、百閒先生。
いやあ、まずいか(~_~;)
第57回摩阿陀会開催
嘘である。
しかしながら、本当でもある。
今夜私は一人、我が敬愛する百閒先生の誕生日をお祝いする。
百閒先生は、俳人として無論正岡子規を賞賛していたが、それ以上に漱石先生の句が好きであると、百鬼園の随筆だか俳句帖だかに記されていたと記憶している。
同様に私も漱石先生を文人として勿論尊敬しているが、しかしそれ以上に百閒先生の文言が好きである。
摩阿陀会の殆どの皆様はもう既に百閒先生の成仏を充分に念じ、そればかりかご自身の成仏をも身近の係累縁者から念じられ、今夜はまた別の集いを催されていることだろう。
昨日奇しくも琴の宴を堪能し、四谷界隈を眺めたことは図らずも感無量であった。
私には成仏を念じてくれる後進の徒を抱えるなど有りも得ぬことであるが、せめて、百閒先生より一歳でも長生きをし、今生の土産話を以ってしてあの世での拝眉の光栄に預かり、ご恩に報いたい。
ただし、百閒先生が、その後の昭和平成の様々な出来事を喜んでお聞きくださるや否やということについて是というのは甚だ疑わしい。
矢張り、にこりともせず、への字の口元を変えずに、
「イヤナモノハイヤダ、何故イヤカト言ヘバ、気ガ進マナイカライヤダ、何故気ガ進マナイカト言フト、イヤダカラデアル」
とぷいと横を向かれてしまいそうな予感がまた楽しみでもある。
と、本日、第57回摩阿陀会を百閒先生猿真似口調にて、独り開会の挨拶とす。
こんにゃくの日。実に、記憶しやすい日に生まれてくだされし奉仕の精神に感服。










