外壁漏水とは、建物の外壁から水が浸入する現象です。雨漏りとは異なり、常に水が漏れているわけではありません。しかし、一見すると些細な問題に見える外壁漏水は、放置すると住宅の構造や居住者の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

建物の構造劣化、最悪の場合は倒壊も

外壁漏水によって水が建物の内部に浸入すると、柱や梁などの構造材が水分を吸収し、腐食が始まります。腐食が進行すると構造材の強度が低下し、建物の耐久性が著しく損なわれます。最悪の場合、地震などの災害時に建物が倒壊する危険性も高まります。

カビやシロアリの温床、健康被害のリスクも

外壁漏水によって湿気がこもった状態が続くと、カビやシロアリが繁殖しやすくなります。カビはアレルギーや呼吸器疾患を引き起こす原因となり、シロアリは木材を食い荒らし、建物の強度を低下させます。特に小さなお子様や高齢者、アレルギー体質の方にとっては、深刻な健康被害につながる可能性があります。

美観の低下、資産価値にも大きな影響

外壁漏水は、外壁材の変色や剥がれを引き起こし、建物の美観を損ねます。また、放置された漏水は建物の劣化を加速させ、資産価値を大きく低下させる原因となります。将来的に住宅を売却したり、賃貸に出したりすることを検討している場合は、早急な対策が必要です。

 

 

外壁漏水は、様々な原因によって引き起こされます。原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、外壁漏水を引き起こす主な原因について詳しく解説します。

シーリングの劣化、経年劣化によるリスク

外壁材の継ぎ目やサッシ周りには、シーリング材が充填されています。シーリング材は、建物の動きに合わせて伸縮し、防水性を保つ役割を果たします。しかし、紫外線や雨風、温度変化などの影響で経年劣化が進み、ひび割れや剥がれが生じることがあります。これらの隙間から水が浸入し、外壁漏水を引き起こす可能性があります。

外壁材のひび割れ・破損、地震や経年劣化の影響

モルタル外壁やサイディング外壁は、地震や経年劣化によってひび割れや破損が生じることがあります。特に、地震の多い日本では、地震による建物の揺れが外壁にダメージを与える可能性があります。また、経年劣化によって外壁材の強度が低下し、ひび割れや破損が生じやすくなります。これらの隙間から水が浸入し、外壁漏水を引き起こす可能性があります。

サッシ周りの不具合、古い住宅で注意が必要

サッシ周りのコーキングの劣化やサッシ自体の歪みは、外壁漏水の原因となります。特に、築年数が古い住宅では、サッシ周りの劣化が進んでいる可能性が高いため、注意が必要です。サッシ周りの隙間から水が浸入し、外壁漏水を引き起こすことがあります。

ベランダ・バルコニーからの浸水、防水層の劣化に注意

ベランダやバルコニーは、雨水や生活用水が溜まりやすく、防水層の劣化が外壁漏水につながることがあります。防水層は、紫外線や雨風、温度変化などの影響で経年劣化が進み、ひび割れや剥がれが生じることがあります。これらの隙間から水が浸入し、外壁漏水を引き起こす可能性があります。また、排水溝の詰まりも、ベランダやバルコニーからの浸水の原因となります。

その他、様々な原因が考えられる

屋根の破損や雨樋の詰まり、換気口からの浸水など、外壁漏水を引き起こす原因は様々です。住宅の周辺環境や建物の構造、築年数などによって、原因は異なります。専門業者による調査で原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。