窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料とする外壁材で、日本の住宅で最も多く使われています。その理由は、デザインの豊富さ、価格の手頃さ、そして施工のしやすさにあります。

窯業系サイディングのメリット

  • デザイン性の高さ: レンガ調、石積み調、木目調など、実に多様なデザインが用意されています。和風から洋風まで、どのような住宅にも合わせやすいのが魅力です。さらに、色や質感のバリエーションも豊富で、個性的な外観を演出することも可能です。
  • 価格の手頃さ: 他の外壁材と比較すると、窯業系サイディングは比較的安価です。そのため、コストを抑えたい方や、予算内で外壁リフォームをしたい方におすすめです。
  • 施工性の良さ: 現場での加工が容易で、工期が短縮できます。また、軽量であるため、建物の構造への負担も少ないというメリットもあります。
  • 防火性: 主成分であるセメントは不燃材料であり、防火性に優れています。火災時の延焼を防ぐ効果が期待できるため、安全性も高い外壁材と言えるでしょう。

窯業系サイディングのデメリット

  • 耐候性の低さ: 紫外線や雨風にさらされると、色あせや劣化が起こりやすいというデメリットがあります。特に、日当たりの良い場所や、海岸に近い場所では注意が必要です。
  • 防水性の低さ: サイディングボード同士のつなぎ目(目地)にはシーリング材が充填されていますが、経年劣化によりひび割れや剥がれが生じることがあります。これが原因で雨漏りが発生する可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
  • 凍害のリスク: 寒冷地では、凍結と融解の繰り返しによってひび割れが生じる「凍害」のリスクがあります。凍害は外壁の美観を損なうだけでなく、建物の耐久性にも悪影響を及ぼすため、対策が必要です。

窯業系サイディングのメンテナンス

窯業系サイディングは、定期的なメンテナンスが不可欠です。具体的には、以下のメンテナンスが必要です。

  • 目地のシーリングの打ち替え: 10年程度を目安に、シーリング材の打ち替えが必要です。ひび割れや剥がれが生じている場合は、早急に対応しましょう。
  • 塗装: 10~15年程度を目安に、塗り替えが必要です。色あせや劣化が目立つようになったら、塗り替えを検討しましょう。
  • ひび割れの補修: 凍害や地震などによってひび割れが生じた場合は、早急に補修する必要があります。放置すると、雨漏りや建物の劣化につながる可能性があります。