『祝祭の陰で 2020一2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』、3月25日出版です。 | 雨宮処凛オフィシャルブログ Powered by Ameba

『祝祭の陰で 2020一2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』、3月25日出版です。

 

2022年3月25日、岩波書店より新刊が出ます(都内では25日に書店に並ぶと思いますが、都内以外だと28日かもしれません)。

共同通信にて2年間、北海道から沖縄までコロナ禍の日本列島を巡り、東京五輪の陰で起きていることを取材した連載「2020の透視図」「2021の透視図」「祝祭の斜影」を大幅に加筆しました。

ぜひ、手にとってほしいです。

 

 

『祝祭の陰で 2020一2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』 岩波書店 2022年3月25日発売 1800円

 

「オリンピックどころじゃない」

震災直後のままホットスポットが残る福島・双葉町、台風被害にコロナ禍の重なる千葉・南房総、閑古鳥の鳴く沖縄・国際通り

コロナ禍で止まった日本を歩き、取りこぼされた人々の声を聞く、あの2年間の記録

 

華々しく開催されるはずだった「復興五輪」に襲いかかったコロナ禍。一年後、収束しないパンデミックの下、無観客で開催された平和の祭典の陰にあった人々の生とは一一一。

オリンピック準備のために公園を追い出された野宿女性、電話相談に届いたタクシー運転手からの「臓器を売りたい」という声。「コロナの発生源」と集中砲火を浴びた屋形船。聖火リレーが通る予定だった福島では、震災から九年後も当時のままの光景が無残に残されていた。

未知のウイルスによって止まった日本を歩き、各地の現場から見た、あの二年間の記録。

 

目次

 

はじめに 「平和の祭典」の裏側で

プロローグ 幻の五輪出場を追憶する(久江雅彦)

 

第I部      二〇二〇年 未知のウイルス、延期された五輪と止まった日本

1  野宿していた公園を、オリンピックによって追い出された女性

2  長野県・千曲川台風被害 二度失ったふるさと

3  出陣学徒壮行の地 戦場の扉だった競技場

4  3・11から九年 今も震災直後の光景が残る福島

5  所持金一三円、緊急事態宣言下のネットカフェ生活者

6  千葉・南房総 三度の台風被害、続くコロナ禍の二重苦

7  「原爆の子」の弟 聖火ランナーを目指して

8  コロナ禍の沖縄 那覇の子ども食堂

9  住民票のないホームレスには届かない特別定額給付金

10 パラリンピックを目指す全盲のランナー

11 北海道・釧路 自主夜間中学から見えるオリンピックの姿

12 「消滅可能性が最も高い」群馬県南牧村

13 宮城県・気仙沼 二人残った親子のバッティングセンター

14 ヴィジュアル系バンドから歌舞伎町ホストへ

 

第II部     二〇二一年 コロナ禍で強行された東京五輪

16  遠隔操作ロボット OriHimeが開く世界

17  陸前高田 逸品の牡蠣にコロナが襲いかかる

18  福島県浪江町津島 ふるさとを失って一期間困難区域の今

19  埼玉県三郷市 コロナ重点医療機関から見えたもの

20  なぜ五輪ボランティアを辞退したのか

21  千葉県いすみ市・サーフィン会場周辺 近くて遠いオリンピック

22  広島名物・もみじ饅頭「にしき堂」 今が一番の危機

23  東京・品川 「コロナの発生源」と集中砲火を浴びた屋形船

24  東京・浅草 幻の五輪マラソン折り返し地点

25  電話相談に届いた「臓器を売りたい」

26  東京・三河島 外国製に押され廃業したブリキ工場の誇り

27  北九州市 三三年間ホームレス支援を続ける牧師

28  川崎市 ヒジャブ姿で定時制高校の教壇に立つムスリム女性

29  東京・高円寺 コロナ禍でなぜか儲かるリサイクルショップ

30  島根県・石見銀山 パラリンピックを支える義肢装具会社

31  神奈川県・やまゆり園 障害者大量殺傷の現場と聖火

 

座談会 日本社会が取りこぼしてきたものと向き合う旅

(雨宮処凛 久江雅彦 掘誠)