ふなごやすひこさん7月19日スピーチ全文
7月19日、新橋SL広場で開催された「れいわ祭り2」においての、ふなごやすひこさんのスピーチ全文です。
ぜひ、ふなごさんの思いに触れてみてください。
そしてよければ、ふなごさんの言葉を拡散してください。
よろしくお願いします。
以下です。
ふなごやすひこです。
僕は今回の出馬に、文字通り、命をかけています。
僕がなぜ立候補しようと思ったのか。それは、僕と同じ苦しみを障害者の仲間にさせたくないからです。
国会の皆さんは、現場に通用しない穴ぼこだらけの法律があることを知りません。そのひとつが、建築基準法です。
建築基準法には、国民の生命・健康・財産のためと謳われています。
それを作った議員さんたち。
僕が国会に入ったら、僕を無視せず、僕の介助をお願いします。
それが、立法者の役目でしょう。そうではないですか? 聞きに来てくださってる親友の皆さん。
現場感覚の本当の意味の法律の必要性を理解してもらいたい。
障害者が今まで我慢させられてきた、あてがわれてきた法律からはおさらばです。
もっと障害者が自由になれるために。
国会議員の皆さんも親友の皆さんも、いずれ年を取り障害者になります。
僕たちが関わり作る制度が本物になるように。皆さん力をお貸しください。
車椅子の皆さんは、ユニバーサルデザインだと言って、デザイン性を重視した点字ブロックにタイヤを取られ、横倒しになりそうになったことはありませんか?
僕はあります。
車椅子はエレベーターにと言われ、大型の車椅子が入れなかったことはありませんか?
僕はあります。
障害者用のトイレに入って、戸が閉められないことはありませんか?
僕はあります。
仲間とレストランに入って、一緒にテーブルにつけたことありますか?
僕は、ありません。
ちょっと考えただけでも穴ぼこだらけです。
こんな簡単なことがわからないのです。誰がこんな片手落ちのものにOKを出すんでしょうか?
国の基準とやらではないのでしょうか? この建築基準法が、時には悲劇を生んでいることを知ってください。
僕がデザインを重視した点字ブロックにタイヤを取られ横倒しになれば、呼吸器が外れ、死んでしまいます。
ALSになってから、僕はいわれのない虐待に苦しんでもきました。
ある地方都市の施設に入居していた時のことです。食事が口からとれないため、僕は胃ろうという穴をお腹に開け、経腸栄養剤を処方されていました。保険請求できるものです。しかし、突然「法律が変わった」と言われ、月に5万円ほどの自己負担で栄養剤を購入させられました。結果的に身体に合わず、15ヶ月間もの間、下痢が続き、栄養失調になり、全身がむくみました。強いめまいも起こしました。本来、保険で処方できるものを自費で購入させられ、しかも身体に合わないものを15ヶ月間もの間、処方され続けたのです。
週に三回あった入浴も、2回に減らされました。入居者全員が2回に減らされたとその施設の職員から聞かされていたのですが、減らされたのは僕だけでした。手間がかるというのがその理由でした。
また、看護課長から口を聞いてもらえぬ日々が続いたこともありました。いく日も、決まって20日間。何が原因かわからないまま挨拶もしてもらえない日々は辛いものでした。
僕は大学で講義するために外出することがあったのですが、施設の帰宅時間は15時と決められており、それ以降は施設に帰ることを認められず、ホテルに泊まらなくてはいけないこともありました。そのため、講義自体を断ったこともありました。
それだけでなく、施設からは病気が進行し、意思疎通ができなくなったら退去するように言われました。
こんな施設に入居していられないと思い、一人暮らしを決断しました。
そのため、障害者自立支援法の障害福祉サービスの申請を行いました。障害者が一人暮らしをするにあたってヘルパーを派遣してもらうためのものです。
しかし、市役所からは「すぐには出しませんよ。三ヶ月くらいかかります」と言われました。
皆さん、おかしいと思いませんか?
一般的に、人工呼吸器をつけた人が三ヶ月間、自費でヘルパーをお願いすることができると思うでしょうか?
そもそも、自立支援とは、障害者が自立した生活を送れるための制度です。施設を出て、一人暮らしを始めた時点で適用されなければ生活していけません。
この制度を巡って、障害福祉サービスの利用時間を確保するために裁判を起こしているケースも多々あります。でも、裁判を起こさないと獲得できないなんてことはあってはいけないことだと思います。
結局僕は、180万円を自費で払いました。
障害者自立支援法とは、障害者の日常生活および社会的に自立を目指す法律のはずです。
もし、僕が当選したら、今利用している障害福祉サービスは受けられなくなってしまいます。なぜなら、自立支援法と言いながら、職場にヘルパーがついていくことは禁じられているからです。
障害者は働くなということでしょうか?
この部分は、絶対に変えなくてはなりません。
障害者が仕事を持つことこそ、自立支援だと思います。それなのに、歩けない人のお手伝いがなぜ法律で禁じられているのか。全身麻痺でも働ける障害者はいます。能力があっても国の法律で制限されてよいのでしょうか。小手先だけの制度を見直したいです。
僕は今、介護関連会社アースの経営陣に参加しています。そこで驚いたのは、介護、福祉の制度がちょこちょこ変わること、そしてケアマネージャーの書類仕事の多さです。本来、利用者の声を聞き、必要なサポートをする人たちがペーパーに追われている。この実態に、制度改革の必要性を強く感じます。
今、ヘルパーの人材不足は、どこも逼迫しています。弊社も言うまでもありません。介護職は、3Kと言われます。きつい、汚い、危険。そして基本給が安い。
そんな声が上がったことから、国は処遇改善交付金をばら撒きました。
しかし、そんなことで介護職の介護離れに歯止めをかけることはできません。今年から導入された働き方改革も同じです。正社員の有給取得を義務づけ、一方でダブルワーク推奨。どこで休みが取れるのですか。有休を使って介護職に他の仕事をさせ、その穴を派遣会社が埋める。最近は、看護職の紹介会社が派遣職員を推奨する傾向になってきていることを皆さんは知っていますか。このシステムは、誰かが得をするように仕向けられているように感じます。
企業は、有休取得を義務づけられたことで、常勤職員の雇用をやめるのではないですか。もちろん、ヘルパーも同じです。
これでは、いつまで経ってもきつさは解消されないんです。このきつさを解消しなければ、障害者や高齢者はいつまで経っても虐待から解放されません。
これまでの経験を生かして、介護職の待遇を改善していきます。
そして僕は当選したら、小学校、中学校、高校、大学での、生産性を重んじない、命の大切さの教育導入を約束したい。
僕は5年前にも、松戸の市議選に立候補しました。
その時のスローガンを今回も掲げたいと思います。
「強みは、障害者だから気づけることがある」
僕が議員になったら、全難病患者・障害者を幸せにするために働きます。
全難病患者・障害者が幸せな社会は、みんなが生きやすい社会です。
人の価値が生産性ではかられない社会を目指します。
みなさん、力をお貸しください。