黒紋付のエピソード | 今様小袖(いまようこそで)〜対丈着物遊び〜

今様小袖(いまようこそで)〜対丈着物遊び〜

江戸時代初期までは普通だった対丈(マキシ丈)着物。
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着物遊び、着物スローライフの日々のおはなし。

着物はマキシの巻ワンピ
"着たい"を楽に叶える対丈着物の始め方
今様小袖です



お久しぶりです(o^^o)


今日は黒紋付について。


黒留袖は新郎新婦の母親しか着ちゃダメ、

というお話が、Xで話題になっていたらしいですね。


寡聞にして存じませず🤣


某呉服屋さんが呟いていらしたので知ったのですが


その中で黒紋付も似たような事、

親族しか着ちゃダメ、

があると書いていらして。


元々は、黒留袖も黒紋付も親族及び参列者が着用する第一礼装なのですが


ざっくり言うと、

結婚式やお葬式で親族が第一礼装を着ない、という事が現在は増えて来た。


そうするとその場で参列者が第一礼装を着用するのは遠慮するという、日本人的気遣いが一人歩きして


母親(親族)しか着ちゃだめ、と言われちゃうんだろう、とのことでした。



うん、その通りなんだと思います(^^;)



結婚式ならともかく、お葬式は事前に親族がどんな服装でいらっしゃるのか確認するのも難しいですから、そうなると無難なチョイスしますよね。



私もお葬式なら無難チョイスするなぁ。



その流れで、

ああ、そう言えば、と、私の着付の師匠、

おばあちゃん先生のお話を思い出したので

移行期のエピソードとして、ちょっと書いておこうかなと思います。



このお話を伺ったのも20年は前のことになりますので、時代の空気を感じて頂けたら幸いです。



とても親しくされていた方が亡くなったそうです。


着物関係での関わりもお有りだったようで、

すぐに用意をしなければとバタバタしつつ、

さて、服装をどうしよう、となられたと。


その頃にはもう、参列者が紋付(喪服)を着用するのは少なくなっていて、

紋付で行くと親族に間違われる可能性があるな、とちょっと迷ったそうです。


その頃はまだ、親族は皆、喪主以外も紋付を着用するのが一般的だったと記憶しています。



けれども、葬儀に当たって故人をお送りするのに紋付以上の装いは有りませんし、

そもそもおばあちゃん先生は日本の伝統をお伝えするお仕事の方。

あちらも大きな呉服関係の方。


ちょっと迷ったけれども、紋付で行かれたそうです。


喪主の方は

「いやぁ、おばちゃん、紋付で来てくれたん。ありがとう。」

と、先生の紋付での参列を、ことのほかお喜び下さったそうで、

紋付で行ってよかったわぁ、と話して下さいました。


参列の方の紋付姿がなくて、喪主の方もお寂しかった、という風に私は伺いました。


時代の流れも有りますし、当時でも紋付を自前でお持ちの方は少なくなっていたと思います。


着物を自分で着られる方はもっと少なく、

お葬式に相応しい装い(小物など)を知っているとなると、更に更に。


失礼があってはならないと思う場面トップスリーに入るお葬式で、そんな冒険出来ない!ってなります(^^;;


それも分かる。

けれど、やっぱり人生を終えた方を送るのには紋付、という、

つい先頃まで当たり前だった装いへの、思いがおありだったのかもしれません。


呉服関係の方であれば、なおさら。


もちろんこれは私が勝手に思っているだけで、本当は向こう様がどうお思いだったのかは知るよしもないのですけれど。


これは、着物が当たり前でなくなって、

第一礼装ですら親族のみという流れが当たり前になっていった、

その過渡期の時代のエピソードです。


今は喪主ですら紋付を着用されることは少なくなっていますから、このエピソードも


今は昔のお話し


ということになりましょうか。



おばあちゃん先生も、

もう紋付での参列はこれが最後かな、

と、そんな風に言われた思い出です。




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