最終回! 中3の第10話 友情とは《7.おしおき》 | あまめま*じゅんのスパンキング・ブログ                        

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第1弾 『海の中のアタシ・空の中のアイツ』
双子の海と空のハラハラ・ドキドキの物語♪
第2弾 『星と月美のいい関係』
星と家庭教師の月美&トレーニングの日々!

    愛情たっぷりのおしおき満載(*'▽')

7.おしおき

 
“オレ、何を動揺してるんだ・・・。”
悠一は海がやけに大人っぽく見えて、少し戸惑ったが、
「バカか、おまえは。これからオレにケツ丸出しにして叩かれるっていうのに、何恥ずかしがってんだよ。」
「フンだ。」
「はあ?強気でいられるのも今のうちだぞ。さっさと来い。」
海の腕を引っ張りひざの上に押し倒して、ズボンとパンツを下ろした。
 
海のお尻を見て、
「昨日叩かれたのか?」
「ううん、さっき。」
「恒、ずいぶんと手加減したんだな。」
「そんなことないよ。」
「何発叩かれた?」
「・・・。」
 
「答えろ。」
「・・・10。」
「それっぽっちか?おまえ、そんなんでちゃんと反省できたのか?」
海は何のためらいもなく、
「うん。すごく反省したから、恒先生10発でいいよって。」
「本当か?」
「本当だよ。だからお兄ちゃんも少しにして。」
「は?オレにそんな甘ったるいことが通用すると思ってんのか?」
 
ビッシィーンッ!
いきなり力いっぱいお尻に手を打ちつけた。
「いったーい!」
「あたりまえだ。痛くなきゃおしおきにならないからな。」
 
ビッシィーンッ!
「ううぅ・・・。恒先生、優しかったのに・・・。」
「恒とオレは考え方もやり方も違うんだ。そんなこと分かってるだろ。」
 
ビッシィーンッ!
「ううっ・・・。」
 
ビッシィーンッ!
「お兄ちゃーん、ごめんなさい。」
「まだまだこんなんじゃ足りないよな?」
 
ビッシィーンッ!
「もうしないから、許してー。」
 
ビッシィーンッ!
「うっ、痛いっ!」
 
ビッシィーンッ!
「夜中に出歩くなって、何回言ってもまだ分かんないのかよっ!」
 
ビッシィーンッ!
「もう絶対しないから。」
 
ビッシィーンッ!
ビッシャーーンッ!!
「おまえの絶対は、もう聞き飽きたんだよっ。」
 
バッチィーン、バッチィーン、バッチィーン、バッチィーーンッ!!
「うぅっ、もうやだぁ、痛いよー、やめてぇー。」
ボロボロに泣かされて何回も「ごめんなさい」と謝ったけれど、悠一の手は止まらなかった。
 
“もう限界!”と思ったときに、
「あと10発な。」
非情な言葉を告げられて、この場から逃れようと体をくねらせると、足をガッチリと悠一の足の間に挟み込んでガードされ、腰を押さえつけられて身動きができない状態にされてしまった。そして、もうすでに真っ赤に腫れ上がっているお尻を10発、バチン、バチン、バチン、バチン、バチン・・・・・と連打された。
 
海は歯を食いしばり、目をギュッと閉じて、強烈な痛みに耐えた。悠一の力がスーッと抜けて、押さえつけられていた体が解放されると、海は放り出されたように床に転がり落ち、うずくまってお尻に手を当てて泣いた。
 
悠一が台所の方へ行ったのを見て、
「もうやだ・・・。恒先生んちの子になる。」
ボソッとつぶやいた。
悠一は「何?」と聞き返したが、海は聞こえないふりをしてティッシュで涙を拭いた。
 
悠一が戻って来て、海をひざの上に抱きかかえると、お尻に冷たいタオルを当ててくれた。
「恒が軽くしておいてくれたから、思いっきり叩けた。」
と言って背中をトントンしてくれたが、海はちっとも嬉しくなかった。さっきまで鬼みたいにおっかなかった人が、180度態度を変えて急に優しくなっても、素直に甘えることができなかった。いつもならおしおきのあとのこのひとときが、たまらなく好きだったのに・・・。
 
海のふくれっ面を見て悠一は、
「海ちゃん、ご機嫌ななめみたいだけど。」
至近距離で顔をのぞき込まれ、
「痛かった。」
恨めしそうに答えた。
 
「悪い子には、お尻いっぱい痛くしなきゃいけないだろ?」
「恒先生、優しかったのに・・・。」
「じゃあ海はやっぱり、恒に面倒見てもらえ。」
「すぐそうやって言うから、お兄ちゃん嫌い。」
海はプイッと顔を横にそむけた。
 
「だってそうだろ。オレより恒の方がいいんだろ?甘やかしてくれるもんな。」
「やだ。海やっぱりお兄ちゃんがいい。」
悠一の胸に顔をうずめて、イヤイヤするように頭を振った。
“こいつ何でほっぺた膨らませながら、こんなかわいいこと言うんだよ。まったく、参っちまう・・・”
 
「バーカ。兄ちゃんがいいに決まってんだろ。こんなに手のかかるガキんちょを、他のヤツに任せられる訳ないだろ。」
「じゃあ、もっと優しくお尻叩いて。」
「それとこれとは話が別だ。」
「何でよ。お兄ちゃんのバカ・・・。」
 
今日の海はすごく甘えん坊で、わがままで、悠一を振り回している。悠一もおしおき中は厳しかったが、それが済むといつも以上に海を愛おしく感じた。昨日一晩、離れていたせいなのか、お互いに淋しかった気持ちがうまく絡み合って、2人だけのいい時間が流れていた。
 
 
しばらくして、花憐からラインが届いた。
『海、昨日は本当にごめんね。あのあと、お尻大丈夫だった?私は家に帰ってから、初めてママにお尻を叩かれちゃった・・・。パパは何も言わなかったけどね。』
 
“花憐のお母さんっていつも優しそうで、絶対に怒らなそうな人なのに。”
夏休みに花憐とライブに行った帰り、花憐のお母さんが駅まで迎えに来てくれたことを思い出した。海は自分と比べ、花憐がとってもうらやましかった。あんな優しい人がお尻を叩くなんて、想像できなかった。
 
花憐は周に家まで送ってもらったあと、リビングで父、母と話をしなければならなかった。時間が遅いなんて関係ない。今日の出来事は今日のうちに解決する方針だった。
 
花憐は家を飛び出してからのいきさつを説明した。学校の噴水の所に海を呼び出したこと、酔っ払いのおじさんに出会ったこと、周が送り届ける途中で恒に見つかりおしおきをされたこと。すべて包み隠さず報告した。恒にどんなおしおきを受けたかについても、自分から言うのは抵抗があったが、質問される前に白状した。そして最後に、自分の浅はかな行動のせいで他の人たちを巻き込んでしまい、心から反省しているという今の素直な気持ちを伝えた。
 
父も母もひとことも口を挟まず花憐の態度を伺っていたが、後悔し充分に反省していることを見てとって、強く叱りつけたり、嫌味ったらしく文句を言ったりすることはなかった。これでお開きかと思ったところに、母から信じられない言葉が告げられた。
 
「花憐、今日のことに関しては、今あなたがどんなに反省しているとしても、私たちからもおしおきが必要だと思うの。」
「えっ?ママ?」
花憐は母の顔をジッと見つめて首をかしげた。父に言われるのならまだ分かる気もするが、普段優しくて『おしおき』なんて言葉とはほど遠い母に、そんな風に宣告されるなんて・・・。それでも冗談で言っている訳ではないことは理解できた。
「これはあなたが帰って来る前に、お父さんともよく話し合った結果よ。」
父の顔を見ることはできなかった。
 
「あなただけの問題では済まされないことになってしまって、たくさんの人に迷惑をかけたのだから、もう少し厳しく対処しないといけないと思うの。痛い思いをして、自分がした愚かな行動をしっかりと心に刻みつけてほしいから。それに海ちゃんはあなたのせいで、お兄さんにおしおきされてしまうんでしょ?原因をもたらしたあなたが何もないんじゃ、海ちゃんに申し訳ないわ。」
 
“確かに海のことを考えると、私も家族から罰を受けるべきだとは思う。”
しかし気持ちとはうらはらに、
「恒先生からお尻叩かれたから・・・。」
学校ではさっぱりしていて潔い花憐だが、今まで一度もおしおきなんてされたことがない家族の前では、躊躇してなかなか踏み切ることができなかった。
 
「花憐。」
今まで黙っていた父が初めて口を開き、花憐を促すように名前を呼んだ。それをきっかけに、そろそろと母の元へ向かうと、母は手を伸ばし花憐の背中をそっと押してひざの上に寝かせた。
“ママ、本気でお尻叩くんだ・・・。”
 
花憐は抵抗することなく素直に従い、ソファに顔をうずめた。父の見ている前でジャージとそしてパンツも脱がされたことには、さすがに動揺してビクッと体が震えたが、
“これもおしおきなんだから。”
と自分に言い聞かせて、羞恥心に耐えた。
 
ついさっき恒に30発叩かれてきたお尻は、赤くいくらか腫れていた。母はそのお尻を数回さすると、
「いくわよ。」
と声をかけ、花憐のお尻を叩き始めた。
ビシッ、ビシッ、ビシッ、ビシッ、ビシッ・・・・・。
 
結構長い間叩かれたが、恒からのおしおきと比べるとあまり痛くはなかった。けれども15才にもなって母親にお尻を叩かれ、しかもそれを父親に見られているという恥ずかしさは、今まで両親から本格的に怒られたことのない花憐にとって、充分すぎるおしおきとなった。
 
 
翌日月曜の放課後、海と花憐は担任のよわしから職員室に来るように言われた。2人は顔を見合わせ、深くため息をついた。どこから情報が入ったのだろうか?思い当たる節はたくさんあった。恒から、悠一から、近所の人から、花憐の親から、もしかしたら酔っ払いのおじさんから・・・。
 
家の人や恒があれだけ厳しかったことを考えれば、よわしだって相当怒っているはずだろうし、もちろんたかやんも周知のことだろう。今さら言い訳をしたりシラを切ったりしたところで、かえって状況が悪くなるだろうから、先に謝ってしまおうと教室で話し合い、覚悟を決めて職員室に向かった。
 
よわしの机の所に行くと、まず花憐が、
「先生、すみませんでした。私があんなことをしたから、海まで巻き添えにしちゃって。」
そして海が、
「私も夜中にウロウロ出歩いてすみませんでした。ちゃんと反省したから許してください。」
2人によわしの顔色を確かめる余裕はなかった。
 
よわしは少し頭の中を整理してから尋ねた。
「君たちがしたことは、僕からおしおきを受けるようなことだと思うのかな?」
「はい。」
2人は素直に返事をした。
「じゃあ1人ずつ、花憐からあっちに行こうか。海はここで待ってて。」
よわしに誘導されて、花憐はおしおき部屋へ入って行った。
 
海が職員室で待っていると、来週から教育実習に来ると言う大学生を連れて、たかやんがやって来た。
「海、二谷先生、心配してたぞ。土曜の夜遅くに、花憐と一緒に恒の病院に入って行くところを見たって。ケガでもしたのかって。おまえ大丈夫だったのか?」
「えっ?」
海はポカーンと口を開けたまま固まった。
 
「二谷先生、私たちのこと怒ってたんじゃないんですか?」
「おまえ、また怒られるようなことしたのか?」
「してないです・・・。」
「こいつ、しょっちゅう悪さして、オレや二谷先生からケツ叩かれてるんだよな。こういう生徒もいるから、厳しく接することも大事だぞ。」
たかやんは実習生の先生に話しかけた。優しそうなその先生は、海の方を見てニコッと微笑みかけた。たかやんは忙しそうで、それ以上海に突っ込んで話を聞いてこなかったので助かった。
 
よわしがおしおき部屋のドアから顔をのぞかせ、手招きして海の名前を呼んだ。海が部屋に入ると、もう花憐の姿はなく、どれだけのおしおきを受けたのかは分からなかった。事情をすべて聞かれ、よわしの見方と異なっていたことを改めて知ったが、今となっては後の祭りであり、おしおきを免れることはできなかった。
 
修学旅行のときの厳しかったよわしを思い出し、体が震え身がすくんだが、今日のよわしは優しかった。昨日悠一から叩かれ、まだ赤味が引かないお尻を見たせいなのか、自己申告したことを評価してくれたからなのかは分からないが、よわし独特の気持ちが前向きになるようなおしおきだった。
 
「海は友達思いだから、放っておけなかったんだよね。すぐに駆けつけてあげないと花憐のことが心配でたまらなかったんだよね。酔っ払いの人も、この人は大丈夫だと思ったから関わったのであって、危険な人かどうかの判断はつくはずだよね。恒先生とお兄さんに叱られて充分に反省したから、僕に自分たちから謝ることができたんだよね。」
 
すべて海の行動を肯定的にとらえてくれた。海の緊張がとれ、気分がよくなったところで、
「修学旅行のときにも言ったけど、危険なことはするな!先生が言っておきたいのはそれだけ。海はもう充分に危ないことを察知する能力は身についていると思うから、そのことは常に頭に入れておくんだよ。自分の身は自分で守ること!分かった?」
 
「はい。」
そのあと、ひざに乗せられお尻を出されて10発叩かれた。相変わらずよわしの叩き方は、ムチのように尖った痛さだったが、痛みの中によわしならではの優しさを感じた。
 
 
夜ごはんの時間になると、空と海が部屋から下りて来た。海は自分の席に着く前に、台所で支度をしている悠一の所へ行くと、
「お兄ちゃん、今日学校で二谷先生に怒られた。」
「何で?」
「この前のことがバレちゃって・・・。」
「夜の密会のことか?」
「うん。」
 
「もう海の面倒は見れませんって言われただろ?」
「ううん。卒業まで残り少しだけど、まだまだいっぱい面倒見てくれるって。」
「ふーん。ケツは叩いてくれたか?」
「・・・うん。できればおしおきはしない方がいいけど、海にとって必要だと判断したら、これからもいっぱいお尻叩くって・・・。」
 
「そうか、よかったな。」
「よくないよ・・・。」
「だっておまえ、ケツ叩かれるの好きだろ?」
「そんなの好きなはずないじゃん。お尻叩かれて嬉しい人なんて、普通いないでしょ。」
 
そう言ってから、保健の花ちゃんのことを思い出して、
“世の中には、お尻を叩かれたいって思う変わった人もいるんだった。”
頭の中で、先程の発言を撤回した。
 
「でもね、お兄ちゃん。帰り際に『海もう卒業までお尻を叩かれるようなことはしません宣言』してきた。」
「ハハハ。二谷先生、それは無理だって呆れてただろ?」
「二谷先生は真剣な顔して聞いてくれたけど、隣にいた藤重先生が大笑いしてた。ひどいよね・・・。」
「おまえがケツ叩かれないようにいい子になるなんて、想像するの難しいもんな。」
 
ごはんを食べながら、悠一が思い出したかのように聞いてきた。
「花憐ちゃんの彼氏は、ちゃんとおしおきなり、説教なりできたのか?」
「周先輩は優しいから、おしおきなんてしないと思うよ。」
「優しい人だって、おしおきはするだろ?オレとか恒みたいに。」
黙ってごはんを食べていた空は、首をブンブンと振った。
 
「お兄ちゃんは、あおい先生におしおきするの?」
海が突然聞いてきた。
「もちろん、悪いことをしたときにはな。でもあおいは大人だから、誰かさんみたいに突拍子もないことはしないし、オレが嫌がることとか怒ることを分かってるからな。海みたいにあえて悪いことをして叱られることはないな。」
 
あえてしている訳ではないけれど、結果的にそう思われても仕方ないようなことが多々あるのは事実だ。
 
「海って、本当にやることメチャクチャだもんな。おまえも早くちゃんと叱ってくれる彼氏見つけろよ。」
空が口を挟んだ。
「空だって、まだまだガキじゃん。舞衣ちゃんに頭が上がらないくせに、偉そうなこと言わないで。」
「おまえ年上らしく威厳を保たないと、立場が逆転して、舞衣ちゃんにおしおきされるようになっちゃうぞ。彼女にお尻叩かれるなんて、情けないからやめてくれよ。」
悠一が心配そうに言った。
 
「オレ、そんなに弱くないから大丈夫だよ。恒先生みたいに、大事なときにはビシッとするから。」
「何でオレじゃなくて、恒なんだよ?」
「恒先生の方が断然、男らしいもんね。」
海までそんなことを言っている。
 
「海もそのうち彼氏ができて、兄ちゃんのことなんて構ってくれなくなるんだろうな・・・。」
悠一が急に、しんみりとつぶやいた。
「私、絶対にお尻叩かない人と付き合う。」
悠一の顔がパーッと明るくなり、
「それなら、オレがずっとおしおき担当ってことになるな。まだまだ先が長そうだな。」
 
「兄ちゃん何で、オレたちのケツ叩くのがそんなに好きなんだ?」
「空、おまえ何言ってんだ?人聞きの悪いことを言うな。オレはケツ叩くのが好きな訳じゃなくて、おまえたちが立派な大人になれるように、『しつけ』をしているだけだ。教育熱心な面倒見のいいお兄様だろ?」
 
「オレたちのまわりには、その教育熱心な面倒見のいいケツ叩きまくる大人が大勢いるってことだよな。」
 
「うん。お兄ちゃんと恒先生とたかやんとよわし。みんな性格とか叱り方とかお尻叩く痛さとか違うけど、みんなおしおきをするときはすごく怖くなるし、ちゃんと反省するまで許してくれない。でもみんな私たちのことを、真剣に考えてくれてるっていうことは、すごく伝わってくる。」
 
「中学生になって兄ちゃんと一緒に住み始めてから、いっぱい叱られて嫌というほどケツひっぱたかれてきた。そんなにボロボロになるまで追い詰めなくてもいいじゃんかと思うことも多かったけど、今ではいい思い出というかみんなに感謝してる。」
 
「おまえたち、泣かせるようなこと言うなよ。まるで『おしおきおしまい!』みたいな雰囲気になってるけど、世の中というか、兄ちゃんはそんなに甘くないからな。」
 
「えーっ!海たちもうすぐ高校生になるんだから、そろそろお尻叩くのは終わりにしてほしいなぁ。」
 
「オレもケツ叩かれるくらいなら、ビンタされた方がまだいい。その方が大人のおしおきっぽくて、効果あると思う。それに兄ちゃんみたいに、『高校生になっても、お尻丸出しにされておしおきされてた』ってずっと語り続けられるのは勘弁だから。」
 
「2人とも好き勝手なことを言ってるけどな、おまえらいっくら口で言っても聞かないし、海なんて理解すらできないんだから、オレだって心を鬼にして仕方なくケツ叩いてやってるんだぞ。ありがたく思え。オレと一緒に暮らしていく以上、当分おしおきからは逃れられるはずがないだろ?よって、おまえたちの願いは却下する。」
 
「えー・・・。」
「まじか・・・。」
 
「高校生になっても大学生になっても、そのあとだってずっと、兄ちゃんが悪い子のお尻を優しくペンペンしてやるから、安心してたっぷりとオレに甘えて来い。そんなに急いでいい子にならなくていいからな。」
 
“お兄ちゃんのバカ・・・。最低だ・・・。大っ嫌い!”
悠一に対する2人の気持ちが一致した。感謝の気持ちを伝えて、中学生活終了と同時に『おしおき』にも終止符を打ってもらおうという2人の計画は失敗に終わった。
 
空も海もこういう展開になることは予想していた。変な考え方かもしれないが、悠一と空と海は『おしおき』という行為の元、より深い絆でつながっている気がする。おしおきは悪いことをした代償であるとともに、「おまえたちのことをいつでも見守っているから、もっともっとオレに頼って来い!」という最大の愛情表現であるということを、空も海も充分に理解しているから。
 
 
そうそう、夜ごはんが終わって3人でくつろいでいるところに、ピンポーンとチャイムが鳴った。玄関のドアを開けるとスーツ姿の恒が立っていた。
「あっ、そうだった。恒、頑張って来たか?」
「ああ。疲れた。なんかオレ、ここに来るとホッとするんだよな。」
悠一はそれ以上、見合いの話には触れずに、いつもの晩酌の時間に突入した。
 
「蓮ケ谷家では、これからも『おしおき』が続行することが家族会議で決まった。」
悠一から恒に伝えられた。恒にも協力体制を求めると、ほろ酔い気分の恒は快諾し、
「どんどん悪さしろよ~。」
嬉しそうに空と海の頭をなでた。
 
“やっぱりこの人たちは、お尻を叩くのが好きなんだ・・・。”
と海はあきらめ、
“もっと強くなって、オレが兄ちゃんたちのケツ叩いてやる!”
と野心に燃える空だった。
 
 
おわり
ペタしてね
 
◆◇◆あまめま*じゅんより◆◇◆
皆さん、今までお付き合いいただきありがとうございました。またいつかきっと(*'▽')