今回は外国人が
観光ビザ難民申請
就労は実質できないという話しを。
尚、本当に観光で来るのも呼び寄せるのも大変だということ
外国人と関わっているかたがたは私よりも実感していらして、
そんなの知っている体験しているといった内容も含まれます。
本題はビザブローカーに騙された難民申請人についてです。
この文は勘違いしてSNSでなにか書いている人たちへ
ご理解いただきたいと思ってのことだったのですが、
ほぼ独り言です。
そもそもわかっていない人たちが、
何やらhow to get japan refugee visa from visit visa
というタイトル?のパキスタン人が挙げたとされる動画に
ゼノフォビアさんたちが
どんどん捻じ曲げていったみたいですね。
日本語でかかれていることは
なんとか見られた動画の部分では、
まったく「観光ビザから難民申請の方法」は言っていない。
ですが…日本語でなにか書いている人たちは、
ヒンディ・ウルドゥーわからないみたいだし。
「観光ビザから難民申請の方法」の動画は
スリランカでシンハラ語で多く見られます。
タミル語もありましたが。
バングラデシュもいくつか見たことがあります。
アフリカや中東もいくつか。
これらはビザブローカー制作か創作でしょう。
アフリカの場合は「日本で難民申請しないほうがいい。収監されて酷い目に会うから」という動画のほうが多いのですが。
おそらく問題の動画はビザブローカーの集客を目的としたものなのかもしれません、違うかもしれません(全部観られなかった)
観光ビザ難民申請
就労
…そんなに簡単ではありません。
できないことはないのですが、
できないと思ったほうが正解かと。
ここでパキスタン人や南アジアの人がこの経緯で日本に来るシミュレーションを書いてみたいと思います。
2018年から2022年の緩い時期がありましたが、
現在は法改正があり、
在留資格変更はさらに厳しくなったようです。
「観光ビザ」(短期滞在VISA)
日本のパスポートみたいにビザなしとか上陸後とか
そもそも簡単に取れるものではありません。
まずパスポートを作る。日本みたいにあちこち旅券発行センターがある訳ではありません。日本は収入印紙を買うのがめんどうですがね。パスポートも書類が多いようです。航空券は予め買っていなければなりません。
次に大使館・領事館で書類を貰って、
日本の保証人にいろいろ書類を書いてもらいます。
日本人でなく在留者でも構いませんが日本語訳が必要です。
どういう知り合いか(親戚とか仕事とか)何故日本に呼びたいのか、また他の友人の推薦文も付けたりすることもあります(必須でも指定でもないのですが)旅行日程表宿泊連絡先(毎日)保証人の納税証明書、もちろん申請人本人が書く書類も大変です。書類審査で怪しい人は落とします。
そして審査は書類だけでなく面接もあります。旅行に行くのに面接が必要なのです。この段階で外務省は治安に問題を起こしそうな人・偽装難民になろうという疑いがある人は合格させません。また出国しても成田や大阪で入国拒否されてそのまま帰国した人もいます。コロナではないのですが、水際対策が厳しいのです。
以前、大阪で返された大学生の男の子がいましたが、
スケジュールがおかしいのと来日目的に矛盾した訪問先で、そりゃ入管職員でない私もヘンだと思いました。
それでもある人たちは入国できたりして、
とりあえず1泊ホテルに泊まり、
そのまま逃亡していきます。
※インドは「観光目的」短期滞在ビザは代理申請機関を通じて電子ビザが出るようになりました。それでも面接が必要と判断されると面接が行われます。
難民申請(※特定活動在留資格)
就労
逃亡先はビザブローカーに用意されていて、そこに匿われ、
そこから出入国管理(在留)局(庁)に行きます。
ひと通り話しを通訳を通して聴いてもらい、
証拠の写真などを見せたりもします。
割合簡単に通ります。
ですが、これは審査が本格的に始まったのではなく、
これから何か月、1年以上時間をかけて審査し、
「あなたは難民ではないから帰ってね」
と言われるのを待つ期間です。
難民として認定されないのですが、仮滞在を経て、
「特定活動」という在留資格を持つため
半年経つと週28時間の就労が可能となります。
これは「留学生」と「家族」の在留資格を持つ人たちと同じ時間数です。アルバイトしかできません。
そして、在留資格は申請中だと変更が難しいのです。
そもそも難民だと言って在留しているので、
よほどの合理性がなければ審査が通りません。
ここでビザブローカーに騙されたことに気づきます。
日本に来て稼ぐぞおと意気込んだのに、
現実は甘くないのです。
大人しく帰らない人もいて、
不法滞在で踏み込まれてからやっと帰ります。
※特定活動は、全部同じ名称ですが、数種類あります。
在留資格以外の活動は認めないという言い方もできるし、
特定の目的での在留が許可されているという言い方もできます。
「難民申請中」もそのひとつです。
日本横断芸能・芸術活動、日本大卒の浪人就活や大学院受験、ワーホリ、J-find(起業)、スキーインストラクター(なぜ?他のスポーツもあってもいいかも)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities.html
結婚しても在留資格をほぼ変われません
難民申請者の間でよくきくデマがあります。
「日本人」「永住者在留資格」と結婚し、
「配偶者在留資格」が変えられるというものです。
結婚しても在留資格はしばらくは変わりません。
そのうち申請期間がリミットになることもあります。
それどころか、偽装結婚を疑われて、
まず結婚そのものが認められるかわからない。
またまた大変です。
真面目なお付き合いをしていても、です。
交際期間が日本人の常識とかみ合わない、
婚約者と年齢がかけはなれている、
アルバイトなので生計が難しいはず、
そもそも独身なのか証明できない、など。
私も時々ですが、
次の在留審査がリミットの男子数名から電話がきて、
しつこく好きだ好きだと言ってこられます。
ブロックしても新しいアカウントを作ってまでして。
「I miss you」
「おばあさんだから無理」というと
「おばあさんでも、おばさんでもいい!!
結婚してくれ、金を出す」
「いやです。まず認められませんから」
あなた、帰国しなさい!って言いたい。
だけど、言ってもわからないだろうな。
結婚が本気の場合、難民申請を取り下げて一旦帰国して、
現地で結婚式をして、二人が一緒の写真をたくさん撮って
あらためて配偶者在留資格を申請するのが良さそうですが。
歳の差婚でも通る可能性が高くなりますし。
日本で難民と認められる可能性はほぼないです。
難民認定率はいままで1パーセントくらいで、
昨年は3%となりましたが五十歩百歩。
尚、認定される人は、ほとんどが政治難民です。
部族闘争は含まれません。
現地で差別されていたり、
国家ではなく地方政府(領主)からの圧力があって逃げるように日本に来た人は難民申請ではなく正規の在留資格です。
実質難民と言える人たちはたくさんいます。
ビザブローカーにお金を払わないで
正規の在留資格を取得したほうがいいです。
正規でも、学生だったら学費その他、
育成就労(現・技能実習)だったら送り出し機関への支払い、
経営管理だったら起業資金や資本金300円口座作成、
技能(調理など)は就労証明の資金など
結局お金を使います。
ほかは学歴や資格が必要。やはりお金がかかります。
資料
出入国在留管理庁
難民認定手続き・補完的保護対象者認定手続き
https://www.moj.go.jp/isa/refugee/procedures/16-6.html
難民認定申請を考えている留学生の皆様へ
難民認定申請を考えている技能実習生の皆様へ
難民認定申請すれば日本で就労できるというものではありません
https://www.moj.go.jp/isa/refugee/procedures/nanmin_nintei_nihonshurou_00001.html
結局、難民申請はやめなさいってお説教を長々と日本語で打ってしまいました