2012年後期・2013年後期

大学生にとって、もっとも敷居が高い日本文化といえば、「能」のようです。
ただ、各高校の努力あって「芸術鑑賞会」で「能」「狂言」を生で観た、
という学生は多いとは言えませんが、少しずつ比率として高くなっています。
歌舞伎は、まだ少し近いようで、映画・テレビに歌舞伎俳優が出演していて、
知っている俳優がいるので、それが入口みたいになっているようです。

敷居を高くしているのは、「古典文語の会話」「間合い」などによるものです。
音楽学の授業だけで、「これっハマりそう」ということはありえないでしょう。
歌舞伎だと、「一度生で観てみたい」という意見が出てくるのですが、
「やっぱ難しい~」「古文苦手なんですぅ~」という意見のほうが多いんです。
…教え方ヘタだから…かもしれません
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しっかしぃ~☆歌舞伎の演目の一部は、能を題材にしています。
つまり江戸時代の庶民であっても、すでに古典芸能だったのです。
江戸のヤンキーたちにとっても難しかったのではないでしょうか。

それから、純日本芸能だと思い込みがあると思います。
仮面は伎楽…つまり雅楽の舞楽から続き、
また舞踊は田楽、民間の田植えの行事から由来しており…。
世界が繋がっていたから成立した芸能だと言えるのです。
コリア半島・中国はもとより、多くの地域とも。

もっとも類似しているのは、チベット文化圏のアチェ・ラモ。
翁と劇と狂言という組み合わせは、まったく同じと言えます。
大きな違いは、能はすり足、アチェ・ラモは舞踊の場合旋回。
(授業では扱いませんでした、自分のテリトリーだと初心者に話すのは難しい)

授業では「ギリシャ劇」「コメディア・デラルテ」(イタリア)「タルチュム」(韓国)
などの動画を鑑賞させました。
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能楽「石橋(しゃっきょう)」shakkyo


The能.comによる
「石橋(しゃっきょう)」shakkyoの
解説やストーリー、英文を参考にしてください。



http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_030.html

以下、昨年にUPされた入門動画です。(授業では別の映像を使いました)