千葉県立西部図書館にて、
日本語教育の勉強・大学後期授業用テキスト執筆・ブータン論文執筆中。

中庭で休憩中、おばちゃんに声をかけられた。
年代的には「オバタりアン」より年上。
「暑いねェ、やっと図書館に来れたわ。
近くに住んでいるんだけど、なかなか来れなくてね。
はじめてこの図書館来たんだけど、堅苦しい本ばっかりね。
私は、歴史の本が読むのが好きなんだけど、
もっとやわらかい本を置いたら、って提案しておいたわ。
そうでしょ?? 図書館なんだから楽しい本が読みたいわよね。
『みんなそう思っている』わよね」

…って、「思っていません」
それどころか、この図書館の趣旨を理解してほしかったです。
「専門書図書館」です。一般書は市立図書館にあるので、
そちらに行ってください。…と、言いたい。
(我孫子市図書館をすすめました。
ロケーションもいいし、一般書が充実しているので)

それどころか、専門書図書館なのに、論文に使える本が少なすぎます。
ついでに、この図書館で学生・浪人の自習はできないはずなのに、
放任されています。
蔵書利用者が使う場所のはずです。
持ち込み参考書で机を埋めるべきではないです。

またネット利用席で、ゲームもしてほしくないです。
他人が何をしようが、関係ないのですが、
こういう人で数少ない席が埋まっているのは、どうかと思います。

で、さらに、「夏休みこども図書」とか図書館側でコーナーまで設けていました。

…なんだ、専門書って、ここまで範疇広げていいのか。

で、ずいぶん以前に2階がラウンジになっていたのに、
10年以上前から「立ち入り禁止」。

数年前まであったカップ麺自動販売機はなくなって、
同じ商品なのに、10円違う飲料販売機。
お役所入札のナゾ☆

さすがに、数年前にいたジョブレスっぽいオヤジたちが、
新聞読んで求人さがしして、コンビニやマックのゴミの弁当を食べ、
映像鑑賞コーナーで映画を観て一日過ごす、というような姿はなくなっていました。

松戸市立図書館がショボイというのも、またかかわっているようにも思います。 

図書館の運営・理念と利用者の認識・ニーズが噛みあっていないのが理由でしょう。

さて、図書館という場所が「文字媒体・映像媒体の資料を利用する場所」という認識だけでなく、
「居場所」という認識も必要なのではないでしょうか。
ある意味、自習室・ネットカフェに準ずる位置づけも包含しているという認識も持つべきだろうし、それがニーズであるという実態も否定的でなく、
現実として捉える必然性があると思います。

で、よくある要望が24h体制化。
もしくは、開館時間の延長。

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で、話はかわるのですが…私の要望のひとつとして、
外国語書籍専門図書館が首都圏でほしいです。
私自身が買うには高い洋書を入れて欲しいという要望のほかに、
在日外国人やその子どもたちが読書をする機会を増やしてほしい、
という希望があるからです。
さらに、日本人の子どもたちにも外国語の本にふれる機会もできます。

私の生徒は、おおむね中国人でないかぎり、
日本語での読書・翻訳による読書の絶対量が少ないと
感じています。
日本人の生徒と比べているのではなく、
日本人の生徒も、ほぼ同様に読書量が少ないと感じています。

とっかかりとして、まずは首都圏と外国人がたくさん住んでいる地域で、
英語だけ・ポルトガル語だけ・中国語だけ・韓国語だけ、
あるいは、そのコーナーを設置している、
という「子ども図書館」(大人用もほしいのですが段階的に)
ほしいかな。まずは。

私は日本語の上達の鍵は、母語も並行してレベルアップすることだと思います。
高校生に対して授業しているので、
FBやチャットなどで母語会話している生徒は少なくないのです。
ただ、母語で通せるので、日本語を覚える意欲がなくなってくる子と、
母語と日本語を自ら育てている子が極端です。

twitterを日本語でやっている子もいます。
若者言葉が増えていくので、会話力が上がっているのですが、
授業用の日本語という場面での能力には無関係です。

無理やり日本に連れてこられた・呼び寄せられた子どもたち、
近い将来、日本に貢献する人物として育つだろうし、
そういう風に育てたいと思います。
日本のいいところも悪いところも、
体験的客観的に知らざるを得ないことになった子たちです。
「手厚い」くらいで、差別感がなく、優遇とまで思い込まない、
日本でそういう境遇を、無理やり母国を離れざるを得なかった傷ついた子たちに
必要な「優しさ」だろうと考えています。

日本の人口の1%が「外国人」です。

感謝してもらえるようなレベルでの公的措置のひとつとして、
図書館も国・地方自治レベルで検討していただければと考えています。

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写真は、恥ずかしながら手弁当おにぎり。
今や日本で当たり前の「明太子」(韓国ルーツ)
外国人不評の「梅干し」(自家製だよ☆)
おにぎり具の一つとっても、
異文化衝突と融合は一筋縄ではいかいいのでしょう。