ཉི་ཧོང་ གློག་བརྙན།
བོད་ཀྱི་ཕྲུ་གུ་ཨོལོ
以前6月に観た映画です。
まだ各地で上映中です。
で、この子がなぜ亡命しなくてはならなかったのか、
という理由が、たぶんわかっている人にしかわからないでしょう。
今、なぜ私が香港の國民教育に対して心を痛めているかも、
理解ししてもらえるかもしれませんので。
中国の少数民族地域は、かつては母語と中国語の2言語で行われてきました。
ただし、「実験小学校」という少数民族と漢族が同じ教育課程で勉強する学校は別で。
地域によっては回民小学校(ムスリム)があり、男女別学でした。
今は、多くが「実験小学校」であるに近いようです。
もともと学校が不足して増えたのですから、教員不足もあるでしょうが、
それを理由にして漢族の教員を派遣すればいいのですから。
また、四川大地震で簡単に校舎が倒れてしまいましたが、
多くは外国や外国にいる中国籍の人たちの寄付で建てられ、
間でピンハネお金を中抜きし、工事も中抜きした結果だと、
現地の人たちの話をきいています。
【修正】*誤解されそうな書き方でしたので…。
いまでもバイリンガル教育を行っている学校もあります。
またアムド(青海省)では、チベット語教育に熱心な大学もたくさんあります。
9/25 本日のニュースでは新しいバイリンガルの高校ができたという報道もあります。
四川省松潘县“七一”藏文中学重建后的新起点[中国語]
http://roll.sohu.com/20120925/n353911715.shtml
問題としたかったのは、言語ももちろんですが、
中国語で行っている教育内容です。
で、こういう状況ですから、あたまが良くても、
中国語ができない場合、授業についていけない、
少数民族だからと、いじめられる子もいたり(全部ではないですよ)
以前も書きましたが、繰り返しますと、成績が優秀な少数民族は、
「優遇」して、内地…つまり漢族地区の高校・大学に進学できることになっています。
それによって、逆差別といわんばかりにチベット人を襲撃した漢族生徒もいました。
チベット人たちにとっては
「優遇するなら、インドのマウントハーマンカレッジとか、
ボンベイ工科大学とか、同じ外国に行くなら行きたい」
…モンゴル人に話したら「モンゴル人は日本でしょうね」と。
で、この程度で亡命しちゃうの、親はさせちゃうの、と思う人がいると思います。
今、香港人が怒っている「徳育及び國民教育科」と同じ洗脳を目的としている教育だからです。
●宗教なくしてチベット人とはいえませせん。
それを、教育でつぶそうとしているのです。
●母語なくして民族とはいえません。
甘粛省の一部では、チベット語教育を禁止しているところすらあります。
●伝統的な教育を持っている人たちの伝統をつぶされてしまいます。
本来は寺院が中心で宗派によっては在家の若者も勉強することができます。
で、教育亡命ですが、以前はある程度裕福な家庭で、
袖の下を握らせて国境を越えていました。
どうも、この映画の「オロ」は、ふつうの家庭の子のようです。
たぶん「カム地方」(自治区東部~四川省)から家族でラサに巡礼し、
その後、自分の足と「手引き屋」によって逃げてきたものと思われます。
オロという名前の意味ですが、「子ども」。中央チベット方言です。
シガツェで働いていて、そう呼ばれていたのでしょう。
この子が教育を受けることになったTVCことチベッタン・チルドレン・ヴィレッジ。
海外からの支援もあり、初等中等教育を受けるには良い環境になっていました。
私がダラムサラにいたころも、まあまあだったのですが。
クラスの名前は支援してくれている国の名前になっています。
私の友達がTCVで勉強していた時代は、とても大変だったようです。
毛布を取り合って寝ていた。
食べ物をあげて毛布を使わせてもらった。
おかながすき過ぎて、ハイビスカスの花を食べたら下った。
校庭が出来ていなかったから、放課後みんなでローラーを曳いて作った。
設備がないし、文具もないから、地面に書いて消して勉強した。
などなど覚えていることを思い出すともっと出てきそうな苦労ばなしがたくさんあります。
優秀な子は「教師になりたい」と言っていました。
http://www.tcv.org.in/
私が通っていたドラマスクールTIPAも最初はそうだったようです。
http://www.tibetanarts.org/
またTCVでは、宗教の授業もあり、朝礼では全員でお経をあげます。
般若心経やいろいろなやさしい経典を集めた教科書もあります。
以前、日本で一緒にお経をあげることになって、
亡命学校出身の子たちは全員詠めるのですが、
中国領から来たチベット人は全然読めません。
「うふ、尼寺みたいね」とインドから来た女の子。
一緒に笑ったのですが、中国領から来た子がかわいそうだと思いました。
取り残されたのですから。
今、亡命チベット人の間で、母語を学ぼう保護しようという動きがあります。
それについては、いずれ書きます。
アメリカで生まれ育った3世たちは、放課後母語学習教室に通っています。
またこの映画に出てきたカム地方で北京オリンピック最中に、
生のチベット人の声を撮影していたドキュメンタリー作家が逮捕され、
奥さんがパレ(パン)を売って生計を立てているシーンがありますが、
これについてもいずれ。
次回からまた香港の反國民教育の芸能人に話題を戻します。
བོད་ཀྱི་ཕྲུ་གུ་ཨོལོ
以前6月に観た映画です。
まだ各地で上映中です。
で、この子がなぜ亡命しなくてはならなかったのか、
という理由が、たぶんわかっている人にしかわからないでしょう。
今、なぜ私が香港の國民教育に対して心を痛めているかも、
理解ししてもらえるかもしれませんので。
中国の少数民族地域は、かつては母語と中国語の2言語で行われてきました。
ただし、「実験小学校」という少数民族と漢族が同じ教育課程で勉強する学校は別で。
地域によっては回民小学校(ムスリム)があり、男女別学でした。
今は、多くが「実験小学校」であるに近いようです。
もともと学校が不足して増えたのですから、教員不足もあるでしょうが、
それを理由にして漢族の教員を派遣すればいいのですから。
また、四川大地震で簡単に校舎が倒れてしまいましたが、
多くは外国や外国にいる中国籍の人たちの寄付で建てられ、
間でピンハネお金を中抜きし、工事も中抜きした結果だと、
現地の人たちの話をきいています。
【修正】*誤解されそうな書き方でしたので…。
いまでもバイリンガル教育を行っている学校もあります。
またアムド(青海省)では、チベット語教育に熱心な大学もたくさんあります。
9/25 本日のニュースでは新しいバイリンガルの高校ができたという報道もあります。
四川省松潘县“七一”藏文中学重建后的新起点[中国語]
http://roll.sohu.com/20120925/n353911715.shtml
問題としたかったのは、言語ももちろんですが、
中国語で行っている教育内容です。
で、こういう状況ですから、あたまが良くても、
中国語ができない場合、授業についていけない、
少数民族だからと、いじめられる子もいたり(全部ではないですよ)
以前も書きましたが、繰り返しますと、成績が優秀な少数民族は、
「優遇」して、内地…つまり漢族地区の高校・大学に進学できることになっています。
それによって、逆差別といわんばかりにチベット人を襲撃した漢族生徒もいました。
チベット人たちにとっては
「優遇するなら、インドのマウントハーマンカレッジとか、
ボンベイ工科大学とか、同じ外国に行くなら行きたい」
…モンゴル人に話したら「モンゴル人は日本でしょうね」と。
で、この程度で亡命しちゃうの、親はさせちゃうの、と思う人がいると思います。
今、香港人が怒っている「徳育及び國民教育科」と同じ洗脳を目的としている教育だからです。
●宗教なくしてチベット人とはいえませせん。
それを、教育でつぶそうとしているのです。
●母語なくして民族とはいえません。
甘粛省の一部では、チベット語教育を禁止しているところすらあります。
●伝統的な教育を持っている人たちの伝統をつぶされてしまいます。
本来は寺院が中心で宗派によっては在家の若者も勉強することができます。
で、教育亡命ですが、以前はある程度裕福な家庭で、
袖の下を握らせて国境を越えていました。
どうも、この映画の「オロ」は、ふつうの家庭の子のようです。
たぶん「カム地方」(自治区東部~四川省)から家族でラサに巡礼し、
その後、自分の足と「手引き屋」によって逃げてきたものと思われます。
オロという名前の意味ですが、「子ども」。中央チベット方言です。
シガツェで働いていて、そう呼ばれていたのでしょう。
この子が教育を受けることになったTVCことチベッタン・チルドレン・ヴィレッジ。
海外からの支援もあり、初等中等教育を受けるには良い環境になっていました。
私がダラムサラにいたころも、まあまあだったのですが。
クラスの名前は支援してくれている国の名前になっています。
私の友達がTCVで勉強していた時代は、とても大変だったようです。
毛布を取り合って寝ていた。
食べ物をあげて毛布を使わせてもらった。
おかながすき過ぎて、ハイビスカスの花を食べたら下った。
校庭が出来ていなかったから、放課後みんなでローラーを曳いて作った。
設備がないし、文具もないから、地面に書いて消して勉強した。
などなど覚えていることを思い出すともっと出てきそうな苦労ばなしがたくさんあります。
優秀な子は「教師になりたい」と言っていました。
http://www.tcv.org.in/
私が通っていたドラマスクールTIPAも最初はそうだったようです。
http://www.tibetanarts.org/
またTCVでは、宗教の授業もあり、朝礼では全員でお経をあげます。
般若心経やいろいろなやさしい経典を集めた教科書もあります。
以前、日本で一緒にお経をあげることになって、
亡命学校出身の子たちは全員詠めるのですが、
中国領から来たチベット人は全然読めません。
「うふ、尼寺みたいね」とインドから来た女の子。
一緒に笑ったのですが、中国領から来た子がかわいそうだと思いました。
取り残されたのですから。
今、亡命チベット人の間で、母語を学ぼう保護しようという動きがあります。
それについては、いずれ書きます。
アメリカで生まれ育った3世たちは、放課後母語学習教室に通っています。
またこの映画に出てきたカム地方で北京オリンピック最中に、
生のチベット人の声を撮影していたドキュメンタリー作家が逮捕され、
奥さんがパレ(パン)を売って生計を立てているシーンがありますが、
これについてもいずれ。
次回からまた香港の反國民教育の芸能人に話題を戻します。