このシリーズ最終回(たぶん)
で、「短調」大学歌斉唱。
さきに記事にしたバイオリンがステキな学生の作品だ。
単純に短調が暗いとは言えないが、
短調でそういうイメージができるのは間違いない。
元の作品を知らなければ、これが本当??
軍歌やアニメの根性モノの副主題歌みたいで面白い。
ネット上でも「芸が細かい」と評価されている。
では、本当の大学歌は…。
http://www.saitama-u.ac.jp/guide/song.html
[大学ホームページ]
作詞も作曲も公募によるもので大学関係者ではない。
で、それまでまったく大学歌がなかったのかというと、
埼玉大学の前身である「旧制浦和高等学校校歌」が大学歌*1だった。
『大いなるかな武蔵野は』
カラオケDAMに入っています☆埼大生はぜひとも歌いましょう。
浦和高等学校校歌 大いなるかな 武蔵野は
アーティスト:旧制高等学校 校歌 寮歌
http://www.clubdam.com/app/leaf/songDamKaraokeLeaf.do?contentsId=2813734
作詞:高木市之助
作曲:弘田龍太郎(主として童謡や歌曲:愛唱歌集に必ず作品のいずれかが載っている)
テノールやバリトンのキーの1オクターブ内でおさまり、
1曲のなかでの変化に富んだ表現。
実際には、プロ歌手が歌うわけではないから、
ただただ勇ましく元気がいい…だったろう。
埼玉大学は、
旧制浦和高等学校と埼玉師範学校・埼玉青年師範学校から新制大学になった。
http://www.saitama-u.ac.jp/guide/history.html
Universityなのに法学部と医学部がない。
こちらは県立大学になる。
で、学校教員だった頃は、4月の一番最初の授業は「校歌」だ。
こんなの学級担任のほうでやってよね、と、当時は思った。
しかし、大学に行くようになって、キモチが変わった。
合唱部・応援歌以外は、自分の大学の歌を知らない学生が多い。
東京の野球が盛んな大学であれば、他の大学の大学歌まで知っている。
替え歌まである。
痩せた痩せた(早稲田早稲田)♪…なんていう、まあ笑ってすむ程度の。
で、機会があれば教えたし、『武蔵が原』という有名な??寮歌も教えた。
(学生の構成によるが)
『7武蔵が原』は、諸井三郎の作曲である。
ベートーヴェンに傾倒していたが、この曲は、ベタな5音音階。
二部合唱の楽譜と実際に歌われていた内容は異なったと
『寮歌全集』同窓会編*2に記録されている。
寮歌には、卒業生の金田一春彦氏の作曲のものもあり、
また歌詞は学生たちによるものであっても、格調高く、当時の教養の高さを示している。
2010年に記録された「最後の寮歌」
埼玉大学寮歌 「嗚呼六寮に」作詞:佐藤卓郎 作曲:岡部寛
『寮歌全集』同窓会編p.58
旧制浦和高等学校の校歌・寮歌を調べているうちに、
何人かのかたがたにお目にかかり、ネット上、実際のインタビューで、
いろいろな話を伺った。
歌だけでなく、当時の面白いエピソードも。
「トマト畑のトマトがうまそうなので失敬した。
ただそれでは泥棒なので、苗にお金を結んで逃げた」
…まぁ…。
くそまじめでお茶目でゆるい埼大生とどこか気質が似ている。
都内の大学が郊外に引っ越していくうちに、
東京に近い大学となっていった。
それがいいとかわるいとかではなく、地域性が失われていく。
しかし、それでもなぜか気質は受け継がれていく。
留学生も、やっぱ埼大生だよね、と言いたい学生がいっぱいいる。
とても不思議だ。
…ここ数年、少しずつ変わってきていると強く感じているが。
今年度または来年度で、私は埼玉大学の出講が終わることになりそうだが、
今年度後期で1コマ、ちょっとした置き土産として、
ボランティア・ゲスト講義をしてくださる
旧制浦和高等学校卒業生のかたをさがそうと考えている。
ご高齢だが…たぶんお元気なかたはたくさんいらっしゃるだろう。
以前、同窓会にお誘いいただき、
校歌を拝聴したのだが、音域こそ低いが、なんともいえない力強さに、
褒めそびれた。
若いころから機会があれば歌っていたことが理解できた。
[補足]
旧制高等学校の生徒たちは、オリジナル、替え歌、そして、
ドイツ歌曲原詩(日本語の歌詞をご存知ないかたも)
ipodで聴くのではなく、みんなで声を出すという習慣。
[後記]
もう少し研究してまとめたいと考えていたが、
やっぱり私が女性である壁を感じた。
男同士の世界を理解するには禁断もあるだろう。
「まかないのおばちゃん以外女人禁制」。
その通りだと思う。
もしも、私の研究を引き継ぐ男子がいれば、
資料全部あげる。
ただし「優等生音楽」と「不良音楽」の「音」に関する研究は放棄しない。
【ひとつだけわかったこと】⇒留年式請けてヨカッた☆
*1 大学歌または学歌、校歌とは呼ばない。
大学校の場合、学校歌。また大学の建物は校舎ではなく学舎。
今は、まるで義務教育のように大学に行く人が多いため、
大学も学校の延長となってきている。
テレビでも、児童・生徒・学生の区別がなく、「生徒さん」と大学生を呼ぶ。
逆に昔は、「学生」は生徒も含んで呼んでいた。
英語のstudentは便利。
私は、中学生だけをpupilと言うと、
イギリス式で習った。
(当時インプットされた間違い英語は多いが)
============================================
[資料]
『旧制浦和高等学校寮歌全集』
旧制浦和高等学校同窓会 発行
理事長 原 文兵衛
編集者 瑤嘯会
会長 土田 三郎
平成8年11月1日発行
『わがホッケー部回想記』
浦高杖友会編集委員会(芦沢達)
平成9年3月1日
…さいごの年表がじわっ。
昭和24年4月
ホッケー部は埼玉大学に引き継ぐことなく解散。
どちらも貴重な資料を拝受しました。
あらためて御礼申し上げます。
日本の近代 12 学歴貴族の栄光と挫折/竹内 洋

¥2,520
Amazon.co.jp

で、「短調」大学歌斉唱。
さきに記事にしたバイオリンがステキな学生の作品だ。
単純に短調が暗いとは言えないが、
短調でそういうイメージができるのは間違いない。
元の作品を知らなければ、これが本当??
軍歌やアニメの根性モノの副主題歌みたいで面白い。
ネット上でも「芸が細かい」と評価されている。
では、本当の大学歌は…。
http://www.saitama-u.ac.jp/guide/song.html
[大学ホームページ]
作詞も作曲も公募によるもので大学関係者ではない。
で、それまでまったく大学歌がなかったのかというと、
埼玉大学の前身である「旧制浦和高等学校校歌」が大学歌*1だった。
『大いなるかな武蔵野は』
カラオケDAMに入っています☆埼大生はぜひとも歌いましょう。
浦和高等学校校歌 大いなるかな 武蔵野は
アーティスト:旧制高等学校 校歌 寮歌
http://www.clubdam.com/app/leaf/songDamKaraokeLeaf.do?contentsId=2813734
作詞:高木市之助
作曲:弘田龍太郎(主として童謡や歌曲:愛唱歌集に必ず作品のいずれかが載っている)
テノールやバリトンのキーの1オクターブ内でおさまり、
1曲のなかでの変化に富んだ表現。
実際には、プロ歌手が歌うわけではないから、
ただただ勇ましく元気がいい…だったろう。
埼玉大学は、
旧制浦和高等学校と埼玉師範学校・埼玉青年師範学校から新制大学になった。
http://www.saitama-u.ac.jp/guide/history.html
Universityなのに法学部と医学部がない。
こちらは県立大学になる。
で、学校教員だった頃は、4月の一番最初の授業は「校歌」だ。
こんなの学級担任のほうでやってよね、と、当時は思った。
しかし、大学に行くようになって、キモチが変わった。
合唱部・応援歌以外は、自分の大学の歌を知らない学生が多い。
東京の野球が盛んな大学であれば、他の大学の大学歌まで知っている。
替え歌まである。
痩せた痩せた(早稲田早稲田)♪…なんていう、まあ笑ってすむ程度の。
で、機会があれば教えたし、『武蔵が原』という有名な??寮歌も教えた。
(学生の構成によるが)
『7武蔵が原』は、諸井三郎の作曲である。
ベートーヴェンに傾倒していたが、この曲は、ベタな5音音階。
二部合唱の楽譜と実際に歌われていた内容は異なったと
『寮歌全集』同窓会編*2に記録されている。
寮歌には、卒業生の金田一春彦氏の作曲のものもあり、
また歌詞は学生たちによるものであっても、格調高く、当時の教養の高さを示している。
2010年に記録された「最後の寮歌」
埼玉大学寮歌 「嗚呼六寮に」作詞:佐藤卓郎 作曲:岡部寛
『寮歌全集』同窓会編p.58
旧制浦和高等学校の校歌・寮歌を調べているうちに、
何人かのかたがたにお目にかかり、ネット上、実際のインタビューで、
いろいろな話を伺った。
歌だけでなく、当時の面白いエピソードも。
「トマト畑のトマトがうまそうなので失敬した。
ただそれでは泥棒なので、苗にお金を結んで逃げた」
…まぁ…。
くそまじめでお茶目でゆるい埼大生とどこか気質が似ている。
都内の大学が郊外に引っ越していくうちに、
東京に近い大学となっていった。
それがいいとかわるいとかではなく、地域性が失われていく。
しかし、それでもなぜか気質は受け継がれていく。
留学生も、やっぱ埼大生だよね、と言いたい学生がいっぱいいる。
とても不思議だ。
…ここ数年、少しずつ変わってきていると強く感じているが。
今年度または来年度で、私は埼玉大学の出講が終わることになりそうだが、
今年度後期で1コマ、ちょっとした置き土産として、
ボランティア・ゲスト講義をしてくださる
旧制浦和高等学校卒業生のかたをさがそうと考えている。
ご高齢だが…たぶんお元気なかたはたくさんいらっしゃるだろう。
以前、同窓会にお誘いいただき、
校歌を拝聴したのだが、音域こそ低いが、なんともいえない力強さに、
褒めそびれた。
若いころから機会があれば歌っていたことが理解できた。
[補足]
旧制高等学校の生徒たちは、オリジナル、替え歌、そして、
ドイツ歌曲原詩(日本語の歌詞をご存知ないかたも)
ipodで聴くのではなく、みんなで声を出すという習慣。
[後記]
もう少し研究してまとめたいと考えていたが、
やっぱり私が女性である壁を感じた。
男同士の世界を理解するには禁断もあるだろう。
「まかないのおばちゃん以外女人禁制」。
その通りだと思う。
もしも、私の研究を引き継ぐ男子がいれば、
資料全部あげる。
ただし「優等生音楽」と「不良音楽」の「音」に関する研究は放棄しない。
【ひとつだけわかったこと】⇒留年式請けてヨカッた☆
*1 大学歌または学歌、校歌とは呼ばない。
大学校の場合、学校歌。また大学の建物は校舎ではなく学舎。
今は、まるで義務教育のように大学に行く人が多いため、
大学も学校の延長となってきている。
テレビでも、児童・生徒・学生の区別がなく、「生徒さん」と大学生を呼ぶ。
逆に昔は、「学生」は生徒も含んで呼んでいた。
英語のstudentは便利。
私は、中学生だけをpupilと言うと、
イギリス式で習った。
(当時インプットされた間違い英語は多いが)
============================================
[資料]
『旧制浦和高等学校寮歌全集』
旧制浦和高等学校同窓会 発行
理事長 原 文兵衛
編集者 瑤嘯会
会長 土田 三郎
平成8年11月1日発行
『わがホッケー部回想記』
浦高杖友会編集委員会(芦沢達)
平成9年3月1日
…さいごの年表がじわっ。
昭和24年4月
ホッケー部は埼玉大学に引き継ぐことなく解散。
どちらも貴重な資料を拝受しました。
あらためて御礼申し上げます。
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