あと2回(たぶん)留年式関連の記事、おつきあい願います。


式次第について。

実行委員会学生から送ってもらった式次第を見て、安心した、

というか、ホッとした。


それは、「学校」であれば、つきものの、

国旗(日の丸)掲揚と国歌(君が代)斉唱がなかったことだ。


その理由は、単に大学の式次第にのっとったからだろう。


なお、大学の卒業式では国立大学法人といえども国旗掲揚や国歌斉唱がなされない事が多い。
wiki →「といえども」という表現で、この文を書いた人の気持ち丸出し^^;

だから、wiki日本語、嫌いなんだ…ぶつくさ☆


もしも、白旗掲揚、国歌(君が代)独唱初音ミク・クチパクのコスプレ、

とかやったら、後が怖いだろう☆


以下のエピソードは何度かいろいろなところに書いたが、

それでもリピする。


私が中学に勤めていたころ、体育祭での君が代の扱いについて、

職員会議で議論された。

1.全員合唱+吹奏楽伴奏

2.全員合唱+テープピアノ伴奏

3.吹奏楽の演奏のみ


という選択で、上司と組合の先生が、ガンガンやっていた。


ヽ(`Д´)ノ (・_・ 三・_・) ヾ(▼ヘ▼;)

        ↑私


心の中で、…あのぉ、指導するの私σ(^_^;)

私の意見をきいてぇぇ…って言っても実はない…☆

どぉでもいい!!はやく決めて、指導する私の身になってぇぇ☆


と、いうところで吹奏楽部の生徒が、楽譜について聞きにきた。

そのまま、そっと抜け出した。後で、「君が代が決まらないので、

ヘンデルだけでも練習させておかないといけませんし、

入場行進の練習もありますしぃぃぃ」

と、言い訳するつもりだったが、だれも気付かなかった。

(ってことは音楽科の先生の意見を求める気がなかったってことだ)


さてさて。卒業式というのは、明治期から学校教育において重要な位置にあった。

「儀式」の時間という(名前こそ違うが「総合的な学習の時間」でも似た学校がある)

天皇制や国家への意識づけが目的だった。


この「儀式教育」は、台湾や韓国に多くの研究論文があり、

そのものの国内のものと違った視点が充実している。


そして、現在は、無意識に「完成」を意味する儀式。


ある学校の音楽科の先生が、

「今日(卒業式)のために、3年間の音楽の授業があるのメラメラ

この合唱こそ…うるうるうるしょぼん

袴姿で指揮棒を持って舞台から降りてきた彼女の感涙に、

ちょっとひいてしまったシラー

気持ちはすごく理解できるけど、共感できなかった。


ALTと話していて、

「日本の学校、卒業式ヘンですね。

祝われる人たちが歌や話を練習するなんて。

私の国では、卒業式は、教会から合唱隊が来て歌い、

弦楽合奏団が演奏してくれます」

(廊下で会話・当時英語科以外の先生が英会話するのタブーでした。

英会話できない英語科の先生がいらしたので。

…いじめられます。今でも職員室で英語話すのトラウマです。

英字新聞読むのはOKでしたけど…読むことには自信があるのねぇ)



これは音楽科だけでなく、「送辞」「答辞」。


学校行事をとおして、いかに成長したかを語る。

学校での活動を通して、いかに先輩後輩の交流があったかを語る。


決して、字が読めるようになり、因数分解ができるようになり、

天体の運行がわかるようになった、なんてことは語られない。


そして、学校でどのような教育が行われているのか、

来賓に見てもらう大切な「見栄」もある。

学校でピアノの調律は卒業式の直前で、

音楽室よりも体育館のピアノを優先に調律する。


私が中学につとめていた頃、調律師さんに

「『大地讃頌』が響くように、H-dur純正律に近くしてくださいね」

と、お願いしていた。


吸い殻だらけだった体育館裏も、あわてて清掃したり。

来賓が通る場所はピカピカになっていたり。


・・・なんかイヤだったなぁ。


卒業式は、日本の学校教育のすべてを集約している。

卒業式は、日本の社会構造のすべてを集約している。



話しを大学での留年式に戻すが、

尾崎豊『卒業』の替え歌『留年』は、

私の講演パートで合唱するつもりだった。

なぜなら、私の講義ガイダンスで最初に鑑賞してもらう楽曲で、

いろいろな意味や想いが入っているから。


だが、「式歌」としてしまったほうがいい。

あまりによくできた替え歌だったから。

学生作品として。


[歌詞より一部抜粋]

緑のモニュメント
わかめに似てるといつも 感じていた


大学正門すぐのモニュメント。

(画像がない??)

このモニュメントが突然できた後、学生の間でウワサ。

非常勤の日本人の英語の先生を全員クビにして作った。

…そんなことはないはずだが、タイミングがタイミングだった。

(仲間の給料分ではできないでしょう)

学生にはワケワカメなモニュメントだろうが、

芸術系の先生がたの評価は高い作品。


チャイムが鳴るころにはまだ 自宅で寝ていて

埼玉大学はチャイムが鳴らない。

近くの役所のチャイムだ。


笑い声とため息に満ちたローソンで


学内のローソン。


効率よくまじめなんて 出来やしなかった

ここの「効率よく」が、共感できる。

ろくに勉強もしていないのに単位だけ取れる学生がいる。

私がファイル提出にしているのは、

試験前に友達のノートコピーして、友達よりいい点取るって、

イケナイと思っているからだ。


社会的縛りに 皆が気づきつつ
あがく日々は続く
今年4月からの 留年
来年こそは 卒業

ネットでもかなりの数引用されたサビの一説。

この部分は時間かけて校正していたとのこと。


で、次回「短調」大学歌斉唱。

大学歌と旧制浦和高等学校寮歌など。


【ひとつだけわかったこと】⇒パロディと儀式の関係は、音楽がつきものだ。


==================================================


坪野和子の音楽社会人類学研究所 アメブロ別館

留年式当日は、(本当の?)卒業式も行われていたので、

国旗(日の丸)が正門に掲げられていた。


ユリシーズ (まんがで読破)/ジョイス
¥920
Amazon.co.jp

…なんで貼ったか、わかったらコメント☆

[参考資料]

『教育年鑑』(大正6年)
帝國教育会/澤柳政太郎 
富山房
(google booksで電子書籍として閲覧できる)


澤柳政太郎の訓練論に関する教育方法史研究
http://near.nara-edu.ac.jp/bitstream/10105/6923/1/ier32_147-158.pdf

羽山好作の科外教育論に関する教育方法史研究
船越, 勝
http://hdl.handle.net/10105/4380


有本 真紀
http://ci.nii.ac.jp/author?q=%E6%9C%89%E6%9C%AC+%E7%9C%9F%E7%B4%80

卒業式の成立と定着過程 : 明治期前半の教育雑誌・学校日誌を通して

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007043031

判例における学校管理職の諸問題
一学校行事運営と学校管理職一
吉 岡 直 子
https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/bitstream/2324/822/4/KJ00000685489-00001.pdf

国民学校令施行
規則が「儀式,学校行事等ヲ重ンジ之ヲ教科ト
併セー体トシテ教育ノ実ヲ挙グルニカムヘシ」
(昭和16・1941年 1条)


本邦音楽教育史
日本教育音樂協會/乗杉嘉壽
音樂教育書出版協會
(昭和9年)

大日本学術協會
日本現代教育学大系全12巻


教育基本法資料室へようこそ!
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/index.htm
文部科学省 生涯学習政策局政策課

学習指導要領 特別活動


[PDF]
小学校学習指導要領解説 特別活動編
[PDF]
中学校学習指導要領解説 特別活動編
[PDF]
高等学校学習指導要領解説 特別活動編



学制百年史 資料編 
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198102/
文部科学省 

学制百二十年史
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz199201/


学校教育法施行令
(昭和二十八年十月三十一日政令第三百四十号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28SE340.html