この記事を利用して、ここ10年の世界の大衆音楽について。


20世紀末期、80-90年代の大衆音楽は、
芸術化に向かいつつ、新たな音楽、特に、
いわゆる(広い意味での)黒人音楽の開花で、
終焉を向かえつつあったといえよう。

Rockが細分化してきてジャンルが氾濫し、
◎◎Rockと呼ばれるジャンル乱立。

そのなかで、注目してみたところでは…。

パンクは、演奏様式というよりも、
元来の貧困からの訴えからはずれ、
ファッションとなりつつあったはずだったのだが、
記事を引用すると、

-アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)
『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット 』(Whatever People Say I am, That's What I'm Not、2006)
>>重苦しいイングランド中部の工業地帯から羽ばたいた彼らは、
>>この10年ならではの特徴、インターネットの力でスターになった初めてのバンドのひとつとも言える。
>>若さと緊迫感にあふれたパンク・サウンドは、登場とともに十代の若者やポップ通をとらえた。


という先祖がえり的役割をネット上で展開し、

(メディアと音楽ヒットについては、いずれ講義記録として述べる)

-ザ・ホワイト・ストライプス(the White Stripes)
『エレファント』(Elephant、2003)

>>独音楽誌「Spex」のマックス・ダックス(Max Dax)編集長は、
>>「ジャックとメグはほとんど2人だけの手で、
>>パンクロックをどうでもよいものから救い上げた」

と、あるが、この二人のみならず、
全体のムーブメントであって、それを代表するものといえよう。


メタルが入っていないのは、
音楽様式が確立されすぎていて、
印象に残る作品を挙げることができなかったのかもしれない。
現在、メタル親父の息子世代がデビューしているが、
(音楽的に)お行儀が良い…を越えることで、
次に入るかもしれない。

で、黒人音楽といわれていたジャンルが、
世界的にいろいろなアーティストのものとなった21世紀初頭。

-エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)
『バック・トゥ・ブラック』(Back To Black、2007)

-ジェイ・Z(Jay-Z)
『ザ・ブループリント』(The Blueprint、2001)

-エミネム(Eminem)
「ザ・マーシャル・マザーズ LP」(Marshall Mathers LP、2000)

これらは、その代表といえようか。



20世紀末期の延長が…。

-レディオヘッド(Radiohead)
『キッド A』(Kid A、2000)

-ザ・ストロークス(The Strokes)
「イズ・ディス・イット」(Is This It、2001)

-ボブ・ディラン(Bob Dylan)
「モダン・タイムズ」(Modern Times、2006)

-アーケイド・ファイア(Arcade Fire)
『フューネラル』(Funeral、2004)

ただし、アメリカ&英国における評価である。
欧州やアジアとは別物。

ここであがらなかった例として、

レゲエが各民族でリズムだけを取り出し、

メロディーを自民族のものにのせた形、

Rapと結びついた形、

ベースラインのループなど、

様式として変化があった

吸収するだけで発展がなかったことと、

局地的ヒットだったこと、

たとえばイタリア、アフリカ、日本、インド圏など。


そして、広くみても、

東アジア圏の韓流ブームは落とすことができない。


さらに、周杰倫が中華圏でブレークしている現象。


世界全体での「歌姫」の多様化。

セレブ・見た目おばちゃん・癒し・裸足。


コーラスやヒューマンビートボックスという、

生の声、全体に広がっていたはずだが、

大きなヒットがうまれていなかった。


どちらも、シンセサウンドでないものを

求めていた人たちの



アイドル部門「歌って踊れる」は変化なし。


アーティストによる慈善活動、

平和・環境・貧困や災害救援が必須となる。


昨年のマイケル・ジャクソンの死によって、

彼のアーティスト立場を再評価されたため、

Pops部門は、今後しばらくそこから創生される作品が出るだろう。


メディアの変化として、

YOU TUBEが共有する音楽であるとすれば、

ipodは個別化する音楽といえる。

今後の音楽変化は、それらの対比的状況への対応と、

「ライブ」見直しである…って、当然だが。