「真紅に染まる丹波土の力強さ」丹波赤茶盌 西端正 作
「丹波赤茶盌」西端正 作幅:12.2cm 奥行:12.0cm 高さ :10.0cm外面を覆う鮮烈な赤は、鉄分を豊富に含む丹波産の荒土に、さらに赤土釉(酸化鉄を多量に含む化粧掛け)を施し、強還元から終盤にかけて軽い酸化雰囲気へと移行させることで得られた発色です。鉄分が酸素と結び付き、相転移する刹那に生じる緋色を、窯焚きの妙技で掴み取った結果、深く濁りのない朱赤が器肌に定着しました。赤楽の艶やかな釉景とは異なり、微細な鉄粒がマットなテクスチャを残し、野趣と洗練を同居させています。見込みから内壁にかけては黒褐色の光沢が広がり、外面の赤と鮮やかな補色関係を築いています。これは還元帯で生まれた鉄釉が高温でガラス化し、滑らかな面を形成したものです。抹茶の緑を映したとき、緑・赤・黒の三原色が互いを引き立て合い、茶席に劇的なコントラストと深い奥行きをもたらします。胴はやや縦に高さを取りつつも、卵殻を思わせる柔らかな曲線を描いています。口縁は軽く波打ち、指先で薄く削り込むことで口当たりを心地よく整えています。全体を通して肉薄に仕上げられているため、手に取った際の軽さと赤土独特のほの温かさが同時に伝わり、茶の湯の所作を軽快にサポートします。見込みのゆったりとした半球形は茶筅の動きを存分に受け入れ、泡立ちの均質化を助けます。肉薄ながら高温焼成で締まった素地が保温性を確保し、濃茶・薄茶のいずれでも適度な温度を保持。高台が低く切り込まれているため卓上での安定感に優れ、現代のテーブルコーディネートにも自然に溶け込みます。丹波赤茶盌 西端正陶器の専門店-甘木道