誕生日。それは自分が生まれた日。

そんな日がみんなが認識する特別な日だと色々と楽しいもんだ。

 

澪の友達はなぜかその誕生日が特別な人が多かった。

 

「私5月5日!」

 

「俺12月25日だわ。」

 

「七夕!」

 

「俺は節分だな。」

 

「私は2月14日よ。」

 

「俺なんて4年に一回だぜ?」

 

誕生日の話題になるとお互いに自慢しあっていた。

 

「澪は?」

 

「私は・・・」

 

11月9日。

特に何もない。

 

すると、後ろから勝本が言ってきた。


「いい具合に苦しむ日だね!!」

 

「え?なんかそんなのやだ。」

 

 

続けて、勝本が澪達に言った。

 

「聞いて!聞いて!俺は12月8日!

 

 

「12月8日?え?いったい何の日?」

 

みんなキョトン顔。

 

 

 

 

 

 

 

 

「パールハーバー」

 

 

 

「・・・・・。」∑( °д°)

世界には願いが集まる館がある。 

毎日毎日ここには、かなえたい夢や希望。

今欲しいものがなんであるかと手紙で届く。

 

「ボク、将来大工さんになりたい。」

「私はお嫁さん」

「コンビニの店員。」

「恋が叶いますように」

「新しいバックが欲しい」

「宝くじが当りますように」

「学校に行きたい」

 

そこには、人々の夢や希望が集まっていた。

勤務歴3年の若き神様にここ数年の傾向を聞いてみた。

 

「最近、どんなものが一番人気ですか?」

 

すると、彼はつかれきった顔をし答えた。

 

「昔からダントツで、いろんな意味で『保障が欲しい』が一位ですね。」

社会科の授業の中で、男子3人女子4人の7人が班となり

好きな歴史上の人物を調べ演劇で発表しろってのがあった。

 

で、その打ち合わせの日。

ボク以外の男子がサボった。

 

「やってらんね~」

 

だとよ。

 

まぁ、そんなおかげで

班の中マジメな男子は重宝された。

 

「岡田くんはマジメなのにね~」

 

なんて。男1人に女4人。

 

多分アレが人生で一番モテタ。

 

で、どこで打ち合わせするかって話をしていて、

ちとせの家ですることになった。

 

ちとせには3つ年上の兄貴がいて・・・

体がでっかく怖い。

 

その子の家に行く。

そう聞いた時、怖かった。

 

この兄貴のことは低学年の頃から知っていて

 

イメージ的に・・・

 

「お前、妹と仲良くするだなんて100年早い。もし、仲良くするなら俺を倒していけ!」

 

そんなことを言いそうなくらいちとせを可愛がってた。

 

ちとせの家に行く・・・。

 

「家に入るなら俺を倒していけ!」

 

って言いそうだ。

宿題をするためには兄さんを倒さなきゃ。

 

「どうやろう・・・。」

 

社会科の打ち合わせに行くだけなのに

結婚の挨拶しに彼女の父親に会いに行く人みたいだった。

これは戦(いくさ)だ。

 

ボクの頭の中ではお兄さん対策のシュミュレーションがはじまった。

 

「お兄さん!妹さんと社会科の宿題やらせてください!」

 

「いいや、どこの馬の骨か分からんお前と妹を一緒にさせるわけにはいかん!」

 

あぁ。

ダメだ。

お兄さん許可くれないよ。

 

「お兄さん!絶対に彼女を後悔させません!どうかボクと宿題させてください!」 

 

こう言えばよかったのだろうか?

 

それとも、

 

「大好きなんです宿題。お願いです。ちとせさんと一緒にしたいんです。だから、宿題させてください」

 

誠意は伝わるだろうか。

でもこう返してきそうだな。

 

「本当にキミはちとせと一緒にする事ができるのかね?本当に最後まですることができるのかね?」

 

う。

そこまで念押されると自信がない。

 

「家に入るなら俺を倒していけ!」

 

倒す練習をしたほうがよさそうだ。

 

「はぁ・・・。」

 

「岡田くん?何してるの?」

 

と、ちとせ。

 

「え?パンチの練習。」

 

「何で?」

 

「え?あぁ、うん、別に。」

 

流石に、兄貴を倒すためだなんて言えない。

奇襲作戦がいいだろうか・・・。