スターダンサーズ・バレエ団『くるみ割り人形』テアトロジーリオ・ショウワ | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 祝・満員御礼! 林田翔平&池田武志の新国バレエ出身者2枚看板の公演が多いスタダンの公演ですが、今回は第三の男が登場してのトリプルキャスト。石川龍之介は「はじめまして」なダンサーですが、長身でプロポーションバランスが良く、どこかスポーツクラブのインストラクター風。動きや表現が大きいのが魅力で、ベテランダンサーが演じるクララがちゃんと子役に見えました! スタダン入団は2023年3月とまだ若葉マークですが、これからの活躍に期待!

 

 スタダン版のくるみ割り人形はファミリー仕様で子役が活躍する場面が多く、客席も子供がいっぱい。「行進曲」では一緒に歌っちゃう子もいてビックリだけど、舞台を楽しんでいるのが伝わってきて、今日に限っては良き(たぶん、新国や東京文化の公演だったら睨まれるんでしょうが、新百合ヶ丘なので郊外の空気がノンビリ)。子役たちが男の子も女の子も役になり切っていて、舞台の上で小芝居までこなしているのが可愛いったらありゃしない! 思わずニッコリ。

 

 ネズミたちとの戦いこそファミリーミュージカル風ですが、「雪のワルツ」はコンテンポラリーの振付をぶち込む冒険もあって大人も楽しい。それにしても、ダンサーたちの動きに合わせて「ざっ、ざっ」と音が客席まで聞こえてくるほどバレエ公演で雪吹雪を降らせまくるのって珍しい。雪をかけあってキャッキャと喜んでいる王子とクララのいちゃいちゃぶりが個人的な見どころ!

 

 第二幕は少人数チームに分かれての場面作りで、バレエ団ごとに趣向を凝らしていて「楽しい」の一言ですが、スタダン版はロシアの踊りの三人組(関口啓 飛永嘉尉 仲田直樹)の体育会系の技術合戦が楽しく、もしかして一番の見せ場はここだったのかも(拍手も最大!) 


 ラストのラストは王子とクララが結ばれてハッピーエンドではなく、クララが王子を振って幕。おとぎ話のエンディング、昔と今では違ってきてます。

 

 

【キャスト】
クララ:渡辺恭子
王子:石川龍之介
ドロッセルマイヤー:鴻巣明史
ハイディ(クララの姉):前田望友紀
ペーター:加地暢文
大道芸人:秋山和沙 鈴木就子 友杉洋之
雪(ソリスト):小澤倖造 早乙女愛毬 関口啓 仲田直樹 西原友衣菜 前田望友紀
スペイン:榎本文 久野直哉
アラビア:東真帆 渡辺大地
中国:岩本悠里 鈴木就子 本田千晃 森田理紗
フランス:石山沙央理 山内優奈 石川聖人 小澤倖造
ロシア:関口啓 飛永嘉尉 仲田直樹
人形たち(ソリスト):西澤優希

【スタッフ】
演出・振付:鈴木 稔
舞台美術・衣裳:ディック・バード
音楽:P.I.チャイコフスキー
指揮:田中 良和
管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
コーラス:ゆりがおか児童合唱団
照明:足立 恒
舞台監督:森岡 肇  伴 美代子
バレエ・ミストレス:小山 恵美
バレエ・マスター:福原 大介
総監督:小山 久美