アメリカって不思議な国です。ブロードウェイ・ミュージカルでは「黒人や白人でキャストを選ぶなんてもってのほか!」ということで人種をあえてシャッフルさせたキャスティングがなされていたりするのに、音楽界だと「黒人が白人の曲を歌うなんて!」という正反対の批判が起こるんですもの。そんな中、人種もジャンルも越えて、女性ヴォーカルとして世界を魅了し、“THE VOICE”と称えられた伝説の歌姫=ホイットニー・ヒューストンの生涯を描いた映画の登場です。
有名なエピソードはほぼ描かれていると思います。幼少期の母親からの音楽教育、ロビン・クロフォードとのバイセクショナルな関係(そして仕事の相棒であり彼女の最大の理解者の一人ともいえるクライヴ・デイヴィスはゲイ!)、スーパーボールでのパフォーマンス、父親との金銭トラブル、映画『ボディーガード』、ボビー・ブラウンとの結婚、ボビーとロビンとの三角関係、父親との金銭トラブル、麻薬中毒、酷評されたコンサート「Nothing But Love World Tour」などなど。「そりゃ2時間以上必要だよね」と、万が一のトイレに備えて出入口近くの席を予約。
が、いざ始まってみたら、彼女のキャリアを振り返る音楽映画ともいえる作りが素晴らしいのなんの。ストーリー部分はさらりと流し、ただただホイットニーの素晴らしさに触れる時間でした。2019年にも彼女の人生を追ったドキュメンタリー映画『ホイットニー・ヒューストン~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』という映画があって、そちらは割と重い作りだったのに対し、今回はエンターテインメントに特化した華やかな作り。彼女の栄光の軌跡を一緒に振り替える至福の音楽体験でした。体感的に1時間位。体内時計が完全に狂わされます! 歌ウマは正義!!!
2022/12/23公開 144分
Whitney Houston: I Wanna Dance with Somebody
【スタッフ】
監督:ケイシー・レモンズ
製作:デニス・オサリバン ジェフ・カリジェリ アンソニー・マッカーテン パット・ヒューストン クライブ・デイビス ラリー・メステル モリー・スミス サッド・ラッキンビル トレント・ラッキンビル マット・ジャクソン クリスティーナ・パパジーカ マット・サロウェイ
製作総指揮:ナオミ・アッキー ケイシー・レモンズ ウィリアム・A・イーロン マリナ・カッピ エリカ・ハンプソン ジョシュ・クロック レイチェル・スミス セス・スペクター デニス・カサリ ジャニス・ビアード タナー・ビアード レクシー・ビアード マシュー・ギャラガー ステラ・メギー マッケンジー・オコンネル
脚本:アンソニー・マッカーテン
撮影:バリー・アクロイド
美術:ジェラルド・サリバン
衣装:チャールズ・アントワネット・ジョーンズ
音楽:チャンダ・ダンシー
音楽監修:モーリーン・クロウ
【キャスト】
ホイットニー・ヒューストン:ナオミ・アッキー
クライブ・デイビスス:タンリー・トゥッチ
ボビー・ブラウンシュトン・サンダース
シシー・ヒューストン:タマラ・チュニー
ロビン・クロフォード:ナフェッサ・ウィリアムズ
ジョン・ヒューストン:クラーク・ピータース
ボビー・クリスティーナ:ブリア・ダニエル・シングルトン
https://www.whitney-movie.jp/