東宝『RENT』@シアタークリエ | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 本日のキャストはほぼ2020年版メンバー(ダブルキャストで新メンバーが参加してます)ということもあって、安心して観ることができました。甲斐 翔真がすっかり舞台の中心に馴染み、主役感が増しましたね。伸び盛り。そして、長身が映えること、映えること。舞台において長身は正義です。最近の東宝ミュージカルは185cm前後が当たり前だったりするので、170クラスだとチビッコ扱い。それにしても、最近は宝塚出身者でない女優も長身の方が増えましたね。170cmなんて普通だったりするので、男役≠デッカイになりつつあります。172cmのモデル体型の佐竹莉奈(フランク莉奈)が演じるモーリーンのナンバー「Over The Moon」では、コロナの影響で客席に「Moon!」と叫ばせる演出が自粛されてきましたが、今回久しぶりに復活。とはいえ、客席も「叫んで良いのかな?」と戸惑い気味で「もっと、もっと!」とあおられても叫ばずに唸ってる感じでした。

 

 『RENT』は日本初演時より、いわゆるミュージカル俳優が中心となって演じるのではなく、歌手が中心となって演じるミュージカルという様相で、歌詞を聞かせたり、芝居で魅せるというタイプではないので、コンプリートアルバムを聴いているような作品。ゆえに、初見の人から「何が何やら」という感想が漏れ聞こえてくるのは仕方ないのですが、ストーリーは『ラ・ボエーム』だし、リピートするごとに、キャラクター間の関係性がジワジワ入ってくるので、気づくと虜になっている作品。 様ざまな人種ならではの歌唱法が楽しめるブロードウェイ版と異なり、日本人を中心にいろんな人種を演じ分けるのがやっぱり難しく、いろんな声が交わるよりも同化してしまうのが日本版カンパニーの特徴なのですが、それでもやっぱり、それぞれのキャストが自分の歌として消化しようとしているのが醍醐味です。

 

 最近、オペラを観るたびに「日本人で低音がまともに歌える歌手はいないのか!」とイライラしているのですが、今回でいうとやっぱりコリンズがミスキャスト。音が出せるのと、音を鳴らせるのはマッタク違って、バスの響きが必要な役なのに、低音はかする(そして外す)のに、高音が楽に出るというのは「違うんだよなぁ」と残念な気持ちに。頑張ってるんですけどね。聴きたいのは包み込まれる深々とした低音なので、これじゃない。。。

 

 

【キャスト】
マーク:平間壮一
ロジャー:甲斐翔真
ミミ:遥海
コリンズ:加藤潤一
エンジェル:RIOSKE
モーリーン:佐竹莉奈
ジョアンヌ:塚本 直
ベニー:吉田広大

チャンヘ
長谷川 開
小熊 綸
ロビンソン春輝
吉田華奈
Zinee

【スタッフ】
脚本・歌詞・音楽:ジョナサン・ラーソン
演出:マイケル・グライフ
日本版リステージ:アンディ・セニョール Jr.