シンデレラストーリー@日本青年館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 2003年に青山劇場、2005年にルテアトル銀座で上演された脚本:鴻上尚史、演出:山田和也が17年ぶりに生まれ変わりました。『シンデレラ』という有名作品をベースに、重箱の隅をつつくような(!)脚本、個々のキャストのキャラクターを披露させるという、内輪の宴会芸を劇場で上演しました、といった色合いのおもちゃ箱的作品。ミュージカルとしては独特の路線ですが、芸能人目当てで見に来た観客や、ミュージカルがあまり得意でないような観客には大うけの様子でした。音楽がストーリーを動かすよりも、芝居・音楽と別れているのもミュージカル慣れしてない観客には受け入れやすいのかも。歌い方も芸風も舞台での遊びっぷりもキャストごとに異なるのを楽しんだもの勝ちなステージです。

 

=====公式サイトより=====

魔法が解けたのにどうしてガラスの靴だけはそのままだったのか、どうして家事ばかりしていたシンデレラが華麗なダンスを踊れたのか、などリアルに考えたら避けては通れない問題に回答していくのがミュージカル「シンデレラストーリー」です。

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 お笑いの人にはネタを披露させ、元アイドルには当時のナンバーを歌わせ、関西人には関西弁をしゃべらせ、その他キャストも役ではなく役者としていじっていました。そして、シンデレラも王子も「憧れの存在」ではなく、欠点だらけで自己中心的な姿として描かれていたり、魔法使いとシンデレラの母親がレズビアンの関係として描かれていたのも現代的。初演&再演ではシンデレラの父シャルル 魔法使い チュウ之丞の3役をデーモン小暮閣下が一人で担っていたけれど今回は分割。

 

 今回はウォーリー木下が演出ということで、映像と演劇の融合、プロジェクションの多様、マジシャンの起用、さらには上中下段で分割されている大階段を左右に動かし、その上で役者が歌い踊るという危険な技(宝塚でもそうそうみないし、オペラ界だと歌手が怖がってNG出しそう)など、ボードビル的な世界観。空中分解しかねない危険なカンパニー&作品でしたが、入野自由が圧巻の演技力でカンパニーをまとめていたのに舌を巻きました。

 

 とはいえ、役者が役になり切るのではなく、役を役者に寄せてくる作品作り。観る側の好みが別れそう。

 

【キャスト】(2003年/2005年)

シンデレラ:加藤梨里香(大塚ちひろ/大塚ちひろ)
王子・チャールズ:大野拓朗(井上芳雄/浦井健治)
義母・ベラドンナ:佐藤アツヒロ(池田成志/池田成志)
廷臣・ピエール:入野自由(橋本さとし/橋本さとし)
義姉・オードリー:ゆいP(宮地雅子/宮地雅子)
義妹・ジェシカ:まりゑ(森若香織/森若香織)
ミスターマウチュ:川原一馬(デーモン小暮閣下/デーモン小暮閣下)
チュウ太郎:和田泰右(佐藤正宏/福本伸一)
チュウ1:Homer
チュウ2:夏目卓実
 ※チュウ1:(東山義久/高谷あゆみ)
 ※チュウ2:(前田 健/小寺利光)
 ※チュウ3:(藤森 徹/森 新吾)
王妃・ガードルート:彩吹真央(寿ひずる/高嶺ふぶき)
王様:吉野圭吾(川崎麻世/尾藤いさお)
魔法使い:アン ミカ(デーモン小暮閣下/デーモン小暮閣下)

安福毅 棚橋麗音 神里優希 中野太一
花陽みく 吉田繭 田之上もも
大澤えりな 小倉優佳 森本さくら

 

【スタッフ】

作:鴻上尚史
演出:ウォーリー木下
音楽:武部聡志
作詞:斉藤由貴
美術:石原 敬
照明:鶴田美鈴
音響:吉田可奈
映像:大鹿奈穂
衣裳:屋島裕樹
ヘアメイクディレクション&ウィッグ:SAKIE
メイク:千葉美智子
振付:青木美保
バンドマスター :堀 倉彰
歌唱指導:今泉りえ
稽古ピアノ:伊藤祥子
演出助手:大河内直子
舞台監督:今野健一
制作:𠮷田朱里
撮影:齋藤清貴
動画撮影:彩高堂
宣伝美術:WHITE Phat Graphics
広報宣伝:ディップス・プラネット
プロデューサー:市村朝一 栗間左千乃 佐藤 玄
製作:高橋一仁 宇都宮誠樹
企画・製作 — サンライズプロモーション東京/パルコ