5年に1度開催されるピアノ界最大のイベント：ショパンコンクールが佳境を迎えていますが、本日、10/17はショパンの命日。コンクールだって一時休戦。まさにそんな日に、ショパンの演奏でバレエが踊られるという何ともタイムリーな企画。演奏されるのはお馴染みの曲ばかりなのですが、ショパンコンクールと一番違うのが「バレエに合わせた演奏」ということ。タメもなければ歌い上げもなく、ひたすらインテンポに穏やかに演奏される「聴かせないショパン」・・・何とも新鮮でした。コンサートとは違う技術と演奏が求められます。
『くるみ割り人形』も新国バレエ団のアトレ会員先行販売が今朝（もちろん購入しましたとも！）で、本公演と違ってほとんど素舞台ながら「続きは本編でね」というこれまたタイムリーな予告編。新国バレエ団公演ではこのあたりからクララが子役→大人のダンサーに入れ替わるのですが、今日は超若手ということもあり、子役のような大人のような絶妙な印象を残すクララでした。
さらに、15日から公開中で、私も昨日観たばかりの『パリのアメリカ人』の日本版で主役を踊っていた酒井大が『Conrazoncorazon』に登場と、これまたタイムリー。『Conrazoncorazon』は披露直前に「～研修所の日々～」という映像の中で振付光景が紹介されていたので、「注意されていたのはここですか！」と、初めての作品（「バレエ・アステラス2021」の私の観劇日に限ってバレエ研修所は休演）ながら、ポイントがわかっていると俄然面白くなります。幼稚園の制服みたいな衣装の面々が踊る作品かと思いきや、どうやら騎手姿らしいです。CMで良く観る日本の競馬とは違うスタイルなので分からなかった(;^_^A アセアセ・・・ ところで、バレエの衣装っていつ着用するんでしょうか？ 登場の時点で衣装が汗地味だらけ、脇のあたりなんてぐっしょり状態のダンサーが目立ちましたが、洗濯がなかなかできない舞台衣装のことが心配になってしまいました。こちらも見たいわけじゃないけど、つい目が行ってしまって困ります。
25分の休憩を挟んでラストは『ラ・バヤデール』。研修所公演ということもあってか、ゲストダンサーが踊るソロルのソロはバッサリカット。男性が少ないのと舞台装置がないのとでかなりシンプルな仕上がり。「バレエ教室の発表会」という趣きでした。バレエ研修生はオペラ研修生に比べて平均年齢が若いのですが、それゆえかまだまだ個性を出してアピールするには至らない印象で、「この子はスター！」と感じることはありませんでした。とはいえ、数年後にはどこかのバレエ団で主要キャストを踊る子も出てくるんでしょうね。楽しみにしています。
【Programme】
『ダンス・ダンス・ショパン』
〈音楽：F. ショパン 振付：牧 阿佐美 ピアノ演奏：中川 彩〉
1.ワルツ 作品69-2
2.エチュード 作品25-1
根本真菜美 京當侑一籠
3.マズルカ 作品63-3
細田花怜
4.ワルツ イ短調（遺作）
5.エチュード 作品25-9
根本真菜美
6.マズルカ 作品59-3
竹花治樹
7.ワルツ 作品34-3 ヘ長調「華麗なる円舞曲」
『くるみ割り人形』よりクララと王子のパ・ド・ドゥ
〈音楽：P.I. チャイコフスキー 原案／台本：M. プティパ 原振付：L. イワーノフ 改定振付：牧 阿佐美〉
王子：福田天音
クララ：吉留 諒
◆ 映像 ～研修所の日々～
『Conrazoncorazon』より（全９曲中よりNo.1,2,4,6,7）
〈振付：カィェターノ・ソト 振付アシスタント（指導）：新井美紀子〉
安達美苑 菅沼咲希根本真菜美 山本菜月 五十嵐玲奈
酒井 大 松田耕平 吉留 諒 青木恵吾 小野田陽斗
─ 休 憩 ─
『ラ・バヤデール』よりパ・ダクシオン
〈音楽：L. ミンクス 原振付：M. プティパ〉
ガムザッティ：青山悠希
ソロル：京當侑一籠
ゲスト出演：青木恵吾（研修所第16期修了）
賛助出演：伊東真梨乃（研修所第13期修了）
ほか
【キャスト】
新国立劇場バレエ研修所 第17期生
青山 悠希
安達 美苑
菅沼 咲希
根本 真菜美
福田 天音
山本 菜月
新国立劇場バレエ研修所 第18期生
五十嵐 玲奈
下川 佳鈴
中川 奈奈
縄田 花怜
小野田 陽斗
新国立劇場バレエ研修所 予科生
大薮 樹
神谷 歩乃加
久我 音寧
髙橋 隼世
竹花 治樹
榎本 志結
中村 美月
府川 萌南
ゲスト出演
芳賀 望
京當 侑一籠
酒井 大
松田 耕平
吉留 諒
青木 恵吾
