【ART】Dreams - to be continued -髙田賢三回顧展@文化学園服飾博物館 | てるみん ~エンターテインメントな日々~

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 2020年10月に新型コロナウイルスによる合併症で逝去した髙田賢三の回顧展。開館時間を調べようと「KENZO 新宿」でググったら、伊勢丹のKENZO売り場がトップに出てきました(;^_^A アセアセ・・・ 文化学園は有名だし、新宿南口で奇抜な格好をされている方のほとんどが初台方向に歩いて行かれますが、ここの博物館は平日の日中のみ開館のため、今まで足を踏み入れたことがなかったんです。今回、コロナの影響で会期が変更になるに伴い、イレギュラーで週末も開館することになったので、そそくさと覗いてきました。

 

 KENZOというと、デパート内のブティック、そして、宝塚ファンだと現・宝塚大劇場こけら落とし公演『PARFUM DE PARIS』(そして、その多くの衣装が別作品で使いまわされています)でお馴染みな方。ビビッドで華やかで色彩豊かな印象です。が、この展覧会はKENZOではなく髙田賢三が振り返られています。今月は、銀座のポーラミュージアムアネックス、そして、国立新美術館で高級品ばかりを集めた展覧会に目が慣れているので、華やかな作品や、ハイブランドとしての作品がない今回の展示、素人目には「学生のドレス部?」「生地安っぽくない?」というのが第一印象。全般的に素朴で、手作り感が強くて、正直あか抜けてないんです。

 

 半世紀前を中心とした作品たちですが、欧米のパターン化したニットに新しいデザインや編みを導入し、花柄をちりばめ、アジア各国の民族衣装からインスピレーションを得たフォークロアなデザイン、現在の「KAWAII(カワイじゃないよ、可愛いだよ)」のはしりを感じました。保存状態もあるんでしょうが、現在の合成素材でさらに色鮮やかにしたらどうなるかなと想像しながら鑑賞。

 

 今回は、服飾作品だけでなく、出版局での取材記事、写真などで1970年代から80年代のパリモードを牽引した氏の足跡が辿られているのですが、当時の雑誌ってページ内のレイアウトが縦横かっちりしていて、文字の大きさも大か小、フォントもお決まり、写真も卒業アルバムみたいな並びとあって、何だかレポートにとりあえず写真を添付しましたって感じ。そういえば、誰もがパワポを使うようになったのっていつ頃からでしたっけ?(私はかなり遅咲きです)。今回はメンズの展示がなかったということもあり、ファッション素人のオジサンにはドレスの展示よりも古い雑誌の展示の方が面白かったです。文体もフレンドリーを狙いたいのが内輪受けっぽくなっていたり、モデルのドレスの着こなしも現在の「ドレスを着たらこんな動き!」というものではなく、「ドレスを見せるために静止します(それも不自然なポーズ)」だったりして、非常に違和感を覚えるところに興味がわきました。写真も印刷も画質が悪いので、基本的に背景なしなのも余計にそう思わせるのかもしれません。いつか、ファッション雑誌に特化した展覧会なんてあったら面白そう。

 

 成功してからは、カラーの写真やファッションショーの映像や資料、宣伝素材も展示して欲しかったです。なお、KENZOブランドは1993年に売却され、現在はウンベルト・リオンとキャロル・リムがデザイナーです。

Dreams - to be continued - 髙田賢三回顧展

【会期】
(変更前)
2021年5月21日(金)~6月21日(月)
(変更後)

2021年6月1日(火)~6月27日(日)

【会場】
文化学園服飾博物館

【開館時間】
10:00~19:00

※入館は閉館の30分前まで

【休館日】
無休
    
【入館料】
一般500(400)円、大高生300(200)円、小中生200(100)円
※( )内は20名以上の団体料金
※障害者とその付添者1名は無料

【公式サイト】
https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition3356/

 

 

↓変更前のチラシ↓