今年初のオーケストラのコンサートは久々にN響。渋谷でも溜池山王でもなく池袋の芸劇コンサートホールでした。しばらく見ないうちにメンバーがかなり入れ替わってて、もはや年下の方の方が多いかも。そして、今宵のコンサートマスターは亮太郎君。ついつい君付けで呼んじゃうけれど、彼もすっかり中堅どころ。
『エフゲーニ・オネーギン』は次シーズンの新国オペラでの新プロダクション上演が発表されたばかりですが、今回はオーケストラが主役。オケピにこもるでなく、舞台に合わせることもないので、最初からド迫力の演奏。芸劇は改装してからかなり音が良くなったと思うけれど、音響反射板をオケとしてはギリギリまで下ろし(オルガンは完全に隠してます)、反射音がバンバン飛んできます。一曲目でこんなに飛ばしたら、二曲目のチャイコン、ソロは東洋人の女の子だけど大丈夫か?と心配してしまった程。
が、このソリストが凄かった。激しくて硬質で最近はやりの軽やかで華麗なピアノとは対照的。フレージングも独特で、激しい気性の演奏。日本人の女性ピアニストだとしなやかさを感じさせる冒頭の和音の連続もとっても攻撃的。早いフレーズでもタメを用いた演奏、個性的で面白かった! アンコールは『白鳥の湖』から「4羽の白鳥の踊り」なんだけど、技術見せつけ系のヴィルトゥオーゾ・ピースに。何度も聴きたい編曲ではないけれど、みんなが知っている曲で意表をついた演奏。好みは分かれるでしょうが、もの凄く盛り上がりましたね~。派手なまま終わるのではなく、小粋に軽やかなラストは私好み。
休憩を挟んでのメインはドヴォルザークの7番。8番や9番に比べて演奏される機会が少ないけれど、N響の弦パートって改めて上手いなぁ、と。そして、アンコールに至っては、一部の管楽器のおじさんは演奏することなく、足を投げ出してすっかり聴き手。派手な曲が続いていたので、超弱音に聞き入るタイプの曲が、しっとり染みたわぁ。
【演奏】
指揮:ロベルト・フォレス・ベセス
NHK交響楽団
ピアノ:ソン・ヨルム
【プログラム】
チャイコフスキー:歌劇「エフゲーニ・オネーギン」—「ポロネーズ」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
(アンコール)
チャイコフスキー(アール・ワイルド編):「白鳥の湖」から「4羽の白鳥の踊り」
ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 作品70
(アンコール)
シベリウス:悲しいワルツ