世界を変えた90s英国アート
― 正直ちょっと苦手。でも、それも含めて90年代。
90年代=ロンドン、だった私
90年代というと、私が毎年のように遊びに行っていたロンドン。
当時もちゃんと美術館には通っていた……はずなんですが、
改めてこうして90年代のアートをまとめて眺めてみると、正直、
「あれ、あんまり好みじゃなかったかも」と思ってしまいました。
作家たちの不気味な瞳、そして恥じらい
エリートな家系だけど、兄馬と弟馬の画像をコラボすると何とも不気味
一見、のどかな公園の風景っぽく見えるけれど、実は戦争の画面たち
ロンドンの地下鉄路線図に見せかけておいて、実は駅名が人物名に書き換えられているというブラックな作品
人間の皮をはいでぶら下げたかのような作品。
このアイデアが凄い、そして恐ろしい
性の解放→AIDSの蔓延→不安の裏返しの開き直りへ
アイデアは面白いんだけど、落ち着きのなさといったら!
不安と混乱の時代背景
イギリス初の女性首相・サッチャー政権の時代。
国内は混乱、紛争もあり、社会全体がどこか落ち着かない空気。
(あら、今の日本みたい…なんて思いながら)
その不安や怒り、違和感を、アーティストたちは
そのまま作品にぶつけていた。
時代の空気が、かなりダイレクトに反映されています。
作品は重く、刺激は強く
戦争をテーマにしたミニチュア、
怒りや悲しみをそのまま流す映像作品、
医療画像をそのまま展示したり、
性的なモチーフもかなり多め。
そうそう、この時代、AIDSの影も色濃くありました。
今見ると、テーマも表現も、とにかく直球。
やや容赦なし。
アナログ時代の「分かりにくさ」
まだアナログ放送の時代。
画質も音質も今とは比べものにならないし、
解説も不平不満や、第三者には分かりにくい主張が多くて、
正直、かなりハードル高め。
「作品を観る」というより、
「時代の生々しさを浴びる」感覚に近いかもしれません。
それでも、芸術はあとから効いてくる
芸術は、不可解、解らないことが、不可欠。
今はちんぷんかんでも、
いつか、ふとした瞬間に、
「あ、あれってこういうことだったのか」と
ストンと腑に落ちる日が来るかもしれない。
そう思いつつも、
この日は正直、ちょっとお腹いっぱい。
そして私は、リセットしに行く
退館した足で、
「他の美術館を覗いてリセットしよう」となったのでした💦
テート美術館発・決定版UK90’s
とはいえ、この展覧会、企画としてはかなりの本気度。
テート美術館発
「YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」。
1980年代後半から2000年代初頭にかけての英国美術を総覧。
サッチャー政権下の緊張感、社会の変化、ポップカルチャーのうねり。
その空気を吸い込んだ若いアーティストたちが、
既存の美術の枠をガンガン壊しにいった時代。
それが、YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)。
挑発、実験、私的な物語、社会への違和感。
絵画、写真、映像、インスタレーション……
とにかく自由で、生々しくて、遠慮がない。
約50名超・約90作品。
90s英国アートの“革命”を、まとめて浴びる展覧会でした。
伝説クラスがずらり
名前を見るだけで、90年代を通過した人はちょっとニヤリ。
ダミアン・ハースト
トレイシー・エミン
ジュリアン・オピー
ルベイナ・ヒミド
スティーヴ・マックイーン
ヴォルフガング・ティルマンス
ほか多数。
リアルタイム世代には「あの時代…」だし、
後追い世代には「これが源流か!」と刺さるはず。
音楽・ファッション・サブカルと完全同期
この時代のUKって、
アートだけじゃなくて、音楽もファッションも、全部が過剰エネルギー。
ブリットポップ、ストリートカルチャー、クラブシーン。
その熱狂と完全にリンクしたアートなので、
これはもう、美術展というより
「90年代UKカルチャーの空気ごと浴びる」感覚。
好き嫌いは、はっきり分かれる。
でも、「90年代って何が起きてたのか」を体感するには、
これ以上ない教材でもあります。
苦手だけど、無視できない90年代
正直、私の好みど真ん中ではない。
でも、だからこそ、
あの時代の不安やエネルギー、生々しさが、
そのまま作品になっているとも言える。
刺激強め、毒あり、ユーモアあり。
ちょっと疲れるけど、
それも含めて90年代。
六本木で90s英国の空気を吸う。
これはこれで、一度は通っておくべき展覧会でした。
開催概要(東京)
【会期】
2026年2月11日(水・祝)~ 5月11日(月)
※休館:毎週火曜(5/5は開館)
【開館時間】
10:00~18:00
金・土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
【会場】
国立新美術館 企画展示室2E(六本木)
【チケット】
前売:
一般 2,100円/大学生 1,300円/高校生 700円
※トートバッグ付 4,870円もあり
当日:
一般 2,300円/大学生 1,500円/高校生 900円
【巡回】
2026年6月3日~9月6日 京都市京セラ美術館
【公式サイト】






































