「農林水産省は17日、今後10年間の農政運営の指針となる新たな「食料・農業・農村基本計画」の原案を、食料・農業・農村政策審議会(農相の諮問機関)に示した。

 食料自給率(カロリーベース)の目標を初めて引き下げる一方、農業・農村所得は8兆円まで倍増させることが可能と試算した。

 政府は、基本計画を月内にも閣議決定する方針だ。

 2025年度の所得内訳は、農地の規模拡大や情報技術(IT)の活用によって、農産品の生産・販売を3・5兆円(13年度2・9兆円)に増やせるほか、輸出の増大や観光業などとの連携で4・5兆円(同1・2兆円)になるとした。

 カロリーベースの食料自給率の目標は、現行の「20年度までに50%」から「25年度までに45%」にすることを正式に盛り込んだ。13年度の自給率は4年連続で39%にとどまっており、現実路線に転換する。」yomiuri online 2015.3.17


我が国の食料自給率は、現在39%程度。
それを今までは、50%まで引き上げる指針を45%に留めました。


食べるという生きていくうえで欠かすことのできない課題を、自国では解決できずに半分は自給しようという指針をそれ以下に引き下げたようです。


半分以上を輸入にたよる食料事情、もし輸入が閉ざされたら・・・


「農林水産省が新たな指標「食料自給力」に基き、いざというときはコメではなくイモを食べればいいという試算を示しました。

農林水産省は17日、原案をまとめた「食料・農業・農村基本計画」で輸入をゼロと想定して国内の農地をフル稼働した場合にどの程度の食料を供給できるのかを示す新たな指標「食料自給力」を初公表しました。
食料輸入止まっても、イモ中心なら供給可能 農水省指標:朝日新聞デジタル
食料自給力、栄養に課題 農水省新指標  :日本経済新聞
農水省 「稼げる農業」に転換へ 「食料自給力」を初提示 - 毎日新聞
それによると、コメを中心に栄養バランスを考慮した作付を行った場合では、成人の1人1日当たり必要なエネルギー量である2147kcalを650kcal下回った1495kcalしか供給できないことになります。コメ中心では栄養バランスを考えなかった場合でも1855kcalに留まっています。
これに対し、イモを中心に生産した場合、栄養バランスを考えなければ2754kcal。考えた場合でも2462kcalといずれも必要なエネルギー量を満たします。なお、この場合の主食はコメのご飯からヤキイモに切り替わります。

(中略)

農林水産省がそうした想定の下で「コメの代わりにイモを食べれば大丈夫」というまさに第2次世界大戦の節米運動を思わせる試算を公表したことに不安の声が上がるのも無理はありません。
また、この食料自給力は現在使われていない荒れた農地のフル活用を想定していますが、少子高齢化や地方の過疎化に伴って農業人口は減少し続けており、何年も手の入っていない農地も多く、容易に想定通りの収穫を得られることは期待できません。
どのようにして新規の農業の担い手を育成し、過疎化の進む地域で生活基盤を構築していくかを同時に解決していかなければ単なる絵に描いた餅に終わります。
しかし農水省は逆にカロリーベースの食料自給率の目標を50%から45%へと引き下げる方針です。巨額の補助金を投入しても期待された効果が得られず、財務省からは「いたずらに財政負担に依存した国内生産への助成措置で自給率向上を図ることは困難」と批判されていました。

(後略)livedoor news 2015.3.18

農林水産省は、輸入が止められても、芋を食べれば大丈夫だよ。
という話。
それも今ある芋でなく、農地をめいっぱい使っての話です。

これって、戦時中や戦後の食べ物の無い時代の話ですよね。
真面目に、そんなことを考えている官僚に呆れます。

それよりも自分の国の食べ物は、自国で賄うようにするのが普通ではないでしょうか?


最近、参議院で「八紘一宇」などといわくつきのスローガンを嬉しそうにカンペを見ながら紹介し物議を醸しだした議員さんがいらっしゃいますが、そんなスローガンよりも「身土不二(しんどふに)」でも紹介してほしいものです。
「身土不二(しんどふに)」については、この七色堂でも記述したことがあります。


地産地消が食文化の基本だと思います。

そんな中、科学者は、小氷河期の到来を予期しています。

「地球は再び「小氷期」(Little Ice Age)に入る可能性があると、一部の科学者が発言している。これは、太陽がこの数年間不気味なほど静かな状態にあるためだ。

たとえば、イギリスのレディング大学で宇宙環境物理学教授を務めるマイク・ロックウッド博士は、今から40年の間に小氷期に入る確率は最大で20%だと試算している。」

(後略)
ハフィントンポスト日本版 2014.1.28


太陽活動だけでなく、火山の大規模な噴火も寒冷化の原因になります。
現代の太陽の予測不可な活動状態と火山の活発化は、十分に不作により世界規模の食糧不足の可能性を意味します。
実際、少し前にロシアで小麦不足のニュースがあったことを記憶しております。

そんな不安材料がありながらも、結局は、いつも官房長官殿がおっしゃられるように経済中心で物事を考えているということです。


食べ物の心配よりもTPPのほうが重要事項で、自由貿易により儲けることしか頭にないようです。

われらの安倍首相は、
2014年9月23日に行なわれた外交問題評議会(CFR)との懇談及び昼食会で「TPP『参加』を決断した」と発言しています。

いつの間に決めたのでしょうか?




でも、こういった人たちは決してイモなど食べずに米が集まってくるのでしょうね。
食糧難で、イモを食べるのは我々、下々の庶民です。