前回の余呉の羽衣伝説の続きです。

少し脱線しますが、この余呉という地は大変興味深いです。
前回も書きましたが、菅原道真と縁が深く、このあたりは天神信仰が強く残っています。
天神は、僕の旅でも多くの場所で目にします。
まだ僕の意識に上ってきていませんが、かなり意味深いと思います。
なんせ、雷神ですもんね!

また、以前より興味を持っていた天日槍関連の神社があり、渡来人の足跡が強く残ります。
例えば、現在は北野神社に合祀されている新羅崎神社。
ここには、菊石姫伝説が残っています。

他には、鉛練比古神社 (エレヒコ)なんて読めない社名・・・鉛を練るですか。。。



さて、話は、余呉から丹後の国の羽衣伝説に移ります。
羽衣天女の話として丹後風土記に記載されています。

昔、比治(ひじ)の山の真奈井で天女が水浴びをしていると、老夫婦に羽衣を隠され天に帰ることができなくなりました。天女は酒をつくり老夫婦と暮らしましたが、その後、家を追い出され、ほかの村に移り住みました。


実は、驚くことにこの天女の名が豊受姫であり、先日、水の旅で訪れた真奈井神社に祀られている豊受大神であり、そこから伊勢外宮の祭神になったのです。
だから、外宮の神様は、老夫婦に意地悪されて帰れなくなった可哀相な天女さまということになってしまいます。

まあ、ことの真相はわかりませんが・・・

しかし、ここで考えてしまうのは・・・

僕の頭の中では、どうしてもセオリツ姫と直結してしまうのです。


水の女神、祓戸の神、川の神、瀧の神として知られる瀬織津姫ですが、
何度か書いたように、僕にはセオリツヒメというと月の女神に見えてしまうのです。
もう一度書くと、
月神は、潮の満ち引きにも見られるように水を支配しています。
ゆえに海の神、水の神でもあります。
これは、作物の成長にも関わっていますし、穀物等の植物は月のサイクルに支配されています。
人の身体も一緒です。特に女性の性はそうです。
生命の誕生も月の満ち欠けに大きく影響されています。
だから、生き物を育てる大地母神でもあるのです。

そういった意味で食物の神、豊受大神は、月神と重なるのです。
同じ穀物神である保食神が月読命に殺されたのも意味があります。

また、時に月読命と同一と考えられるスサノオノミコトは、最初、海を統治するように命じられたことも興味深いです。
月黄泉は、黄泉の世界でもあり、スサノオは黄泉の国の王となりました。


別の話ですが、瀬織津姫は、天照大御神の荒魂だという話があります。
だとすると、瀬織津姫は太陽神になりますが、
この荒魂ですが・・・
僕の感じでは、荒魂というより、裏魂のような気がします。
天照大御神の裏魂が月神・瀬織津姫。
但し、神道に裏魂という概念がないので、荒魂なのです。

表と裏は、陽と陰です。
これらは、表裏一体で、陽が極まりて陰に転じ、また陰が極まりて陽に転じます。
僕は、瀬織津姫にそんなイメージを持つのです。
いわば、夜の太陽です。
おかしな話ですが・・・・
でも、月光は、月が発してる光じゃなくて、太陽光の反射ですから、
日光でもあるわけですよね。

思い出してください。
前回、アラハバキには、日神と月神が居ると言ったことを。

伊勢内宮の荒祭宮には、天照大御神の荒魂が祀られていますが、
これがアラハバキだという話があります。
そして、アラハバキ=瀬織津姫という説もあります。


僕には瀬織津姫とは、大地母神の原型・アラハバキであり月の女神であると思えてしまうのです。
それは、少し前に僕が夢の中で教えられた話なのです。


羽衣伝説は、まだまだ各地に残っています。
もっと調べれば、いろいろと面白い発見もあるかもですが、
今は、ここまでにしておきましょう。
また、いずれ、気の向くままに・・・

今は、新しいお題がちらついてきていますからね。。。