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「桜田門外ノ変」を書いたあと、資料集めの困難さを思いながらも天狗党へ取り組みは日増しに強くなっていったと作者は、あとがきに書く。
天狗争乱 (朝日文庫)/吉村 昭
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お・は・な・し
開国を推進した井伊大老が水戸浪士を中心にした一団に暗殺された4年後、水戸藩の尊王攘夷派の一部が筑波山で挙兵する。
中には農民や神官、町民、女性も混じっていた。
尊皇攘夷を掲げる各地の人々と呼応し、目的を遂げようとしたのだ。
強引な資金調達や傍若無人な行動は、そのことで人々に恐れられたが、やがて厳しい規律の下、1000名を超す一団は大砲や馬を連れ幕府と戦いを避けながら、街道を外れ厳しいいくつもの峠道をとおり徳川慶喜のいる京都を目指す。
整然としたそのようすに人々の見る目もかわってくる。
命がけで雪の北国街道の峠道を越えた一団に待っていたのは、思いもしなかった慶喜の命令だった。
自身の身の安全を図るため天狗党を幕府には向かう賊徒として捕まえるよう命令を出したのだ。
そして幕府の過酷な処分・・・・
明治と改元される数年前のことであった。
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いいろいろな時代小説があるが、剣豪・江戸庶民・忍者といった娯楽本の類ではない。
史実を基に読みやすく書かれた小説として読むと大変面白い。
地方に残る史実を丁寧に調査し、資料としてまとめた数多くの人々がいたからこの小説も完成したのかもしれない。
おすすめ。
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文庫のおばちゃんから
昨日の午後、あんまり気持ちがよいので麻生藩家老屋敷記念館をのぞいてきた。
あちゃ!カメラを忘れた。
誰もいなかったけど、管理人の方がいろいろお話してくださった。
2部資料をいただく。
その中に「梅一輪いちりんほどの暖かさ」を詠んだ服部嵐雪が麻生藩士であったことが載ってた。
この句は好きで、作った配布物に季節の句として紹介させてもらっていた。
こういうことがあると、本当に楽しくなってしまう。
それから維新後も新政府から出た天狗党諸生派の追討命令を守って麻生藩がこれを追撃したとの記述もみつけた。
なんだよぉ~。
明治になってもう終わったんじゃないの。
幕末、明治維新と大混乱だったのだとあらためて感じた。
「天狗争乱」によると、五島列島に遠島になった「天狗勢」の人たちを送るように幕府から命令された西郷隆盛が、「道理に於て出来かねますので、断乎おことわり申す」といったと言った記述が最後のページにあった。
あまりに過酷な幕府の裁きへの対応だったようだが、ここにも幕末の混乱、権力に翻弄される人々の一端がみえた。
麻生藩家老屋敷は、茨城県行方市麻生。
近くに公民館があるので、そちらに車を置いてどうぞ。
公民館から家老屋敷までの細い路地のような道は、
お殿様が毎日のお散歩に歩いた道とか。