読み終わって日を置いて、いっそうこの本を大勢の人に読んでもらいたいと思うようになった。それもかなり強く。
* 児童向けの戦争文学戦争物は読みたくないという人たちがいる。読後感がどこかで予想できてしまうからだ。そこにはみんながあの悲惨な戦争の被害者でというくくりがあるように感じる。
* しかし一人息子のために小説を書き始めたというウェストールの戦争に関わる作品を読んでいると、どきどきするほどある意味あっさり、子どもたちは大人たちや現実の正体を知ってしまう。少年時代といううらやましい~♪感受性豊かな年代と戦争のありようが、テーマになっている。
* わかりやすい書き方で、面白い。構成もすごい!! では、もう少し具体的に。
ロバート・ウェストール:作 越智道雄:訳
評論社:発行 児童文学館・文学の部屋
1983年 YA=ヤングアダルト
<あらすじ>
第2次世界大戦のさなか、イギリスの海辺の町に住むチャスは14歳。毎晩のような空襲の中、学校が休みになるのを楽しみにしている。当時少年たちは、爆撃機からの落下物をコレクションにしていた。少年たちは、すばらしい集中力を持って計画を実行していく。(ここがわくわく) そしてお互いを仲間と言える存在になる。
ある日、とんでもない落下物が迷い込んで来る。それは浮浪者のようなドイツ兵だった。町中の教会の鐘が鳴り響き、大人たちはパニックに・・・。
* 第2次世界大戦終戦当時、1929年生まれのイギリスの作家は16歳だった。翻訳を担当した越智さんは、あとがきで「B29やグラマンの脅威が天空を圧する時期に、チャス(主人公)たちより少し幼い少年だった訳者には異様な現実感があった・・・・本書に描かれた大人たちの身勝手さに対する不信も、記憶に残っていない・・・・・その生活感が敵側だったチャスたちの生活と重なり合い・・・」と書いている。
* 戦争中の辛辣な大人へのまなざしは、どこから来るのだろう。
この疑問は、読んでくれれば解決。
* この作家の本をもっと読んで欲しいと思う。手渡すのは大人、だってタイトルも装丁もちょっと、子どもが手を出しにくい。
* 子どもに、その子に合った本を薦められる大人ってかっこよくないですか?
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ブログには載せていないけど、これまでに読んだもの。どれも読みやすく、そのうえ面白い。
・ブラッカムの戦闘機 金原瑞人:訳 岩波書店 2006年(これが一番手に入りやすい)
★宮崎駿の漫画付き 彼はウェストールが大好きのよう
・かかし 金原瑞人:訳 徳間書店 2003年(図書館にある確率は高い)
・海辺の王国 坂崎麻子:訳 福武書店 1994年
・猫の帰還 坂崎麻子:訳 福武書店 1998年
・弟の戦争 原田勝:訳 徳間書店 1995年
どの本も話題になったので、図書館にあると思います。ないときは、リクエストをして他の図書館から借りてもらうか、その図書館で買ってもらう。これも図書館のサービスだから、遠慮しないこと。学校の場合は難しいから、担当の先生と仲良くなるか、本のりクエストにひつこく応募する。やってみる価値あり。