ぼくと(ジョージ)
E・L・カニグズバーグ:作 松永ふみ子:訳
岩波書店:発行
ぼくはベンジャミン、ジョージはぼくの中にいるもう一人のぼく。二人はよく助け合ってきた。ジョージとぼくと話ができるのは、弟のハワードだけ。パパやママや先生や、大好きな先輩も他の人は無理みたい。だけど、ぼくがジョージに「黙れ」言ってしまったので、二人の間はおかしくなってしまったんだ。ぼくは、他の人の気を引きたいばかりにみっともないことをしてしまう。そのひとつがジョージへの「黙れ」。
二重人格とか言われるけど、問題はそこではない。ぼくが周りの人に甘えず、卑屈にならず、自分らしさを大切にしながら自分をわきまえた判断をし、行動すること。この物語でもカニグズバーグは、きちんとした判断力を主人公の課題として与える。つまり、大ピンチを作るのだ。これを明かしては読者の楽しみまで奪ってしまうことになるのでここまで。
カニグズバーグは、大学で化学を学んだそうだ。今回はその知識が生かされる。アメリカって優秀な子に手厚い国なんだ。制度や文化の違いも面白い。男の子で読む本がないと思っている人、だまされたと思って読んでごらん。結構、はまりますよ。カニグズバーグ。