ジョコンダ夫人の肖像
E・L・カニグズバーグ:作 松永ふみ子:訳
岩波書店:発行 1975年
主人公はダ・ヴィンチの徒弟サライ。表紙に巻き毛の美男子のスケッチが載っているが、どうもそれが本人らしい。ダ・ヴィンチ本人による記録も残っていて「うそつき」「どろぼう」「大食らい」などと書かれている。
まったく話がうまい。カニグズバーグは作中の人物のキャラクターを大変わかりやすく書き分ける。それが彼女の作品の魅力の一つだとも思う。まして今回のように歴史上の人物が、豪華に登場するのであるから物語は、舞台を見ているように進む。
ジョコンダ夫人というのは、あの有名な「モナ・リザ」のモデルではないかと考えられている人の名前である。いつかいつかとお出ましを待っていても、作者は最後の最後それも「えっ」とうタイミングでしか登場させない。
小学校6年生以上なんて書いてあるが、歴史を少し知っている大人の方が楽しめるかも。これもまた子どもを寄せ付けない装丁なので、いっしょに探してあげてください。中に登場人物の自画像や彫刻、肖像画、スケッチなどがきちんと載っていて興味をさそいます。これが歴史小説の入り口になる子は、ラッキーかも。