ヴァイキングの誓い               

ローズマリー・サトクリフ:作 金原瑞人・久慈美貴:訳 

ほるぷ出版:発行 2002年


  冒険小説というジャンルがあるなら、ドンピシャな小説である。時代は10世紀、その舞台は北ヨーロッパ(こぶ白鳥のふるさと)、物語のほとんどは戦いに明け暮れるヴァイキングの生活である。距離は槍1投分と数えられる。歴史的な事実をふまえて書かれた物語だそうだ。しかし登場する人々は作者の空想の中。物語を自由に駆け回る。

  主人公は語り手でもあるイギリス生まれ少年ジェスティン・イングリッシュマン。孤児となって牛飼いから奴隷に、そしてヴァイキングと兄弟の誓いを結ぶ。これがタイトル。しかしその誓いの中には、復讐という命がけの誓いも含まれた。

  ヴァイキングたちは商売をし、海賊のような悪行を行い、ときには傭兵のような仕事をした。北ヨーロッパの海からイギリスへ、そしてユーラシア大陸の大河を遡り、船を陸に上げ黒海まで活動範囲を広げる。それは少年が自分の居場所を求めて苦悩し成長する旅。その時々を精一杯に生きる少年、そして彼が出会う人々は生き生きとしていて魅力的だ。



 

本 作者について  

イギリスの児童文学者・脚本も書く。歴史に題材を取った小説が得意。内容から勝手に男性かと思っていたが、名前から女性とわかった。幼いときの病気が原因で歩くことが不自由。画家を目指したが、偶然書いたものが認められ、出版向けの小説を書きはじめる。ケルト神話やギリシャ神話、古代の物語が多い。結構、はまる人も多い。それだけ魅力的ということです!

本  作者の本  

「ケルトの白馬」  「ケルトとローマの息子」など        ほるぷ出版

「ともしびをかかげて」 「銀の枝」 「第九軍団のワシ」など  岩波書店  など

★「ともしびをかかげて」が特に有名。カーネギー賞を受賞しているので、公立図書館はかなり確実に置いてある。