海賊の息子

ジェラルディン・マコックラン:作 上原里佳:訳 佐竹美保:絵

 2006年 偕成社:発行


  「海賊の息子」というタイトルを聞いただけでおぞましいという印象を受ける。でもマコックランだからと夢の空気を想像して読み始めた。物語の世界って夢の国って感じしませんか。

  物語のスタートは、イギリス本国。ラテン語や修辞学などを学ぶお金持ちのための学校。現実逃避の授業中海賊を夢見る少年がいた。しかし物語は、本当の海賊の息子が自分の生まれ故郷マダガスカルにその少年と彼の妹を連れて行くところから本格的な展開を始める。

  18世紀、海賊は捕まれば死刑と決まっていた。海賊の息子は、ここではかけないような秘密を受け入れなら自分と向き合うしかなかった。海賊は所詮海賊、利害がすべてに優先される。夢見る少年の心の支えは、聖書に代表されるキリスト教世界。そしてたくましく成長した妹の支えはマダガスカルの土地の信仰。

  最後の場面が印象的。


みずがめ座 おまけ

 名前の表記はむずかしい。マコックランはいろいろな表記があった。違う人かと思われるほど。このたび偕成社でより実際の音に近いマコックランに統一したというので合わせることにした。

かなりの高率でマコックランの本はおもしろい。小学校の高学年から。好きな子はふりがなが丁寧なので中学年でも大丈夫。難しいことはだんだんお勉強していけばいいこと。まずはあの楽しく、物語と仲良し。

  絵の佐竹さんの作品も楽しみ。版画をベースにしたでしゃらばない感じがいい。これからもよろしくお願いします。