黒い兄弟
作:リザ・テツナー 訳:酒寄進一 発行:あすなろ書房 初版1988年(ベネッセ)
「黒い兄弟」というのは、煙突掃除見習い少年たちが作った秘密の組織の名前。怖そうな表紙にこのタイトル、なんだか読む前からドキドキしてしまう。
150年以上も前、スイスでも子どもの人身売買が行われていた。物語では半年の契約で、隣国イタリアの業者に売られる。子供達は、劣悪な労働環境の中で死ぬことも多かった。実際似合った事件をもとに作者は、今の子供達に伝えたかったことがあった。
上下2巻700ページもあるのに一気に読めてしまうのは、作者の力量つまり物語のできのよさ。
作者はナチスが政権を取ったときスイスに亡命している。この本の出版は第2次世界大戦時中のスイス。作者の亡命生活を支えたのは志を持った多くの友人だったそうだ。
「クラバート」が読める子なら充分楽しめる。児童向けの物語。もちろん大人も楽しめます。