モンスーンあるいは白いトラ
作:クラウス・コルドン 訳:大川子 発行:理論社 初版:1999年
「白いトラ」は苦しい現世から人々を来世へと導く死を意味するもの。「モンスーン」は・・・・。読んでいくと終盤この不思議なタイトルの意味がずしずしとわかってくる。
主人公はあえて言えば、ふたりの少年。金持ちの物質的には恵まれた友情をお金で得ようとする少年。もうひとりは買われた少年。。「貧乏はなのは大変なことだし、ひとりぽっちも大変なことだ。この二つが重なったら目もあてられん」と少年の父親は言う。家族がいる。血のつながった家族も、そうでない家族も。しかし話は、このふたりの関係を追うだけではすまなくなる。ぐいぐいと引きつけられていく。コルドンの本領発揮か。
「ベルリン1933」の作者による作品。作者は、若くして東ドイツの貿易商として世界を巡った。そのときの体験が西側に亡命してからの彼の作家としての生活を支えることになる。この本は、インドの人々ととの交流が原点となっているそうだ。訳者も原作と出会い、出版のあてもなくとにかく読んでもらいたいという思いで、翻訳を進めたそうだ。
おまけ話 ('-^*)/Ⅰ 児童やヤングアダルト向けの優れた作品を発表し続けるコルドン。図書館の作者別の検索を使って調べてみよう。タッチパネル(銀行の自動支払機のような感じ)や子供にも使いやすいひらがな50音のキーボードなどいろいろあるから、パソコン苦手な人でもなんとかなるよ。操作がわからなかったら、図書館の人をよべばいい。みんな親切だよ。大きな声や大げさなふりをする人は、場所がらいないしね。ドキドキしやすい人も大丈夫。
おまけ話 ('-^*)/Ⅱ
今通っている図書館で、この本は私がはじめての読み手になったと思われるのがこの本。ページがしっかり開かれた形跡がないのと、本のしおり代わりの(名前が出てこない!!!)細いひもが真ん中あたりで外にはみ出さないように折られていたこと、長い間そのままだったらしく本をばらばっらとするとひものあったところが開くということ。それが嬉しいのではない。こんな本が誰にも読まれずにいることが残念なのである。この少しややこしいタイトルと児童書いう棚の置き間違えが、子供達に手を出すのを戸惑わせる。これはヤングアダルト向けである。児童書で登録してしまったから、その指示通りしているのだろうけど。図書館の人も読んで!
せっかくの一冊が誰にも読まれずに何年も本棚に置かれたままになっているようでもったいない。日の当たりにくい本に、手をさしのべて。コンピュータ処理をしている今なら、そんな一冊を探し出すのは容易なことであるはずだ。