『「手伝う」
っていう、その感覚が、もう
間違ってるからね』
『あ〜...はい。
なるほど、ですねぇ。』
『ちゃんと聞いてる』
『え、あ...
はいはいはい。
聞いてます聞いてます。』
『返事は1回』
パートの、田中さん。
何やら、ご立腹。
『だいたいさぁ
一緒に、生活してるんやから、
家のことを一緒にやるんは、
当たり前やと思わんのかいな
ねぇ』
『ん〜...
そー、ですよねぇ。』
『何で、
「何か手伝おうか」になるん
「自分は本来、家事やらない人です。」
みたいな認識、何なん』
『ん〜...
そー、ですよねぇ。』
『雨蛙ちゃんは、
そんな風になったらいかんよ』
『ん〜...
そー、ですよねぇ。』
『「結婚して俺は何もしない。」
とか、もう一番ダメ』
『ん〜...
そー、ですよねぇ。』
『...ねぇ、さっきからさ
ちゃんと聞いてる』
『ん〜。そー、ですよn
...あ違っ
聞いてます聞いてますっ。』
『聞いてないやん』
『まぁまぁまぁ笑
...でも、僕は結婚はまだ、
もーちょい先でも、いいですかねぇ。』
『まーた、そーやって
男はいいよねぇ
そんな悠長にできるから』
『えぇ
そんなん言われても...』
『なんねっ』
『あ、何でもないです。』
『まぁ...ねっ。
そんなことより、ねっ。
もー、仕事しましょ、仕事』
『あちょっと
まだ、話終わってないとよ』
『さっ、仕事仕事〜』
『ちょっと』
『さっ、お仕事お仕事〜』
雨蛙