迎春「春の海」 宮城道雄、室内楽への飽くなき挑戦
迎春、その言葉の通り春を迎えるにあたって是非聴いて頂きたい逸品正月に、和食レストラントランや料亭などに立ち入れば、必ず聞けるベスト3
と言ってもいいほど有名なので、曲名は知らなくても誰もが聞いた事があるかと。
あまりにも有名なので、あえてここで紹介したくなかったへそ曲がりの私アマデウスが、
何故突然ここで紹介する事になったのか?普段から天邪鬼、へそ曲がりの私アマデウスが、
まずこの「春の海」を聴こうと思ったその訳は・・・
その前に、伝統と革新について語らなければなりません。日本の伝統は失われつつあると言われ続けていますが
中国に比べれば、日本はかなりましな方だと思います。
何故ならば、日本の伝統音楽に携わる音楽家は、生計が成り立っているのに
中国の伝統音楽に携わる音楽家は、生計が成り立っていかない。だからこそ
彼らが日本にやって来るのだと、前にも述べました。
でも鎖国まで行った日本人の伝統を守る心は、えてして革新的な物に
攻撃または認めないといった事態を引き起こすものです。
では伝統と革新、この相反するものをどの様にして両立させればいいのか。
この事を日本と中国のある楽器に照らし合わせてみたいと思います。
ある楽器とは?・・・筝です。琴とも書きます。
中国から日本に伝わった筝は、ある程度の進化を終え、その後何百年もの間
仕様が変わっていません。それに対し中国の「KOTO」はほとんど昔のままの古琴と、
今もなお進化を続ける古筝に分かれていきました。古筝は弦の数も21弦、
音色もヨーロッパのハープのように優雅な響きを手に入れたのでした。
中国の伝統と革新の両立、この行いは正しかったのか?
日本以上に伝統芸能を失いつつある今の中国を見ていると、疑問が深まるばかりなのです。
さていよいよ本題に入りたいと思います。今から聴いて頂く「春の海」は、とても革新的な挑戦と言える演奏です。
通常「春の海」は日本の筝と尺八で演奏されるのですが、それをなんと、
中国の古筝と日本の尺八で演奏しているのです。
もともと「春の海」は、宮城道雄が欧米の室内楽の作曲技法を取り入れようと、
飽くなき挑戦を続けていた中で生まれた作品、当時としてはとても革新的な作品と言えます。
その革新的な作品を中国の古筝で演奏するのですから、新しいものも古いものも愛する者にとって、
ぜひ聴いておきたい演奏ですよね。いつもはヨーロッパのハープの様に華麗に鳴り響く古筝ですが、
「春の海」を演奏することで、少し押さえ気味になっているようです。それだけ宮城道雄が革新的
にもかかわらず、どれだけ日本の伝統美を大切にして来たかの顕れではないでしょうか。
いつの世も、伝統と革新の両立は、難しいものです。
では、中国の古筝と日本の尺八で、宮城道雄の「春の海」を聴いて頂きましょう。
日本の筝と中国の古筝の音の違いに注意しつつ、宮城道雄の室内楽への挑戦をお聴き下さい♪
The Sea of Spring尺八 & 箏 - 春の海 shakuhachi & guzheng
宮城道雄自作自演
春の海/宮城道雄の箏/宮城道雄

¥2,685
Amazon.co.jp