常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)のことをご存じの方もおおいと思いますが、私は詳しく知るのは初めてでした。

 

あらましはこんな感じです。

エネルギーの主流が石炭から石油へ徐々に移行し、 全国の炭鉱が閉山に追い込まる時代がやってきましたが、

常磐炭礦という会社の副社長だった中村豊さんは、まだ炭鉱に活気があったときからその未来を察知し、炭鉱に携わる人たちすべての未来を考えて、『炭鉱から観光へ』というアイデアを提唱しました。


「東北にハワイを作ろう」

炭鉱内に湧き出ていた温泉の熱を利用して南国の植物を育てることを計画し、ハワイアンセンターを完成させます。

施設の目玉は、中村さんが視察の旅で心打たれたフラダンスのショーでした。


この計画の原点、“炭鉱に代わる雇用“を実現するために、施設(宿泊施設、飲食店)の従業員など、全てを炭鉱マンやその家族といった地元の人でまかなう事に決め、また、フラダンスのダンサーだけはさすがに外部からよびましょうという周囲の声に対し、中村さんはこう言ったそうです。

 

「常磐炭礦の社宅だけで6千戸。そこにはあらゆる年齢層の家族が住んでいる。この家族を結集し、隠された才能を見つけ育んでこそ、新しい産業、家族の新たな収入源につなげることができる。ハワイアンセンターの計画を成功させる必要があるのだ。家族が「常磐ハワイアンセンター」で働けるということこそ『一山一家』の伝統に相応しいと思うんだ。」

 

「一山一家」、それは常磐炭礦に古くから根付いている、山で働くすべての人間が家族であり、常に助け合って生きていこうという考え方だそうです。

 中村さんはこの伝統を活かしてこそ、ハワイアンセンターの成功があると考え邁進し、周りもみな一丸となって大成功にこぎつけたのでした。

 

このお話を聞きながら、私たちの奥深くにながれている精神を感じていました。

 

「一国一家」

「一地球一家」

 

みんなで助け合い、一人ももれる者なく、栄えてゆく、


全体性の中での個、個々の才能が開花してさらに全体も素晴らしくなってゆく


遠い遠い昔から、そして、これからずっと先までも