天気のいい昼下がり、パウリーは走っていた。

また借金取りに追われているのだ。

偶然ソレを目撃したカリファ。

逃げる→撒くまで時間がかかる→仕事が遅れる→船の納期が近い

→ギリギリもしくは間に合わなくなる→アイスバーグさんに迷惑がかかる

そんな図式が頭の中で展開した。

パウリーが追われるのは正直構わないがアイスバーグさんに迷惑がかかるのはいただけない。

追っ手はざっと4人。あの手の借金取りはターゲットが遠くに逃げるものだと思っているだろう。

その通りパウリーは遠くに逃げようとしている。

カリファはため息をついた。

仕方がない・・・・・。






パウリーは逃げていた。

まぁいつものことだ、もう少し遠くまで行けば撒くことができるだろう。

どうやって撒こうか考えながら走っていると

パウリーはいきなり腕を引っ張られ、狭く薄暗い袋小路のような場所に押し込まれた。


「うわっ!!??なっ!!??」


目を白黒させて状況を飲み込もうとする。

目の前にはミルクティーブロンドの髪の毛。カリファだった。


「おい!おまっっカリ・・・ンっっ!!!!」

「静かにっ!」


口を手でふさがれる。

周りに集中するカリファ。足音が近づいてくる。


『オイどこいった!?そっちか!?』


パウリーを探す声が聞こえる。

でもパウリーはそんなことは頭から飛んでいた。


(ち、近い近い近い!!!!つーか当たってる!!!!!)


その場所は通りからは完全に死角になっていて、薄暗く、とても狭かった。

体の自由がきかないパウリーは、視線だけを落ち着きなく動かすことしか出来なかった。

マズイ、この距離で下を向いたらいけない・・・・。パウリーのほうが少し背が高いのだ。

そう気付いたのはウッカリ下を向いた後で・・・・。





足音はだんだん遠ざかり、カリファは警戒を解くと、自分の手からパウリーの口を開放した。

必死でその場所から抜け出るパウリー。つんのめって 転ぶ。

その顔は真っ赤で、頭からユゲがでんばかりだ。

そんなパウリーを見て、カリファは笑いたいのをこらえて事務的に納期が迫っていることを告げた。

そしてカリファはその場をあとにした。



その日、ドックに戻ったパウリーが仕事になったのかならなかったのかは

結局納期ギリギリで仕上がった船を見れば分かること・・・・。笑