(過去記事1)を書いていて二人のタレントを思い出した.

 

 ちょっとここで例として出すのは変かもしれないが,私は山口百恵(1959.1.17-)と清水由貴子(1959.9.7-2009.4.20)が思い浮かぶ.ふたりとも同じ年生まれの歌手・女優だ.

 

後にソニーのプロデューサー酒井政利は「私は新人は自分で探すという自負心があったため、本来は『スター誕生!』とは距離を置いていましたが、山口百恵と清水由貴子だけは手がけてみたいと思えた」と語った[2]。

『スター誕生!』で司会した萩本欽一も「同情とは別の部分で、その執念を理解した。立っているだけで哀愁を感じさせ、この子が有名になることで幸せになるなら後押ししたいと思った。それは、百恵ちゃんと清水由貴子の2人だけだったね……」と語る[3]。 

 

 二人とも貧しい母子家庭で育った.ふたりとも妹が一人いる.貧しい生活を抜け出す賞金が欲しくてスター誕生に出場した(1972.12, 1976.2).そして夢がかなって歌手として女優として成功した.

 かたや山口百恵は1980年21才で結婚し芸能界引退(過去記事2).かたや清水由貴子は2006年に親の介護もあって仕事をセーブし,未婚独身のまま2007年に自殺.

 清水由貴子の内情はよくわからない.山口百恵は金と名声を得て絶頂期にいながらさっと芸能界を去っていった.そして今は孫もいる.清水由貴子はなぜ49才まで独身だったのか分からない.妹や母親のため責任感が強く,自分個人の私的幸せを優先するということが無かったのだろうか.

 山口百恵が引退する1980年にデビューした松田聖子(1962.3.10-)は子供ひとりをもうけたがそれ以上は生まず,実母に養育してもらい,夫婦生活家族生活よりも仕事を優先した.当時社会はそれを咎めることもなく称賛した.新しい女性のロールモデルだと.しかし一人娘との関係はうまくいかず娘は自殺した.

 

 いろいろ考えさせられる.社会的に成功することと自分と自分の家族の幸福を追求することは,ときに両立しない.

 

 いかなるルートを通ろうとも真の実力者は頭角をあらわすが,それは頭角を現したものを実力者と自分勝手な世間が認定して利用しているのであって,それがその”実力者”の真の幸福かどうかは別である.

 最後は私生活を犠牲にする競争になってしまうことがある.そこまでして世間に迎合する意味とは何か.

 

 社会の方も実力者をていよく利用するのではなく,無理せずとも発見して報酬を与えるようにしたい.

 

 社会に認められることイコール自分が自分でいられること

になって自分を追い込むことがある.

 

(過去記事1)

 


 

(過去記事2)