(過去記事1)で

取り上げた筆算の話.

 

 そこでは受験ゲームのプレーヤー(とサポーター)の立場の話をした.

 

 今回は,試験問題を出す学校側,行政の側,もっと上の立場の人を動かすような世論形成の話をしたい.

 
 プレイヤーとしてではなく,行政として俯瞰して考えるなら,

 これだけ計算機が発達した今,筆算にこだわるほうが馬鹿らしい.

 

 古いのだ.

 

 もう早く,入試でも電卓使用が可になるようにしたほうがよい.国家資格では電卓持ち込み可の資格試験はすでに沢山ある.欧米の学校の授業では九九も覚えないし電卓使用はあたりまえだ.

 

 学校を卒業したら筆算なんて必要ない.筆算はたまに役に立つという年配の人もいるだろう.ソロバンだっていまだに価値を感じてやっている人もいる.それは各人の考え方次第だ.ソロバンを習うと頭の中で暗算が得意になるのでよいと利点をいう人もいう.筆算・ソロバンに利点が全く無いとは言わない.そういうものは興味がある人が各人民間でやればよい話だ.入試で課さなくったって大切だと思えば筆算練習やればよいのだ.ソロバンと同じだ.

 

 入試という皆がうける場所で筆算を必須にすべきではない.

 2022年11月からはじまった県立高校入試の英語スピーキングテスト.そこでは吃音者への合理的配慮が行われた.

 

 

 吃音者は英語スピーキングテストの不受験を選択できる.不受験の場合は筆記試験で同点だった人のスピーキングテストの平均スコアが使われるらしい.

 

 良いと思う.

 

 
 中高大の入試で筆算障害の人への配慮もすべきである.
 
 国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法整備の一環として,
2013年6月「障害者差別解消法」が制定され,2016年4月1日から施行された.
そこでは,合理的配慮の義務化がされた.
施行から既に8年以上たっている.
 
国公私立・小中高大・すべての学校における入学試験と定期試験において
筆算障害者に対する合理的配慮について
義務が果たされるよう,文科省と国民は監視すべきである.

 

 中学入試の算数はもちろん,大学入試の化学のモル計算などでも筆算がたいへんである.

 

塾としては筆算が得意な生徒を入塾させて鍛えるのが合理的戦略だが,それは筆算障害者への差別を生む.

筆算障害者を国内カースト下位へ押しやる.

 

これはプレーヤー同士民間の話し合いでは決着がつかない.

 

政府が積極的に各学校へ法律義務の厳守を働きかけるべきである.

 

 

 

(過去記事1)