受験界で有名な佐藤ママが言っていたことで印象に残ったのが、
空欄は残すな
というのだった。

 テストでは空欄は残すな
というのだ。空欄は0点確実なので、何でも良いから何か書いておけ、と。

 一見正しいように思える。

 まあ、受験テクニックとしては間違えてないのだろう。

 しかし私はこれに違和感を持っていた。それって日本の受験指導としては正しくても、それって教育か?学力向上と関係あるか?国力を上げることに繋がっているか?

 日本人はこの感覚に慣れすぎているような気がする。

 例えばインドの入試を見てみよう。



 インド工科大学の入試はマークシート試験なのだが、

 間違えた答えを書くとマイナス点になる。

 白紙の方が0点だからまだマシなのだ。


 例えば四択問題なら、日本では自信がなくてもどれかを選択する。それで25%の確率で正解になる。


 ところがインドでは、自信がなくでまかせに答えるなら答えずに白紙の方が点数の期待値が良いのだ。


 受験テクニックというのは、試験の形式に作用される。


 インドの入試の方が、よりリアルな知性を試していると感じる。


 私は昔から常々考えていた。


 解答欄に、答えを書くだけでなく、その答えに自信があるかどうかを記入させるのだ。

 スーパーひとし君

という答えの自信度を表す仕組みのあるクイズ番組があった。世界不思議発見(1986.4-2024.3)。あれのことだ。


 スーパーひとし君欄がチェックされた上で正答→満点

 スーパーひとし君がノーマークで正答→部分点

 スーパーひとし君がノーマークで誤答→0点

 スーパーひとし君がチェックされて誤答→マイナス点


 この仕組みの方が、より現実に近いと思う。

 素人が専門家に知識を頼る時、

自信を持って正答してくれる人が一番頼りになり、

自信を持って誤答する人が一番頼りにならない。

自信がないなら無いと言って欲しい。


 ただし数学の証明問題などは誤植があっても価値ある場合があるので、その場合はスーパー仁君チェックでも酷い誤答だけマイナス点にした方が良いと思う。

 知識問題の4択などにはすぐそのまま使えるはずだ。

 たまたま合ってただけの人と自信を持って正答した人の間に差をつけるべき。これでかなり変わってくる。


 以前、ある教員が、

こんな酷い答案書いてる学生がいるんですよ

と憤慨していた。私が、

いやそれは本人もとにかく何か書かねば、と思って書いてるだけですよ。受験テクニックとしてそうするよう指導されてきてるんですよ。誤答は白紙より低いマイナス点にするような採点基準にしたら、そんな答案は無くなりますよ

と言ったら、その教員黙っちゃったなぁ。


 日本でこの方式をとっている入試を私は知らない。


 知性というものはもっと多様であるべきなのに、入試の形式に多様性が無いのはダメだろう。


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