学習塾を開業するのに何の資格もありません.

そこで務めるためにも資格は要りません.

(過去記事1)でも書いたように4大塾中の日能研以外は18才大学一年生でもバイト講師ができます.

時給3000円,授業外時給1250円とかが相場です.

 

さて,民間療育の話.

 

 

児童発達支援事業所の開業に必要な条件

 

民間療育のための児発支事業所.

これのオーナーになるために資格は要りません.

 

設置するためには次の3名が必要です.

・児童発達支援管理責任者   

・児童指導員か保育士(常勤)

・児童指導員か保育士(非常勤でも可)

この3名は資格が無いといけません.このほかに

・管理者1名

も必要ですが,上の3名と兼務もできるし資格も必要ないので,

単に”管理者”とだけ名乗っていたら,資格も経験も何もないと思っていてよい.

利用定員が11名を超えると児童相談員か保育士は増員(非常勤可)が必要になります.

 

ただしここで注目したいのは

児童相談員か保育士

は障害児療育の知識・経験は必要ありません.

児童相談員は保育所で2年間仕事をすれば名乗れます.

 

 

 

とすると,事業所の専門家は

・児童発達支援管理責任者    

1名だけとなります.

 これは名乗るまでに最短で5-7年かかります.

・実務5年ー8年

・基礎研修26時間

・OJT2年(注:実務経験に障害者施設勤務2年を含んでいれば,ここはカットできる.)

・実務研修14.5時間

 

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/jihatukan_ichiran.pdf

 

 

ただし,実務5年は曲者で,栄養士・柔道整復師として5年勤めても要件を満たします.幼稚園・小中高の教員を8年間勤めても満たします.

つまり障害児と全く関わらなくても良いのです.

 

OJTは実際に働くだけですから,

教育としては26+14.5=40.5時間の講習だけということになります.

サビ管(サービス管理責任者)(成人した障害者対象)の研修と重なります.

 

https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001226975.pdf

 

その40.5時間の講習の内容は上のサイトにあります.

 

つまり,

・基礎研修1(11h)(東京都では5日間.うち最初の3日間はオンライン型動画配信)

(5h)講義:障害者の地域支援と相談支援事業者の役割に関する講義

(3h)講義:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び指導福祉法の概要並びにサービス提供のプロセスに関する講義

(3h)相談支援におけるケアマネジメント手法に関する講義

・基礎研修2(15h)(東京都では5日間.うち最初の3日間はオンライン型動画配信)

(7.5h)講義:サービス管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義

(7.5h)演習:サービス提供プロセスの管理に関する演習

・実践研修(14.5h)(東京都では3日間.1日目はオンデマンド配信)

(1h)講義:障害福祉の動向に関する講義

(6.5h)講義と演習:サービス提供に関する講義及び演習

(3.5h)人材育成の手法に関する講義及び演習

(3.5h)多職種及び地域連携に関する講義及び演習

 

 

 

以上です.

まあ仕事としては必要な常識は盛り込んでいるのでしょう.

しかし,実際は事業所に通う子のほとんどはASD,ADHD,LDなどで来ているわけです.

例えばASDについてはどこで学んでいるのでしょうか.

 

https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/shienhoukanrenkensyu/sabi-kentoukai/sabikenntoukai/30-10sabikannkenntoukai.files/30-10sabikenntoukai-sannkousiryou1.pdf

 

 

 

上には研修の資料がUPされています.

 

ASDはどんなものか,ADHDはどうか,ABAは効果があるのかどうか

そんな話は全く無関係のようです.

 

 まあ,良いことは言っているんですよ.

病気だけに着目して薬で治療したりしては駄目だとか,厳しく指導しては駄目だとか.

 

でも,それって専門性っていうんですかね.

誰でもちゃんと考えれば分かる話.

 

 いや、児発管はあくまで支援を管理する人だから、ASDとかダウン症とか聴覚視覚障害者とかそれぞれの細かな具体的分野の専門家である必要はない、というのであれば、まあそうなのかもしれん。、 

 しかし、その下で働くのは障害児支援経験ない保育士2人(うち常勤は一名)で組織としては成り立っちゃうのよ。

 

 つまり,普通の親が自分の子供にやって出来ない事を出来るような専門技術なんて

児発管は持っていないんですよ.

 

 一生懸命やっているのは分かる.

 

 国としても人材を確保したいのは分かる.

 

 でも,専門性は何もない.

 

 療育とか教育は医療とは全く違う.エビデンスが無い世界なんですよね.

 

 全国の母親がこぞって幼稚園・保育園に自分の子供をまかせ,変だと言われれば発達センターや児童発達支援事業所で療育をする.

 

 

 でも,見学すると分かるんですけど,発達センターにしろ児発支援事業所にしろ,いろいろなんですよ.

 

 幼稚園8年やってた人が

・6日間のオンライン動画配信

・4日間の集団研修

やってOJT2年やり,

・1日間のオンデマンド動画配信

・2日間の集団研修

やれば,幼稚園の後輩さそって

児童発達支援事業所をつくれる.

 あるいは資本を持っているオーナーがいれば何の知識が無くても,保育士つかって児童発達支援事業所を開業できる.

これと似た方法でB型作業所を開業することもできる.

 

 だから現場の人を見ないとだめ.ただの未経験の保育士が療育出来るのだから.

 

 

 みんな,保育園とか学校とか療育とか信用しすぎだって.

 

(追記 2024.5.15)

児発菅で実践研修を受講するためにOJT2年必要だが,基礎研修要件の実務経験にOJT2年を組み込み可能で,基礎研修の後に実践研修をすぐに受講できます.

 

 

(過去記事1)

 

 

(過去記事2)