(過去記事1)などで塾に金をかける心理を書いた。


上のニュース記事を読んだ。

息子の中学受験費用に総額五百万円をかけ第三志望の中堅校に進学でも納得したわけ

と題してる。

そのわけとは、

(1)一コマ16000円の個別指導塾の教師は、受験校選びでも丁寧に助言した。希望していた学校は、「近年奇問が増えていて、奇問対策してきた子に勝てないから避けた方が良い」と根拠を示して助言した。

(2)個別指導塾を勧めてきたママ友の娘も、偏差値が高かったのに息子と同じくらいの偏差値の学校へ進学した

(3)進学した学校は評判が良く、文化祭にも息子と行って気に入っていた


だそうだ。

拍子抜けするくらいたわいない理由。

 もう取り戻せないので後悔しても仕方ない、なんとか納得しようと努力している様しか伺えない。


 塾サイドとしては、入る前は夢を見させておいて、受験が決まった頃は、塾側の失敗は認めない。みんなこんなものだと納得させる。

 途中で、志望校選びなど、検証できない勝手な理屈をこねて、金を払わないと受けられなかったと思われるような助言で指導した感をもたせる。


 本当に奇問が出ているのか、それは合否にどれだけ影響するのか、合格ボーダーラインの子はそれら奇問が本当にできるのか。奇問対策というのは本当に存在していてどれだけの期間でどれだけ効果が期待できるものなのか。それらを客観的に論文に書けるくらい信憑性のあるファクトになっているのか。

 だいたい塾講師が情報を持っているわけはないのだ。学校法人が営利企業に非公開資料を渡していたら法律違反である。


 1人の親を納得させれば良いだけだから、ちょろいもの。自分で子供の勉強見たり過去問を調べて討論できるくらいの熱がなく、金払って済まそうとする親はまさにカモだ。



 塾教師のプロの腕というのは、生徒の試験力をあげることではなく、金を出させて、納得させる、という技術のプロといえる。


 彼らは偏差値の数理すら分かっていない。

 営業のプロなのだ。



(過去記事1)