(過去記事1)で小学校の同窓会と言ったけれど,

小学生時代であることは確かなんだが,正確には普通の小学校ではない.

戦後は孤児院になった.

戦前戦中にそこで小学生時代をすごした老人たちの同窓会だ.

とはいってもそこにはみんな一年とか短期しかいなかったはずだ.

 

 思い出話を聞くと面白い.

 

 女子小学生の頃,軍人さんからラブレターを貰って親が激怒したという話を武勇伝のように語る老婦人とか.

 浜辺で成人男性(漁師?)が立っているのだが,全身素っ裸で,男性器に紐をくくりつけてる姿を覚えているとか.

その時代,その地域ではそういう風習があったのだろうか.

 

 東京理科大学の前身の東京物理学校(-1951.3)では入試が無かったが文部省の指導で入試をやるようになったとか.共通一次試験前は私大は難関では無かったとか.共通一次試験は1979年にはじまったから,1924年生まれの長老幹事がすでに55歳のときだ.彼が20才の時はまだ1944年戦中だ.

 

 みんな,自分と似たような人があつまって暮らしている.日常としてはそのほうが暮らしやすいのだ.本田秀夫医師が最近の著書に書いていた言葉も思い出す.同じくらいの人たちであつまって互いに助け合ったり競ったりする関係が良い,と.

 そうなんだよね.その一方で,たまには自分らと違う人たちと交流してみるのも人生観が変わって面白い.

 

 

 戦前に小学生時代をすごした人たち,今の90代の人たちの感性に触れると,私の感性もかなり狭いものだと実感する.幹事からの葉書で連絡がついて東京日本橋のホテルまでタクシーや電車でやってきて三千円払ってテーブルで洋食を食べられる人という時点でごく一部の勝ち組かもしれない.5人中一人以外は杖を突いていたが,車いすの人はひとりもいなかった.

 

 

 (過去記事2)では1940年当時の状況を書いたが,そのときに長老幹事は16才だ.今回の同窓会は彼が1930年代中盤ぐらいをすごした時代の思い出を語っているわけだ.1940年の先生や児童らの白黒写真が会場に並べられていた.長老幹事が持ってきたものだ.

 

 1924年生まれの有名人と言うと,

 力道山(享年39才)

 淡路吹雪(享年56歳)

 吉本隆明(享年89歳)

 安部公房(享年68歳)

 鶴田浩二(享年62歳)

 安部慎太郎(享年67歳)

 竹下登(享年76歳)

 カーター大統領(存命!)

 大ブッシュ大統領(享年94歳)

 相田みつを(享年67歳)

 荒木雅子(女優・存命!)

 藤城清治(影絵作家・存命!) 

 

 ある人が90歳の人に定年まで勤めあげたとほめていたが,それっておそらく1994年(平成6年)頃退職.もう30年も前の話だ.

 

  

 みんな時代に縛られて生きている.

 私は百歳まで元気に生きられるとは思っていないが,私の子や孫の世代は全く違う時代観をもっているだろう.

どう変わっているかは予想できないということを予想すべきかと思う.大きく想定外なんじゃないだろうか.

 

(過去記事1)

 

 

(過去記事2)

 

 

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