今まで(過去記事1,2)などで述べてきた通り,私は小学校時代の中学受験勉強に否定的だ.

 

 それは長期的な人生から見た場合,マイナスになる可能性があるからである.もちろん人生に再現性は無いので,中学受験をして良かったと判断する人も悪かったと判断する人もいるだろう.その判断が正しい場合もあるだろうが,人はだいたい取り返しのつかない過去は肯定したがるものだ.

 また,生存者バイアスというのがある.それによって成功した少数の人々の意見が大きくなり不利益を被った多くの人々の意見は埋もれるという現象だ.

 

 昨年度の東京都でも小学校卒業者のうちで都内公立中学校へ進学するのは77.8%だ.都内私立小学校へは19.8%である.国立私立合わせると20.2%.

 8割は都内公立中学校へ進学している.

 また最近は改革(学区制が撤廃され、高校入試で内申点より筆記試験配分を大きくし、筆記試験は都内一律で無く自校作成)により都立高校は大学合格実績を伸ばしてきており、昨年は都立高校受験に強い塾enaが広告で、合格実績から

小石川は私立武蔵の上、日比谷は麻布の上

と書いて、品性を問われた。

 

 

 

 

 

 

 

 だが,受験ビジネスは儲かるからか,塾産業やその広告をとりたがるマスコミは受験熱を煽りたいようだ.

 

 

 (過去記事4)でも書いたが,学習塾で働いている人たちに知性を感じない.上位校への合格数を多く稼ぐ職人であって,学者でも教育者でも哲学者でもないビジネスマンと感じた.

 

 中学受験で一番大きな問題は,私は睡眠時間の確保だと思っている.成長期に夜遅くまで塾に通い朝早く小学校へ行くことによって,心身の成長に悪影響を与える.

 記憶をつかさどる海馬が成長しないのだ.

 小学生は個人差もあるが9-12時間の睡眠時間が必要とされている.睡眠が9時間で十分な子もいるだろうが,そんな子は少ないと思われる.海馬が成長しなければ,結局は6年後の大学受験,ないしはその後に抜かれてしまう.

 

 あともう一つ,気にしている資料がある.それはハーバードメディカルスクールで長年研究されている幸福の研究結果だ.

 ネット記事でも何度も取り上げられている.

 

 

 

 

これらは一般向けの記事で,そこで引用しているハーバードメディカルスクールの研究は英語版Wikiにある.

 

 

1942-44年にハーバード大生だった268人をそれから80年後の今に至るまで追跡調査している研究である.

 

 私がこれから学んだのは,

 

 幸福になるために重要なこととは,自分と一緒にいる親密な人たち(特に父母や人生最後まで一緒にいる子や配偶者)との人間関係が最も重要で,それを名誉・収入・地位のために犠牲にしない事

 

である.

 

 Grant Studyの結論は次回見ていこう.

 

続き.

 

 

 

(過去記事1)

 

 

(過去記事2)

 

 

(過去記事3)

 

 

(過去記事4)