(過去記事1)でとりあげた記事の続き.

 

 

 

「たまがわ」を卒業した生徒たちのほとんどは、障害者雇用で働きます。その手取りというのは、おおよそ12万~13万円です。生活保護でもらえる金額とさして変わりません。働かなくても、生活保護を受ければ、携帯を持つことくらいはできます。多少であれば買い物をしたり、遊んだりすることもできるでしょう。でも、それでは幸せにはなれないんですね。

 

人の役に立つ、ということが大切なんです。ここが自分の居場所だと感じ、自分が幸せだと感じられるのは、人の役に立っていると思えるからです。

 

 

 なるほどね.ただ,これは個人の気質や人生観ともつながる話で,人それぞれだと思う.

 私が障害者の立場だったとして,本当にそれが人の役に立つ仕事だとか,自分にしか出来ない仕事だとか,高給積んででもやってほしいと願う人がいる仕事だとか,あるいは養育する家族がいるとか,そういう条件があれば作業所で毎日働くと思う.

 

 アイムの佐藤典雅さんがYouTubeで言っていたのは,作業所で1日安賃金で働くなんて,私だってやりたくない,だから私は息子を作業所員でなく画家にした,というようなことを言っていた.

 

 作業所で働くことに生きがいを感じるか,感じないか,

それは人に依ると思う.

 

 あるレベルの人なら,生活保護で気ままに暮らした方が楽だろう.

 別のレベルの人は,作業所で働くことに生きがいを見出すだろう.

 

 毎日同じことをコツコツやることが得意な人もいるし,それがやりがいと感じるタイプもいる.自閉症はこのタイプが多いかもしれない.

 

 一方で,そんなことが苦手な人,嫌がる人もいると思う.

 それよりは,画家だったりユーチューバーだったり,何かを表現することで生きがいを感じる人もいるかもしれない.

 

 例えば私だったら,需要が本当にあるか分からない軽作業を作業所で週40時間やるよりは,生活保護でもうけながら,こうやってブログを書いている方が生きがいを感じるかもしれない.読んでいる人が少なくて収入が無いとしても,自分の考えを定着させることが出来るし,過去書いた記事が蓄積される.

 

 うちの子はどのタイプか,まだ年中の段階では私には分からない.

 

 さきの記事から引用.

 

子どもが働きだしたら、会社がもうひとつのネットワークになるわけです。職場に若者を支える環境があれば、離職率もおのずと低くなります。そして家庭の環境も、引き続き重要です。

 仕事で疲れて帰ってきたときに、「お疲れさま。明日も頑張って」と洗いたての作業着を出してもらえたら、「じゃあ明日も頑張ろうかな」と思えますよね。そうでもしなければ、18歳の子がそんなに頑張って働こうなんてなりませんよ。


 んー,ちょっと思ったのが,仕事で疲れて帰って来た時に,その洗い立ての作業着を出してくれるのは,誰か?赤ちゃんをおなかに妊娠している妻だったら,そりゃ頑張ろう,となりますよ.でもね,それが18歳超えた自分の年老いたお母さんなわけですか?老母もどれだけ長く生きて続くかどうか.老母が亡くなったら惰性だけで作業所勤務を続けるようになるのかどうなのか.

 

 仕事の動機って,やっぱり家族をもてる希望が大きい.将来自分が結婚して家庭をもつ夢がなかったら,離職率が高くなるのはあたりまえとも言える.

 

 やっぱり人は見ている部分が短期的になりがちなのは仕方が無いかもしれない.特別支援学校校長は,せいぜい中学生・支援学校在校生・卒業して数年先,ぐらいしか見ていないので神格化は禁物だ.でも,個人差はあれど,当人や親は長期的スパンで眺めたうえで現在に時折焦点を合わせている.

 

 小中9年間は登校しなくても卒業は出来る.18歳春から手帳が成人用に切り替わるので,そこからどういう生き方をしていくかが問題になる.障碍者雇用で良い条件でいくなら15歳の時点で支援学校高等部と考えていたが,18歳春で就職しないのであれば支援学校高等部を選ぶ必要性は薄れる.普通高校で高卒資格をめざすべきなのか.子供の様子次第で判断は変わるだろう.10年後,20年後このブログを自身で見たら,あの時はなんにも分かっていなかったな,と思うかもしれない.

 

(過去記事1)

 

 

 

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