(過去記事1)の続き


前にも言ったが、このブログは持論を固めて都合の良い証拠だけあげるのではなく、持論を反証するような証拠をぶつけて検証していく形なので、結論は変わっていくことがある。だから、一つの記事の最初の方と最後の方で言っていることが違っていることもあるので、そこはご了承ください。

私の心の動きもお楽しみください。


(1) 株式悲観論


1980年でSP500をはじめて2023年までで

日本国債の2倍のトータル倍率(年1.02倍)

できたという架空の話。

 

その43年間の間、

1995年 阪神淡路(地震)  6,300人(死者・行方不明)

2011年 東日本(地震/津波)  19,000

 

も逃れてお金を降ろす必要もなかった人。

東日本大震災は1000年に一度と言われたが、

2024年一月の能登半島地震も1000年に一度クラスらしい。

 

少し古いデータだが、

自然災害10位のうち日本は3つも入っている。

東京・大阪・名古屋だ。

 

自然災害リスクの高い都市ランキング
1.東京・横浜(日本)
2.マニラ(フィリピン)
3.珠江デルタ(中国)
4.大阪・神戸(日本)
5.ジャカルタ(インドネシア)
6.名古屋(日本)
7.コルカタ(インド)
8.上海(中国)
9.ロサンゼルス(米国)
10. テヘラン(イラン)

※スイスの再保険会社スイス・リーが2013年に発表

世界の自然災害~死者数ランキング(歴代) (aspnet-japan-solidarity.asia)

 

 

歴代金融危機

1987年:ブラックマンデー
2008年:リーマン・ショック
2010年:フラッシュクラッシュ
2020年:OPECクラッシュ
2020年:新型コロナクラッシュ

 

これらの大暴落にも平然として現金化せず、マスコミが金融恐怖を煽るもそのストレスに耐え続け、

ひたすら43年間、米国株にお金を放置していた人。

1980年で40歳なら、2023年は83歳だ。

 

国債の2倍とはいっても、それは1980年時点で一括投資した場合の話だ、

積み立て投資なら、投資期間が半分の計算だからルート2で1.4倍くらいだ。国債の1.4倍程度。

 

それはリスクやストレスの割には倍率小さすぎないか?

 

あくまで世界一うまくいっている国の場合の話だ。日本株だったら日本国債より損だった。

 

201106_kpi_kohyo.pdf (fsa.go.jp)

kpi_toushin_230622.pdf (fsa.go.jp)

 

上のふたつは金融庁が発表している共通KPI(購入時以降の手数料引いたリターン)。

それによれば、

投資信託の顧客で運用益プラスの人は、

2020年3月調査では、3割

2023年3月調査では、8割

 

 2020年3月調査が発表されたころには、

なぜ投資家の7割は損をしているのか?

それはメンタルが弱いからだ、ちょっと減ると怖くてすぐに引き上げちゃうからだ、銘柄選びが下手だからだ

などと、証券マンが記事をたくさん書いていた。

 

 違うのだ。

 

 購入した時期と売る時期の問題なのだ。銘柄選びは単にだ。でなければインサイダー。

 投資ライターが語るテクニックなんて小さな話で、景気が良い時は何やっても大抵儲かるし、景気が悪い時は何やっても大抵損する。

 景気の波は数十年単位で個人の人生にとって長い。

 

 たしかに、例えば投資して資金が10%減ったら解約する戦略をとれば、かなり高い割合で損をする、でも1割しか損をしない(低い確率で大儲け)。逆に、資金が10%増えたら離隔してしまう、という戦略をとれば、かなり高い割合で得をする、でも1割未満しか得をしない(低い確率で大損)。

 

 2020年3月発表されたときに、証券マンは、馬鹿な投資家が多いだけで、うまくやれば良いのだ、と本や記事に書いていた。私の言うことを聞けばうまくいくと。

 2020年からの3年間で投資家が賢くなったわけではない。たんに景気の波の問題に過ぎない。

 

 その景気の波はランダムだが、二項分布など特定の確率分布に従わない。なにかある固定された平均値とか分散とかがあって、それに従うランダムネスではないのだ。未来はどんな確率分布に従うかなんか分からない。過去のデータはどんなデータであろうが、平均も分散・標準偏差も計算できる。そして、あたかもその平均・分散・標準偏差に従ったランダムデータであったかのように記述することはできる。過去のはね。でも、過去だってそんな確率分布には従っていなかった。終わった話は、それをもとに架空の確率分布を計算上求めることができるというだけの話なのだ。

 

  あとね、年2%国債より得と言ったて、変動がある。年2割り増し、2割減とか。株価あがれば財布の紐は緩くなるし、下がれば硬くなる。

 でもそれって、必要無いものに金かけたり、必要なものに金ケチったりする事なんだよね。

 そしたら、トータルで人生豊かになったと言えるのか?


 長期間ストレスとリスクを払った見返りとしてのリターンなんだよね。43年相乗平均で年2%. 


(2) 株式肯定論


 仮に五千万円資産ある夫婦を考える。

 老後資産夫婦で三千万円要るとして(最近この説は否定されてるが)、退職金二千万円とする。一千万円は手堅く国債にするとして、四千万円をどうするか?今の五千万円のうち一千万円を国債、四千万円をオルカンへ15年間預ける。


国債では物価上昇分と相殺されるか負けるかくらいだろう。


4000万円のうち1800万円を5年に分けてNISAで非課税として


360*((1.02)^15+(1.02)^14+(1.02)^13+(1.02)^12+(1.02)^11)+2200*((1.02)^15*(1-0.20315)+0.20315=5136


15年間のストレスとリスクの引き換えに1136万円得る。年間76万円。月6.3万円。


これはSP500の場合。

五千万円あるなら、月6万円は大きいか。


オルカンの長期は調べていないので分からないが、米国株6割なので、最低でも1.02は1.02*0.6=0.612である。米国株だけ過去43年と同等で他の国がゼロになることはあり得ないが。


(3)株式悲観論再び


 しかしね、バブル真っ只中、

 1987年2月9日

 それまで電電公社という国営企業が民営化され、NTTとなって株式上場した。

 国鉄がJRになったが、あれは鉄道という斜陽産業だった。1987年2月時点でのNTTは光り輝いていた成長産業とみなされていた。PCが普及しはじめ、パソコン通信がはじまったころで、みんなNTT株を欲しがった。大人気すぎて、一般の個人が買うことは難しかった。



おおかたの読み筋どうり、コンピュータ産業も通信事業もご存知の通り、急成長した。しかし、上のサイトを見れば分かる通り、1987年に熱狂してNTT株を買った人は押し並べて損をしたわけである。


 こんな話もある。

 かつての計算機業界の巨人IBMよりも斜陽産業タバコのフィリップモリスの方が株価上昇率が大きいのだ。その業界の成長を予想するだけではダメで、ライバル会社との関係で株価は変わる。


 本当に年率2%で国債より儲かるなら、なんで個人投資家が証券会社へ行ってホイホイ買えるのか?買えるということは売り渡している人がいるはずだ。儲かるものをわざわざ売ってくれる天使って誰か?新NISAになってこれだけ株価が上昇している最中に売ってくれる人って?もう老後とかですぐにお金が必要な人か?そんな人がそんなに沢山いるのか?


続く




 


(過去記事1)